与えられた連立一次方程式について、以下の問いに答えます。 連立一次方程式は $ \begin{cases} x + 3z = 1 \\ 2x + 3y + 4z = 3 \\ x + 3y + z = a \end{cases} $ で与えられます。 (1) 係数行列 $A$ の階数 rank($A$) を求めます。 (2) $A$ が正則行列かどうかを判定します。 (3) 連立方程式が解を持つように定数 $a$ の値を求めます。 (4) (3) で求めた定数 $a$ のとき、連立方程式の解を全て求めます。
2025/7/26
1. 問題の内容
与えられた連立一次方程式について、以下の問いに答えます。
連立一次方程式は
$ \begin{cases}
x + 3z = 1 \\
2x + 3y + 4z = 3 \\
x + 3y + z = a
\end{cases} $
で与えられます。
(1) 係数行列 の階数 rank() を求めます。
(2) が正則行列かどうかを判定します。
(3) 連立方程式が解を持つように定数 の値を求めます。
(4) (3) で求めた定数 のとき、連立方程式の解を全て求めます。
2. 解き方の手順
(1) 係数行列 は
$ A = \begin{pmatrix}
1 & 0 & 3 \\
2 & 3 & 4 \\
1 & 3 & 1
\end{pmatrix} $
です。
の階数を求めるために、行列を簡約化します。
まず、2行目から1行目の2倍を引きます。
$ \begin{pmatrix}
1 & 0 & 3 \\
0 & 3 & -2 \\
1 & 3 & 1
\end{pmatrix} $
次に、3行目から1行目を引きます。
$ \begin{pmatrix}
1 & 0 & 3 \\
0 & 3 & -2 \\
0 & 3 & -2
\end{pmatrix} $
最後に、3行目から2行目を引きます。
$ \begin{pmatrix}
1 & 0 & 3 \\
0 & 3 & -2 \\
0 & 0 & 0
\end{pmatrix} $
簡約化された行列は、2つの線形独立な行を持つので、rank() = 2 です。
(2) 正方行列 が正則であるためには、rank() が のサイズ (今回は3) に等しくなければなりません。
rank() = 2 < 3 であるため、 は正則行列ではありません。
(3) 連立方程式が解を持つためには、拡大係数行列の階数と係数行列の階数が一致する必要があります。拡大係数行列 は
$ B = \begin{pmatrix}
1 & 0 & 3 & 1 \\
2 & 3 & 4 & 3 \\
1 & 3 & 1 & a
\end{pmatrix} $
です。
に行基本変形を行います。
$ \begin{pmatrix}
1 & 0 & 3 & 1 \\
0 & 3 & -2 & 1 \\
0 & 3 & -2 & a-1
\end{pmatrix} $
$ \begin{pmatrix}
1 & 0 & 3 & 1 \\
0 & 3 & -2 & 1 \\
0 & 0 & 0 & a-2
\end{pmatrix} $
連立方程式が解を持つためには、rank() = rank() である必要があるので、 すなわち でなければなりません。
(4) のとき、連立方程式は
$ \begin{cases}
x + 3z = 1 \\
2x + 3y + 4z = 3 \\
x + 3y + z = 2
\end{cases} $
となります。
簡約化された行列は
$ \begin{pmatrix}
1 & 0 & 3 & 1 \\
0 & 3 & -2 & 1 \\
0 & 0 & 0 & 0
\end{pmatrix} $
なので、
$ \begin{cases}
x + 3z = 1 \\
3y - 2z = 1
\end{cases} $
です。 ( は任意の実数) とおくと、
となります。
3. 最終的な答え
(1) rank() = 2
(2) は正則行列ではない
(3)
(4) $ \begin{cases}
x = 1 - 3t \\
y = \frac{1 + 2t}{3} \\
z = t
\end{cases} $ (tは任意の実数)