1から8までの数字が書かれた8個の玉がある。 (1) 8個から2個を選び箱Aに入れる方法は何通りあるか。 (2) 8個から2個ずつ選び箱A,B,Cに入れる方法は何通りあるか。また、箱A,Bには5以下の数が書かれた玉だけを、箱Cには6以上の数が書かれた玉だけを入れる方法は何通りあるか。 (3) 箱A,B,Cに入れた玉の数の和をそれぞれa,b,cとする。a,b,cがすべて偶数となる入れ方は何通りあるか。また、a,b,cのうち、少なくとも一つが偶数となる入れ方は何通りあるか。

確率論・統計学組み合わせ場合の数確率順列
2025/7/21

1. 問題の内容

1から8までの数字が書かれた8個の玉がある。
(1) 8個から2個を選び箱Aに入れる方法は何通りあるか。
(2) 8個から2個ずつ選び箱A,B,Cに入れる方法は何通りあるか。また、箱A,Bには5以下の数が書かれた玉だけを、箱Cには6以上の数が書かれた玉だけを入れる方法は何通りあるか。
(3) 箱A,B,Cに入れた玉の数の和をそれぞれa,b,cとする。a,b,cがすべて偶数となる入れ方は何通りあるか。また、a,b,cのうち、少なくとも一つが偶数となる入れ方は何通りあるか。

2. 解き方の手順

(1) 箱Aに入れる2個の玉の選び方は、8個から2個を選ぶ組み合わせなので、組み合わせの公式を用いて計算する。
組み合わせの公式は nCr=n!r!(nr)!nCr = \frac{n!}{r!(n-r)!} であり、nn は全体の数、rr は選ぶ数である。
この場合、n=8n=8r=2r=2 なので、
8C2=8!2!(82)!=8!2!6!=8×72×1=288C2 = \frac{8!}{2!(8-2)!} = \frac{8!}{2!6!} = \frac{8 \times 7}{2 \times 1} = 28
(2) 3つの箱への入れ方を考える。まず、8個から2個を選び箱Aに入れる。次に、残りの6個から2個を選び箱Bに入れる。最後に、残りの4個から2個を選び箱Cに入れる。それぞれの選び方を掛け合わせる。ただし、箱A,B,Cの順序は区別しないため、箱A,B,Cの並び順の数である 3!=63! = 6 で割る必要がある。
8C2×6C2×4C2=8!2!6!×6!2!4!×4!2!2!=8×72×6×52×4×32=28×15×6=25208C2 \times 6C2 \times 4C2 = \frac{8!}{2!6!} \times \frac{6!}{2!4!} \times \frac{4!}{2!2!} = \frac{8 \times 7}{2} \times \frac{6 \times 5}{2} \times \frac{4 \times 3}{2} = 28 \times 15 \times 6 = 2520
箱A,B,Cの区別をしない場合を考慮すると、最初に 3!=63! = 6 で割らなければならない。ただし、問題文に「3つの箱への入れ方」とあるので、箱は区別するものとする。
したがって、2520通りとなる。
次に、箱Aと箱Bには5以下の数が書かれた玉だけを、箱Cには6以上の数が書かれた玉だけを入れる場合を考える。5以下の玉は1,2,3,4,5の5個、6以上の玉は6,7,8の3個である。
箱Cに入れる玉は6,7,8の3個から2個を選ぶ必要があるので、3C2=3!2!1!=33C2 = \frac{3!}{2!1!} = 3通り。
箱Aと箱Bには1,2,3,4,5の5個の玉から2個ずつ選んで入れる。まず、箱Aに5個から2個を選ぶ方法は 5C2=5!2!3!=5×42=105C2 = \frac{5!}{2!3!} = \frac{5 \times 4}{2} = 10通り。次に、残りの3個から箱Bに2個を選ぶ方法は 3C2=3!2!1!=33C2 = \frac{3!}{2!1!} = 3通り。
したがって、箱A,B,Cへの入れ方は、3×10×3=903 \times 10 \times 3 = 90通り。
(3) 箱A, B, Cに入れる2個の玉に書かれた数の和を順にa, b, cとする。a, b, cがすべて偶数となるような入れ方を考える。
2つの数の和が偶数になるのは、(偶数,偶数)または(奇数,奇数)の組み合わせの場合である。
1から8の数字のうち、偶数は2,4,6,8の4個、奇数は1,3,5,7の4個である。
箱A, B, Cすべてに(偶数,偶数)を入れる場合、4個の偶数から2個ずつ3つの箱に入れる。
4C2×2C2×0C2=6×1×0=04C2 \times 2C2 \times 0C2 = 6 \times 1 \times 0 = 0
これは不可能である。
箱A, B, Cすべてに(奇数,奇数)を入れる場合も同様に、4個の奇数から2個ずつ3つの箱に入れる。
4C2×2C2×0C2=6×1×0=04C2 \times 2C2 \times 0C2 = 6 \times 1 \times 0 = 0
これも不可能である。
a, b, cがすべて偶数となるのは、例えばA:(偶,偶), B:(奇,奇), C:(偶,偶)といったように、偶奇のペアが箱A,B,Cに割り振られる必要がある。これは 3!=63!=6 通り。
箱Aが偶数ペアの時、4C2=64C2 = 6通り。箱Bが奇数ペアの時、4C2=64C2 = 6通り。箱Cは残った玉で決まるので1通り。合計 6×6×1=366 \times 6 \times 1 = 36通り。
偶奇のペアの割り振りが6通りあるので、36×6=21636 \times 6 = 216通り。ただしこれは箱に区別がある場合である。箱の区別をしない場合は、4C2×4C2×1/3!=36/6=64C2 \times 4C2 \times 1 / 3! = 36/6 = 6 はあり得ない。
いずれかの箱に(偶,偶)を入れ、別の箱に(奇,奇)を入れる。さらに、別の箱にも(偶,偶)や(奇,奇)を入れるパターンしかない。しかし偶奇の数は4つずつなので、すべて(偶,偶)または(奇,奇)を入れることはできない。箱A:(偶,偶)のとき、4C2=64C2 = 6。箱B:(奇,奇)のとき、4C2=64C2 = 6。残りは偶奇が混ざることはありえない。よって、少なくとも1つの和が偶数となるような場合は216通りである。
次に、a, b, cのうち、少なくとも一つが偶数となるような入れ方を考える。
これは、すべての入れ方から、a, b, cがすべて奇数となる入れ方を引けばよい。2つの数の和が奇数になるのは、(偶数,奇数)の組み合わせの場合である。
箱Aに(偶数、奇数)を入れる場合、箱Bと箱Cも(偶数、奇数)となる必要がある。
箱Aに(偶数、奇数)を入れる方法は、4×4=164 \times 4 = 16通り。箱Bに入れる場合、残り3つの偶数と3つの奇数から選ぶので、3×3=93 \times 3 = 9通り。最後に、箱Cに入れる方法は、2×2=42 \times 2 = 4通り。
したがって、a,b,c全て奇数になる入れ方は16×9×4=57616 \times 9 \times 4 = 576通り。
組み合わせの順番を考慮すると、576/6 = 96通り。
3つの箱への入れ方は2520通りなので、少なくとも一つが偶数となる入れ方は、25200=25202520-0=2520通り。

3. 最終的な答え

(1) 28通り
(2) 2520通り、90通り
(3) 216通り、2520通り

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