連立不等式 $x+y \ge 2$ および $x^2+y^2 \le 4$ で表される領域 $D$ を点 $(x, y)$ が動くとき、以下の式の最大値と最小値をそれぞれ求めます。 (1) $-2x+y$ (2) $2x+y$ (3) $x^2+y^2-2x$

代数学不等式最大値最小値領域直線
2025/7/21

1. 問題の内容

連立不等式 x+y2x+y \ge 2 および x2+y24x^2+y^2 \le 4 で表される領域 DD を点 (x,y)(x, y) が動くとき、以下の式の最大値と最小値をそれぞれ求めます。
(1) 2x+y-2x+y
(2) 2x+y2x+y
(3) x2+y22xx^2+y^2-2x

2. 解き方の手順

まず、領域 DD を図示します。x+y2x+y \ge 2 は直線 x+y=2x+y=2 の上側(または直線上)の領域、x2+y24x^2+y^2 \le 4 は原点を中心とする半径 22 の円の内部(または円周上)の領域を表します。
領域 DD は、これらの領域の共通部分です。
(1) k=2x+yk = -2x+y とおきます。これは直線 y=2x+ky = 2x + k を表します。この直線が領域 DD と共有点を持つように、kk の最大値と最小値を求めます。
領域 DD の境界は直線 x+y=2x+y=2 と円 x2+y2=4x^2+y^2=4 です。
直線 y=2x+ky=2x+k と直線 x+y=2x+y=2 の交点は、x+2x+k=2x+2x+k=2 より x=(2k)/3x = (2-k)/3。この時 y=2(2k)/3=(4+k)/3y=2-(2-k)/3 = (4+k)/3
この交点は領域D上に存在するので、x2+y24x^2+y^2 \le 4
((2k)/3)2+((4+k)/3)24((2-k)/3)^2+((4+k)/3)^2 \le 4を解く。
(44k+k2)+(16+8k+k2)36(4-4k+k^2)+(16+8k+k^2) \le 36
2k2+4k+20362k^2+4k+20 \le 36
2k2+4k1602k^2+4k-16 \le 0
k2+2k80k^2+2k-8 \le 0
(k+4)(k2)0(k+4)(k-2) \le 0
4k2-4 \le k \le 2
よって、最大値は2。
次に円 x2+y2=4x^2+y^2=4 と直線 y=2x+ky=2x+kが接するときのkkを求める。
円の中心(0,0)から直線までの距離が2になれば良いので、200+k22+12=2\frac{|2\cdot0-0+k|}{\sqrt{2^2+1^2}} = 2
k=25|k| = 2\sqrt{5} よって、k=±25k=\pm2\sqrt{5}
このうち、kkが大きくなるのは、領域Dと交点を持つ時よりk=25k=2\sqrt{5}は最大値ではない。
よってk=25k=-2\sqrt{5}が最小値の候補。
直線 y=2x+ky = 2x + kが点(x,y)(x,y)を通るときのkkの最大・最小を考える。
直線と円の交点を考えると、x2+(2x+k)2=4x^2+(2x+k)^2 = 4
5x2+4kx+k24=05x^2+4kx+k^2-4=0
x=4k±16k220(k24)10=4k±4k2+8010=2k±k2+205x = \frac{-4k\pm\sqrt{16k^2-20(k^2-4)}}{10}=\frac{-4k\pm\sqrt{-4k^2+80}}{10}=\frac{-2k\pm\sqrt{-k^2+20}}{5}
x+y=2x+y=2x2+y2=4x^2+y^2=4の交点は(2,0)(2,0)(0,2)(0,2)なので、2x+y-2x+y(0,2)(0,2)で最大値2をとり、(2,0)(2,0)で最小値-4をとる。
(2) k=2x+yk = 2x+y とおきます。これは直線 y=2x+ky = -2x + k を表します。同様に、kk の最大値と最小値を求めます。
直線 y=2x+ky=-2x+kと直線 x+y=2x+y=2の交点は、x+(2x+k)=2x+(-2x+k)=2よりx=k2x=k-2。この時y=2x=4ky=2-x=4-k
この交点は領域D上に存在するので、x2+y24x^2+y^2 \le 4
(k2)2+(4k)24(k-2)^2+(4-k)^2 \le 4
k24k+4+168k+k24k^2-4k+4+16-8k+k^2 \le 4
2k212k+2042k^2-12k+20 \le 4
2k212k+1602k^2-12k+16 \le 0
k26k+80k^2-6k+8 \le 0
(k2)(k4)0(k-2)(k-4) \le 0
2k42 \le k \le 4
よって最大値は4。
次に円 x2+y2=4x^2+y^2=4 と直線 y=2x+ky=-2x+kが接するときのkkを求める。
円の中心(0,0)から直線までの距離が2になれば良いので、20+0k22+12=2\frac{|2\cdot0+0-k|}{\sqrt{2^2+1^2}} = 2
k=25|k| = 2\sqrt{5} よって、k=±25k=\pm2\sqrt{5}
このうち、kkが小さくなるのは、領域Dと交点を持つ時よりk=25k=-2\sqrt{5}は最小値ではない。
よってk=25k=2\sqrt{5}が最大値の候補。
直線 y=2x+ky = -2x + kが点(x,y)(x,y)を通るときのkkの最大・最小を考える。
直線と円の交点を考えると、x2+(2x+k)2=4x^2+(-2x+k)^2 = 4
5x24kx+k24=05x^2-4kx+k^2-4=0
x=4k±16k220(k24)10=4k±4k2+8010=2k±k2+205x = \frac{4k\pm\sqrt{16k^2-20(k^2-4)}}{10}=\frac{4k\pm\sqrt{-4k^2+80}}{10}=\frac{2k\pm\sqrt{-k^2+20}}{5}
x+y=2x+y=2x2+y2=4x^2+y^2=4の交点は(2,0)(2,0)(0,2)(0,2)なので、2x+y2x+y(2,0)(2,0)で最大値4をとり、(0,2)(0,2)で最小値2をとる。
(3) k=x2+y22xk = x^2+y^2-2x とおきます。これは (x1)2+y2=k+1(x-1)^2 + y^2 = k+1 と変形できます。これは、中心が (1,0)(1,0)、半径が k+1\sqrt{k+1} の円を表します。
この円が領域 DD と共有点を持つように、kk の最大値と最小値を求めます。
円の中心(1,0)と円 x2+y2=4x^2+y^2=4の中心(0,0)の距離は1なので、半径の和が最大となる時、円は外接する。
k+1=2+1=3\sqrt{k+1} = 2+1 =3
k+1=9k+1 = 9 よってk=8k=8が最大値の候補。
円の中心(1,0)と直線 x+y=2x+y=2の距離は 1+0212+12=12=22\frac{|1+0-2|}{\sqrt{1^2+1^2}}=\frac{1}{\sqrt{2}}=\frac{\sqrt{2}}{2}
よってk+1=22\sqrt{k+1}=\frac{\sqrt{2}}{2}のとき最小となる。
k+1=12k+1=\frac{1}{2} よってk=12k = -\frac{1}{2}が最小値の候補。
(x1)2+y2=k+1(x-1)^2+y^2=k+1の中心(1,0)は領域Dに含まれるので、k=12+0221=1k=1^2+0^2-2\cdot1=-1は最小値の候補。
k=x2+y22xk = x^2+y^2-2x
x+y=2x+y=2のとき、x2+y22x=x2+(2x)22x=x2+44x+x22x=2x26x+4x^2+y^2-2x=x^2+(2-x)^2-2x=x^2+4-4x+x^2-2x=2x^2-6x+4
2(x23x)+4=2(x32)2+4294=2(x32)2+492=2(x32)2122(x^2-3x)+4=2(x-\frac{3}{2})^2+4-2\cdot\frac{9}{4}=2(x-\frac{3}{2})^2+4-\frac{9}{2}=2(x-\frac{3}{2})^2-\frac{1}{2}
x=0x=0k=4k=4x=2x=2k=0k=0
x2+y24x^2+y^2 \le 4上の点でx2+y22xx^2+y^2-2xを最小とするのはxxが大きければ大きいほど良い。しかし、領域Dにおいては、x=2までしか動けない。
x=2,y=0x=2, y=0k=22+0222=0k=2^2+0^2-2\cdot2=0
最大は(1,3)(1, \sqrt{3})

3. 最終的な答え

(1) 最大値:2, 最小値:-4
(2) 最大値:4, 最小値:2
(3) 最大値:8, 最小値:-1

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