(1) $\sqrt[3]{2}$ が無理数であることを証明せよ。 (2) $P(x)$ を有理数を係数とする $x$ の多項式で、$P(\sqrt[3]{2}) = 0$ を満たしているとする。このとき、$P(x)$ は $x^3 - 2$ で割り切れることを証明せよ。

代数学無理数多項式代数学の基本定理背理法
2025/7/26

1. 問題の内容

(1) 23\sqrt[3]{2} が無理数であることを証明せよ。
(2) P(x)P(x) を有理数を係数とする xx の多項式で、P(23)=0P(\sqrt[3]{2}) = 0 を満たしているとする。このとき、P(x)P(x)x32x^3 - 2 で割り切れることを証明せよ。

2. 解き方の手順

(1) 23\sqrt[3]{2} が無理数であることの証明:
背理法を用いる。23\sqrt[3]{2} が有理数であると仮定すると、互いに素な整数 p,qp, q を用いて 23=pq\sqrt[3]{2} = \frac{p}{q} と表せる。
このとき、両辺を3乗すると、
2=p3q32 = \frac{p^3}{q^3}
2q3=p32q^3 = p^3
よって、p3p^3 は偶数であるから、pp も偶数である。そこで、p=2kp = 2k (kk は整数) とおくと、
2q3=(2k)3=8k32q^3 = (2k)^3 = 8k^3
q3=4k3q^3 = 4k^3
よって、q3q^3 は偶数であるから、qq も偶数である。
ppqq がともに偶数となり、互いに素であるという仮定に矛盾する。したがって、23\sqrt[3]{2} は無理数である。
(2) P(x)P(x)x32x^3 - 2 で割り切れることの証明:
P(x)P(x)x32x^3 - 2 で割ったときの商を Q(x)Q(x)、余りを ax2+bx+cax^2 + bx + c とする。ここで、a,b,ca, b, c は有理数である。
P(x)=(x32)Q(x)+ax2+bx+cP(x) = (x^3 - 2)Q(x) + ax^2 + bx + c
x=23x = \sqrt[3]{2} を代入すると、
P(23)=((23)32)Q(23)+a(23)2+b23+cP(\sqrt[3]{2}) = ((\sqrt[3]{2})^3 - 2)Q(\sqrt[3]{2}) + a(\sqrt[3]{2})^2 + b\sqrt[3]{2} + c
P(23)=0P(\sqrt[3]{2}) = 0 なので、
0=(22)Q(23)+a(23)2+b23+c0 = (2 - 2)Q(\sqrt[3]{2}) + a(\sqrt[3]{2})^2 + b\sqrt[3]{2} + c
0=a(23)2+b23+c0 = a(\sqrt[3]{2})^2 + b\sqrt[3]{2} + c
a43+b23+c=0a\sqrt[3]{4} + b\sqrt[3]{2} + c = 0
ここで、a,b,ca, b, c は有理数であり、23,43\sqrt[3]{2}, \sqrt[3]{4} は無理数なので、a=b=c=0a = b = c = 0 でなければならない。
もし、a,b,ca, b, c のうち少なくとも一つが 0 でないならば、a43+b23+c=0a\sqrt[3]{4} + b\sqrt[3]{2} + c = 0 を満たす 23\sqrt[3]{2} は有理数となり矛盾する。
したがって、a=b=c=0a = b = c = 0 である。
よって、P(x)=(x32)Q(x)P(x) = (x^3 - 2)Q(x) となり、P(x)P(x)x32x^3 - 2 で割り切れる。

3. 最終的な答え

(1) 23\sqrt[3]{2} は無理数である。(証明終わり)
(2) P(x)P(x)x32x^3 - 2 で割り切れる。(証明終わり)

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