生徒60人が数学と英語のテストを受けた。数学に合格した生徒は50人、英語に合格した生徒は55人であった。 (1) 少なくとも一方に合格した生徒の人数が最も多い場合と最も少ない場合を求めよ。 (2) 両方とも合格した生徒の人数が最も多い場合と最も少ない場合を求めよ。

確率論・統計学集合包含と排除の原理場合の数
2025/7/21

1. 問題の内容

生徒60人が数学と英語のテストを受けた。数学に合格した生徒は50人、英語に合格した生徒は55人であった。
(1) 少なくとも一方に合格した生徒の人数が最も多い場合と最も少ない場合を求めよ。
(2) 両方とも合格した生徒の人数が最も多い場合と最も少ない場合を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) 少なくとも一方に合格した生徒
少なくとも一方に合格した生徒の人数をn(AB)n(A\cup B)とする。生徒全体の人数をNNとする。数学に合格した生徒の集合をAA、英語に合格した生徒の集合をBBとする。
n(A)=50n(A) = 50, n(B)=55n(B) = 55, N=60N=60である。
n(AB)=n(A)+n(B)n(AB)n(A\cup B) = n(A) + n(B) - n(A\cap B)
n(AB)n(A\cup B)が最大になるのは、n(AB)n(A\cap B)が最小のときである。n(AB)0n(A\cap B) \ge 0なので、n(AB)n(A\cup B)の最大値は、50+550=10550+55-0=105となるはずだが、生徒全体の人数が60人なので、n(AB)n(A\cup B)の最大値は60人となる。
n(AB)n(A\cup B)が最小になるのは、n(AB)n(A\cap B)が最大のときである。n(AB)60n(A\cup B) \le 60である。
n(AB)=n(A)+n(B)n(AB)n(A\cup B) = n(A)+n(B)-n(A\cap B)より、n(AB)=n(A)+n(B)n(AB)=50+55n(AB)n(A\cap B) = n(A)+n(B)-n(A\cup B)= 50+55-n(A\cup B)
n(AB)=105n(AB)n(A\cap B) = 105 - n(A\cup B)
n(AB)n(A\cap B)を最大にするには、n(AB)n(A\cup B)を最小にすれば良い。
n(AB)n(A\cup B)の最小値は、n(A)=50n(A) = 50 または n(B)=55n(B) = 55の大きい方である。
n(AB)55n(A\cup B) \ge 55
n(AB)=50+55n(AB)n(A\cap B) = 50 + 55 - n(A\cup B)より
n(AB)=n(A)+n(B)n(AB)n(A\cup B)=n(A)+n(B)-n(A\cap B)
n(AB)n(A \cup B)が最大となるのは、n(AB)n(A \cap B)が最小となるとき。n(AB)n(A \cap B)は0以上なので、n(AB)=50+550=105n(A \cup B) = 50+55-0 = 105。しかし、生徒は60人しかいないので、n(AB)n(A \cup B)の最大値は60人。
n(AB)n(A \cup B)が最小となるのは、n(AB)n(A \cap B)が最大となるとき。n(AB)n(A \cap B)の最大値は、n(A)n(A)n(B)n(B)のうち小さい方、つまり50。よって、n(AB)=50+5550=55n(A \cup B) = 50+55-50 = 55
(2) 両方とも合格した生徒
n(AB)=n(A)+n(B)n(AB)n(A \cap B) = n(A) + n(B) - n(A \cup B)
n(AB)n(A\cap B)が最大になるのは、n(AB)n(A \cup B)が最小の時なので、n(AB)=55n(A \cup B) = 55の時
n(AB)n(A\cap B)の最大値は、50+5555=5050+55-55=50
n(AB)n(A\cap B)が最小になるのは、n(AB)n(A \cup B)が最大の時なので、n(AB)=60n(A \cup B) = 60の時
n(AB)n(A\cap B)の最小値は、50+5560=4550+55-60=45

3. 最終的な答え

(1) 少なくとも一方に合格した生徒: 最大60人、最小55人
(2) 両方とも合格した生徒: 最大50人、最小45人

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