実数 $m$ に対して、関数 $f(x) = x^2 + 3x + m$ の $m \le x \le m+2$ における最小値を $g$ とおく。 (1) $m > -\frac{3}{2}$ のとき、$g$ を $m$ で表す。 (2) $m \le -\frac{3}{2}$ のとき、$g$ を $m$ で表す。 (3) $m$ の値がすべての実数を変化するとき、$g$ の最小値を求める。

1. 問題の内容

実数 $m$ に対して、関数 $f(x) = x^2 + 3x + m$ の $m \le x \le m+2$ における最小値を $g$ とおく。

(1) $m > -\frac{3}{2}$ のとき、$g$ を $m$ で表す。

(2) $m \le -\frac{3}{2}$ のとき、$g$ を $m$ で表す。

(3) $m$ の値がすべての実数を変化するとき、$g$ の最小値を求める。

2. 解き方の手順

まず、$f(x) = x^2 + 3x + m$ を平方完成する。

$f(x) = (x + \frac{3}{2})^2 + m - \frac{9}{4}$

軸は $x = -\frac{3}{2}$ である。

(1) $m > -\frac{3}{2}$ のとき

区間 $m \le x \le m+2$ に軸 $x = -\frac{3}{2}$ が含まれるか否かで場合分けする。

(i) $m > -\frac{3}{2}$ かつ $m+2 < -\frac{3}{2}$ のとき、すなわち $-\frac{7}{2} < m < -\frac{3}{2}$ はありえない。

(ii) $m > -\frac{3}{2}$ かつ $m \le -\frac{3}{2} \le m+2$ のとき、すなわち $m > -\frac{3}{2}$ のとき、

最小値は $f(-\frac{3}{2}) = m - \frac{9}{4}$ となる。

したがって、$g = m - \frac{9}{4}$

(2) $m \le -\frac{3}{2}$ のとき

区間 $m \le x \le m+2$ に軸 $x = -\frac{3}{2}$ が含まれるか否かで場合分けする。

(i) $m \le -\frac{3}{2}$ かつ $-\frac{3}{2} < m+2$のとき、すなわち $-\frac{7}{2} < m \le -\frac{3}{2}$ のとき、

最小値は $f(-\frac{3}{2}) = m - \frac{9}{4}$ となる。

したがって、$g = m - \frac{9}{4}$

(ii) $m \le -\frac{3}{2}$ かつ $m+2 \le -\frac{3}{2}$ のとき、すなわち $m \le -\frac{7}{2}$ のとき、

$f(x)$ は区間 $m \le x \le m+2$ で減少関数であるから、最小値は $f(m+2)$ となる。

$f(m+2) = (m+2)^2 + 3(m+2) + m = m^2 + 4m + 4 + 3m + 6 + m = m^2 + 8m + 10$

したがって、$g = m^2 + 8m + 10$

まとめると、

$m > -\frac{3}{2}$ のとき $g = m - \frac{9}{4}$

$-\frac{7}{2} < m \le -\frac{3}{2}$ のとき $g = m - \frac{9}{4}$

$m \le -\frac{7}{2}$ のとき $g = m^2 + 8m + 10$

したがって、

$m > -\frac{3}{2}$ のとき $g = m - \frac{9}{4}$

$m \le -\frac{3}{2}$ のとき、

$-\frac{7}{2} < m \le -\frac{3}{2}$ ならば $g = m - \frac{9}{4}$

$m \le -\frac{7}{2}$ ならば $g = m^2 + 8m + 10$

結局

$m > -\frac{3}{2}$ のとき $g = m - \frac{9}{4}$

$m \le -\frac{7}{2}$ のとき $g = m^2 + 8m + 10$

$-\frac{7}{2} < m \le -\frac{3}{2}$ のとき $g = m - \frac{9}{4}$

(3) $g$ の最小値を求める。

$m > -\frac{3}{2}$ のとき $g = m - \frac{9}{4}$ は増加関数

$-\frac{7}{2} < m \le -\frac{3}{2}$ のとき $g = m - \frac{9}{4}$ は増加関数

$m \le -\frac{7}{2}$ のとき $g = m^2 + 8m + 10 = (m+4)^2 - 6$

$m = -4$ のとき $g = -6$

ただし、これは $m \le -\frac{7}{2}$ を満たさないので、境界の $m=-\frac{7}{2}$ を調べる。

$g = (-\frac{7}{2})^2 + 8(-\frac{7}{2}) + 10 = \frac{49}{4} - 28 + 10 = \frac{49}{4} - 18 = \frac{49-72}{4} = -\frac{23}{4} = -5.75$

$-\frac{3}{2}$のとき $g = -\frac{3}{2} - \frac{9}{4} = -\frac{6+9}{4} = -\frac{15}{4} = -3.75$

したがって、 $g$ は $m = -\frac{7}{2}$ で最小となり、$g = -\frac{23}{4}$ である。

3. 最終的な答え

(1) $m > -\frac{3}{2}$ のとき $g = m - \frac{9}{4}$

(2) $m \le -\frac{3}{2}$ のとき

$-\frac{7}{2} < m \le -\frac{3}{2}$ のとき $g = m - \frac{9}{4}$

$m \le -\frac{7}{2}$ のとき $g = m^2 + 8m + 10$

(3) $g$ の最小値は $-\frac{23}{4}$