与えられた2次方程式 $x^2 + 2tx + 4 = 0$ について、以下の2つの問いに答えます。 (1) この方程式が異なる2つの実数解を持つための $t$ の条件を求めます。 (2) この方程式の2つの実数解を $\alpha$, $\beta$ とするとき、「$\alpha > 1$ かつ $\beta > 1$」となるための必要十分条件を求めます。

代数学二次方程式判別式解と係数の関係不等式
2025/7/26

1. 問題の内容

与えられた2次方程式 x2+2tx+4=0x^2 + 2tx + 4 = 0 について、以下の2つの問いに答えます。
(1) この方程式が異なる2つの実数解を持つための tt の条件を求めます。
(2) この方程式の2つの実数解を α\alpha, β\beta とするとき、「α>1\alpha > 1 かつ β>1\beta > 1」となるための必要十分条件を求めます。

2. 解き方の手順

(1) 異なる2つの実数解を持つ条件
2次方程式 ax2+bx+c=0ax^2 + bx + c = 0 が異なる2つの実数解を持つための判別式 DDD=b24ac>0D = b^2 - 4ac > 0 です。
与えられた方程式 x2+2tx+4=0x^2 + 2tx + 4 = 0 について、a=1a = 1, b=2tb = 2t, c=4c = 4 なので、判別式 DD
D=(2t)24(1)(4)=4t216D = (2t)^2 - 4(1)(4) = 4t^2 - 16
異なる2つの実数解を持つための条件は D>0D > 0 なので、
4t216>04t^2 - 16 > 0
t24>0t^2 - 4 > 0
(t2)(t+2)>0(t - 2)(t + 2) > 0
したがって、t<2t < -2 または 2<t2 < t
(2) α>1\alpha > 1 かつ β>1\beta > 1 となる条件
α>1\alpha > 1 かつ β>1\beta > 1 となるための必要十分条件を考えます。
α>1\alpha > 1 かつ β>1\beta > 1 は、α1>0\alpha - 1 > 0 かつ β1>0\beta - 1 > 0 と同値です。
解と係数の関係より、α+β=2t\alpha + \beta = -2t かつ αβ=4\alpha \beta = 4 です。
ここで、(α1)+(β1)=α+β2=2t2>0(\alpha - 1) + (\beta - 1) = \alpha + \beta - 2 = -2t - 2 > 0 より 2t>2-2t > 2 すなわち t<1t < -1
また、(α1)(β1)=αβ(α+β)+1=4(2t)+1=2t+5>0(\alpha - 1)(\beta - 1) = \alpha \beta - (\alpha + \beta) + 1 = 4 - (-2t) + 1 = 2t + 5 > 0 より 2t>52t > -5 すなわち t>52t > -\frac{5}{2}
さらに、(α1)+(β1)>0(\alpha - 1) + (\beta - 1) > 0 かつ (α1)(β1)>0(\alpha - 1)(\beta - 1) > 0 に加えて、実数解を持つ条件も必要です。
α>1\alpha > 1 かつ β>1\beta > 1 より α+β>2\alpha + \beta > 2 かつ αβ(α+β)>1\alpha \beta - (\alpha + \beta) > -1
解と係数の関係より、α+β=2t\alpha + \beta = -2t かつ αβ=4\alpha \beta = 4 なので
2t>2-2t > 2 かつ 4(2t)>14 - (-2t) > -1
t<1t < -1 かつ 4+2t>14 + 2t > -1
t<1t < -1 かつ 2t>52t > -5
t<1t < -1 かつ t>52t > -\frac{5}{2}
52<t<1-\frac{5}{2} < t < -1
しかし、最初に求めた2つの実数解を持つ条件 t<2t < -2 または 2<t2 < t との共通範囲を考えると、
52<t<2-\frac{5}{2} < t < -2 は条件を満たさないので、適切ではありません。
α>1\alpha > 1 かつ β>1\beta > 1 は、2次方程式 x2+2tx+4=0x^2 + 2tx + 4 = 0 の解 α\alpha, β\beta が両方とも1より大きいということです。
これは以下の3つの条件を満たすことと同値です。
(i) 判別式 D0D \ge 0 (実数解を持つ)
(ii) α+β>2\alpha + \beta > 2 (解の和が2より大きい)
(iii) (α1)(β1)>0(\alpha - 1)(\beta - 1) > 0 (両方の解が1より大きい)
(i) 4t21604t^2 - 16 \ge 0 より t24t^2 \ge 4 なので、t2t \le -2 または t2t \ge 2
(ii) 2t>2-2t > 2 より t<1t < -1
(iii) αβ(α+β)+1>0\alpha \beta - (\alpha + \beta) + 1 > 0 より 4(2t)+1>04 - (-2t) + 1 > 0 すなわち 2t+5>02t + 5 > 0 なので t>52t > -\frac{5}{2}
これら3つの条件を満たす tt の範囲は 52<t2-\frac{5}{2} < t \le -2 です。
したがって、α+β>2\alpha + \beta > 2 かつ αβ(α+β)>1\alpha \beta - (\alpha + \beta) > -1 となります。

3. 最終的な答え

(1) t<2t < -2 または 2<t2 < t
(2) α+β>2\alpha + \beta > 2 かつ αβ(α+β)>1\alpha \beta - (\alpha + \beta) > -1

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