与えられた行列Aで表される線形写像fについて、その像(Im f)と核(Ker f)の基底をそれぞれ求める問題です。具体的には、以下の3つの行列について、像と核の基底を求めます。 (1) $\begin{pmatrix} 1 & 2 \\ 2 & 3 \end{pmatrix}$ (2) $\begin{pmatrix} 8 & 4 \\ 2 & 1 \end{pmatrix}$ (3) $\begin{pmatrix} 2 & 1 & 0 \\ 4 & 3 & 1 \\ 2 & 3 & 2 \end{pmatrix}$
2025/7/21
1. 問題の内容
与えられた行列Aで表される線形写像fについて、その像(Im f)と核(Ker f)の基底をそれぞれ求める問題です。具体的には、以下の3つの行列について、像と核の基底を求めます。
(1)
(2)
(3)
2. 解き方の手順
(1) 行列 の場合
* 像(Im f):
この行列の列ベクトルは と です。これらのベクトルが線形独立かどうかを調べます。行列式を計算すると、 なので、線形独立です。したがって、像の基底は です。
* 核(Ker f):
を満たす を求めます。この連立方程式は と です。この解は だけなので、核は となり、基底は存在しません。
(2) 行列 の場合
* 像(Im f):
この行列の列ベクトルは と です。 なので、これらのベクトルは線形従属です。したがって、像の基底は です。
* 核(Ker f):
を満たす を求めます。この連立方程式は と です。どちらも を意味するので、 です。したがって、核のベクトルは と書けます。したがって、核の基底は です。
(3) 行列 の場合
* 像(Im f):
この行列の列ベクトルは , , です。これらのベクトルが線形独立かどうかを調べます。行列式を計算してみましょう。
行列に列基本変形を施します。
3行目が全て0になったため、rankは2です。
したがって、像の基底は例えば です。
* 核(Ker f):
を満たす を求めます。この連立方程式は , , です。
より .
より よって .
.
したがって、核のベクトルは と書けます。したがって、核の基底は です。
3. 最終的な答え
(1) 行列 の場合
* 像の基底:
* 核の基底: なし
(2) 行列 の場合
* 像の基底:
* 核の基底:
(3) 行列 の場合
* 像の基底:
* 核の基底: