実数 $x, y$ が3つの不等式 $y \geq 2x - 5$, $y \leq x - 1$, $y \geq 0$ を満たすとき、$x^2 + (y - 3)^2$ の最大値と最小値を求めよ。

代数学不等式最大・最小領域
2025/7/21
## 問題194 (1)

1. 問題の内容

実数 x,yx, y が3つの不等式 y2x5y \geq 2x - 5, yx1y \leq x - 1, y0y \geq 0 を満たすとき、x2+(y3)2x^2 + (y - 3)^2 の最大値と最小値を求めよ。

2. 解き方の手順

まず、与えられた不等式が表す領域を図示します。
* y2x5y \geq 2x - 5 は、直線 y=2x5y = 2x - 5 の上側の領域を表します。
* yx1y \leq x - 1 は、直線 y=x1y = x - 1 の下側の領域を表します。
* y0y \geq 0 は、xx軸より上の領域を表します。
これらの領域の共通部分が、条件を満たす x,yx, y の存在する領域です。この領域をDとします。Dは三角形の領域になります。頂点の座標を求めます。
(1) 直線 y=2x5y = 2x - 5y=x1y = x - 1 の交点
2x5=x12x - 5 = x - 1 より x=4x = 4, y=3y = 3。交点の座標は (4,3)(4, 3)
(2) 直線 y=2x5y = 2x - 5y=0y = 0 の交点
2x5=02x - 5 = 0 より x=52x = \frac{5}{2}, y=0y = 0。交点の座標は (52,0)(\frac{5}{2}, 0)
(3) 直線 y=x1y = x - 1y=0y = 0 の交点
x1=0x - 1 = 0 より x=1x = 1, y=0y = 0。交点の座標は (1,0)(1, 0)
領域Dの頂点は、(4,3)(4, 3), (52,0)(\frac{5}{2}, 0), (1,0)(1, 0) です。
次に、x2+(y3)2x^2 + (y - 3)^2kk とおきます。すると、
x2+(y3)2=kx^2 + (y - 3)^2 = k
これは、中心が (0,3)(0, 3)、半径が k\sqrt{k} の円を表します。この円が領域Dと共有点を持つときの kk の最大値と最小値を求めます。
kkが最小となるのは、円が点 (4,3)(4,3) を通るときではありません。円が (x,y)(x, y)の定義域となる三角形の内部にあるとき、kkの値が小さくなる可能性があります。
kkが最大となるのは、円が点 (1,0)(1, 0) を通るときです。このとき、k=12+(03)2=1+9=10k = 1^2 + (0 - 3)^2 = 1 + 9 = 10
kkが最小となるのは、円が点 (4,3)(4, 3) を通るときではありません。x=0x = 0の時、y=3y = 3となるので、x2+(y3)2=0x^2 + (y-3)^2 = 0となり、k=0k=0が最小値です。しかし、(0,3)(0,3)は領域Dに含まれません。よって、kの最小値は円と領域Dが接するときです。円の中心が (0,3)(0,3)なので、点 (52,0)(\frac{5}{2}, 0)を通る場合が最小値の候補となります。(52)2+(03)2=254+9=614(\frac{5}{2})^2 + (0-3)^2 = \frac{25}{4} + 9 = \frac{61}{4}
よって、領域Dの頂点の値について x2+(y3)2x^2 + (y - 3)^2 を評価します。
* (4,3)(4, 3) のとき: 42+(33)2=164^2 + (3 - 3)^2 = 16
* (52,0)(\frac{5}{2}, 0) のとき: (52)2+(03)2=254+9=614=15.25(\frac{5}{2})^2 + (0 - 3)^2 = \frac{25}{4} + 9 = \frac{61}{4} = 15.25
* (1,0)(1, 0) のとき: 12+(03)2=1+9=101^2 + (0 - 3)^2 = 1 + 9 = 10
領域D内の点 (x,y)(x, y) において、x2+(y3)2x^2 + (y - 3)^2 の値は、頂点における値以上になることはありません。最小値は(52,0)(\frac{5}{2}, 0)(1,0)(1, 0)を結ぶ線分と円の交点となる場合です。
領域D内で、x2+(y3)2x^2 + (y - 3)^2 の最大値は 16、最小値は 0。

3. 最終的な答え

最大値: 16
最小値: 0
## 問題194 (2)

1. 問題の内容

座標平面において、2つの不等式 x2+y24x^2 + y^2 \leq 4, y2x+2y \leq 2x + 2 を同時に満たす領域をAとする。点 (x,y)(x, y) が領域Aを動くとき、yxy - x の最大値と最小値を求めよ。

2. 解き方の手順

与えられた不等式が表す領域を図示します。
* x2+y24x^2 + y^2 \leq 4 は、中心が原点 (0,0)(0, 0)、半径が 2 の円の内部および境界を表します。
* y2x+2y \leq 2x + 2 は、直線 y=2x+2y = 2x + 2 の下側の領域を表します。
これらの領域の共通部分が、領域Aです。
次に、yx=ky - x = k とおきます。すると、y=x+ky = x + k となり、これは傾きが 1、y切片が kk の直線を表します。この直線が領域Aと共有点を持つときの kk の最大値と最小値を求めます。
kk が最大となるのは、直線 y=x+ky = x + k が円 x2+y2=4x^2 + y^2 = 4 と接するときであり、直線が領域Aの上側で接するときです。円の中心 (0,0)(0, 0) から直線 xy+k=0x - y + k = 0 までの距離が半径 2 に等しいことから、
00+k12+(1)2=2\frac{|0 - 0 + k|}{\sqrt{1^2 + (-1)^2}} = 2
k2=2\frac{|k|}{\sqrt{2}} = 2
k=22|k| = 2\sqrt{2}
k=±22k = \pm 2\sqrt{2}
y=x+22y = x + 2\sqrt{2} が領域Aの上側で接する時のyy切片になります。
よって最大値は、222\sqrt{2}
kk が最小となるのは、直線 y=x+ky = x + k が円 x2+y2=4x^2 + y^2 = 4 と直線 y=2x+2y = 2x + 2 の交点を通るときです。
交点を求めます。
x2+(2x+2)2=4x^2 + (2x + 2)^2 = 4
x2+4x2+8x+4=4x^2 + 4x^2 + 8x + 4 = 4
5x2+8x=05x^2 + 8x = 0
x(5x+8)=0x(5x + 8) = 0
x=0,85x = 0, -\frac{8}{5}
x=0x = 0 のとき y=2(0)+2=2y = 2(0) + 2 = 2
x=85x = -\frac{8}{5} のとき y=2(85)+2=165+105=65y = 2(-\frac{8}{5}) + 2 = -\frac{16}{5} + \frac{10}{5} = -\frac{6}{5}
それぞれの点を直線 y=x+ky = x + k に代入します。
(1) (0,2)(0, 2) のとき: 2=0+k2 = 0 + k より k=2k = 2
(2) (85,65)(-\frac{8}{5}, -\frac{6}{5}) のとき: 65=85+k-\frac{6}{5} = -\frac{8}{5} + k より k=25k = \frac{2}{5}
y=x+22y=x+2\sqrt{2} と領域Aの交点におけるyxy-xの値が最大値なので、222\sqrt{2}
y=x+25y=x+\frac{2}{5} と領域Aの交点におけるyxy-xの値が最小値なので、25\frac{2}{5}
よって、最小値は 25\frac{2}{5}

3. 最終的な答え

最大値: 222\sqrt{2}
最小値: 25\frac{2}{5}

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