正の数列 $\{a_n\}$ が、$a_1 = 3$、$a_{n+1} = \sqrt{a_n + 7} - 1$ ($n=1,2,3,\dots$) で定義されているとき、極限値 $\lim_{n \to \infty} a_n$ を求める問題です。 まず極限が存在すると仮定してその値を求め、その後数列が単調増加または単調減少であることを示し、極限が存在することを証明するのはなぜかという質問が含まれています。

1. 問題の内容

正の数列 $\{a_n\}$ が、$a_1 = 3$、$a_{n+1} = \sqrt{a_n + 7} - 1$ ($n=1,2,3,\dots$) で定義されているとき、極限値 $\lim_{n \to \infty} a_n$ を求める問題です。

まず極限が存在すると仮定してその値を求め、その後数列が単調増加または単調減少であることを示し、極限が存在することを証明するのはなぜかという質問が含まれています。

2. 解き方の手順

(1) 極限が存在すると仮定してその値を求める。

$\lim_{n \to \infty} a_n = \alpha$ と仮定する。このとき、$\lim_{n \to \infty} a_{n+1} = \alpha$ である。漸化式 $a_{n+1} = \sqrt{a_n + 7} - 1$ の両辺の極限をとると、

$$\alpha = \sqrt{\alpha + 7} - 1$$

両辺に1を加えて、

$$\alpha + 1 = \sqrt{\alpha + 7}$$

両辺を2乗すると、

$$(\alpha + 1)^2 = \alpha + 7$$

$$\alpha^2 + 2\alpha + 1 = \alpha + 7$$

$$\alpha^2 + \alpha - 6 = 0$$

$$(\alpha + 3)(\alpha - 2) = 0$$

$\alpha = -3, 2$ となるが、数列 $\{a_n\}$ は正の数列であるから、$\alpha = 2$ となる。

したがって、$\lim_{n \to \infty} a_n = 2$ と予想される。

(2) 数列が単調減少であることを示す。

$a_1 = 3 > 2$ である。

$a_n > 2$ を仮定すると、$a_n + 7 > 9$ より $\sqrt{a_n + 7} > 3$。

したがって、$a_{n+1} = \sqrt{a_n + 7} - 1 > 3 - 1 = 2$ となり、$a_{n+1} > 2$ が示される。

よって、すべての $n$ に対して $a_n > 2$ が成り立つ。

次に、$a_{n+1} - a_n < 0$ を示す。

$a_{n+1} - a_n = \sqrt{a_n + 7} - 1 - a_n$

$a_{n+1} - a_n = \sqrt{a_n + 7} - (a_n + 1)$

ここで、$f(x) = \sqrt{x + 7} - (x + 1)$ とおくと、

$f(2) = \sqrt{2+7} - (2+1) = 3 - 3 = 0$

$f'(x) = \frac{1}{2\sqrt{x+7}} - 1$

$f'(x) = 0$ とすると、$\frac{1}{2\sqrt{x+7}} = 1$ より $2\sqrt{x+7} = 1$。$\sqrt{x+7} = \frac{1}{2}$ より $x+7 = \frac{1}{4}$。$x = \frac{1}{4} - 7 = -\frac{27}{4}$

$x > 2$ に対して、$f'(x) < 0$ であるから、$f(x)$ は単調減少である。

$a_1 = 3$ より、$a_2 = \sqrt{3+7} - 1 = \sqrt{10} - 1 \approx 3.16 - 1 = 2.16$

$a_1 - a_2 = 3 - (\sqrt{10}-1) = 4 - \sqrt{10} = 4 - 3.16 = 0.84 > 0$

$a_2 - a_3 = \sqrt{a_2+7}-1-a_2 < 0$

$a_{n+1} - a_n = \sqrt{a_n + 7} - (a_n + 1) = \frac{(a_n+7) - (a_n+1)^2}{\sqrt{a_n + 7} + (a_n + 1)} = \frac{-a_n^2 - a_n + 6}{\sqrt{a_n + 7} + (a_n + 1)} = \frac{-(a_n-2)(a_n+3)}{\sqrt{a_n + 7} + (a_n + 1)}$

$a_n > 2$ より、$a_n - 2 > 0$ かつ $a_n + 3 > 0$ である。

したがって、$a_{n+1} - a_n < 0$ となり、$a_{n+1} < a_n$ が成り立つ。

(3) 数列 $\{a_n\}$ は下に有界な単調減少数列であるから、極限が存在する。

(4) 質問について

まず極限が存在すると仮定してその値を求めるのは、極限が存在する場合にどのような値になるのかを予想するためです。

次に、数列が単調増加または単調減少であることを示すのは、数列が有界であれば極限が存在することが保証されるからです。

上に有界な単調増加数列、または下に有界な単調減少数列は必ず極限を持つという定理があります。この定理を利用するために、数列が単調性を持つことを示す必要があります。

3. 最終的な答え

$\lim_{n \to \infty} a_n = 2$