実数 $a$ に対して、「任意の自然数 $n$ に対し常に $\frac{1}{n^2} \leq \frac{1}{a^2}$ が成り立つ」という条件が、「$0 < a \leq 1$ である」ための何条件か(必要条件、十分条件、必要十分条件、どれでもない)を判断する問題です。

代数学不等式条件十分条件必要条件必要十分条件実数
2025/7/26

1. 問題の内容

実数 aa に対して、「任意の自然数 nn に対し常に 1n21a2\frac{1}{n^2} \leq \frac{1}{a^2} が成り立つ」という条件が、「0<a10 < a \leq 1 である」ための何条件か(必要条件、十分条件、必要十分条件、どれでもない)を判断する問題です。

2. 解き方の手順

(1) 0<a10 < a \leq 1 ならば 1n21a2\frac{1}{n^2} \leq \frac{1}{a^2} が常に成り立つか (十分条件の確認):
0<a10 < a \leq 1 ならば a21a^2 \leq 1 です。したがって、0<a210 < a^2 \leq 1 です。
ここで、任意の自然数 nn に対して n21n^2 \geq 1 なので、1n21\frac{1}{n^2} \leq 1 が成り立ちます。
1a21\frac{1}{a^2} \geq 1 であり、任意の自然数 nn に対して 1n21\frac{1}{n^2} \leq 1 なので、1n21a2\frac{1}{n^2} \leq \frac{1}{a^2} が常に成り立ちます。
したがって、0<a10 < a \leq 11n21a2\frac{1}{n^2} \leq \frac{1}{a^2} であるための十分条件です。
(2) 1n21a2\frac{1}{n^2} \leq \frac{1}{a^2} が常に成り立つならば 0<a10 < a \leq 1 か (必要条件の確認):
1n21a2\frac{1}{n^2} \leq \frac{1}{a^2} が任意の自然数 nn に対して成り立つとします。
n=1n=1 のとき、1121a2\frac{1}{1^2} \leq \frac{1}{a^2}、つまり 11a21 \leq \frac{1}{a^2} となります。
この不等式は a21a^2 \leq 1 と同値であり、1a1-1 \leq a \leq 1 を意味します。
さらに、1n21a2\frac{1}{n^2} \leq \frac{1}{a^2} であることから、1a2\frac{1}{a^2} は常に正の値を取るので、a0a \neq 0 であり、aa は実数なので、a2>0a^2 > 0 が成り立ちます。
よって、0<a210 < a^2 \leq 1 となり、0<a10 < |a| \leq 1 となります。これは 1a<0-1 \leq a < 0 または 0<a10 < a \leq 1 を意味します。
aa が負の値を取る場合を考えます。例えば、a=0.5a = -0.5 とすると、a2=0.25a^2 = 0.25 となり、1a2=4\frac{1}{a^2} = 4 です。このとき、1n24\frac{1}{n^2} \leq 4 が任意の自然数 nn に対して成り立つので、n214n^2 \geq \frac{1}{4}。これは常に成り立ちます。したがって、a<0a < 0 の場合でも、1n21a2\frac{1}{n^2} \leq \frac{1}{a^2} を満たす aa が存在します。
したがって、1n21a2\frac{1}{n^2} \leq \frac{1}{a^2} が常に成り立つならば、0<a10 < a \leq 1 であるとは限りません。
よって、0<a10 < a \leq 11n21a2\frac{1}{n^2} \leq \frac{1}{a^2} であるための十分条件ではあるが必要条件ではありません。

3. 最終的な答え

十分条件

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