与えられたマクロ経済モデル(消費関数、投資関数、財市場の均衡条件、貨幣市場の均衡条件)に基づいて、以下の問題を解きます。 * IS曲線とLM曲線を求める。 * 均衡GDPと均衡利子率を求める。 * 政府支出の変化がGDPと利子率に与える影響を分析する。 * クラウディング・アウトについて説明し、その影響を計算する。 * 完全雇用GDPを達成するための財政政策(政府支出の調整)を分析する。 * 完全雇用GDPを達成するための金融政策(貨幣供給量の調整)を分析する。

応用数学マクロ経済学IS曲線LM曲線財政政策金融政策均衡GDP利子率クラウディング・アウト
2025/7/21
はい、承知いたしました。与えられた情報に基づいて、順番に問題を解いていきます。

1. 問題の内容

与えられたマクロ経済モデル(消費関数、投資関数、財市場の均衡条件、貨幣市場の均衡条件)に基づいて、以下の問題を解きます。
* IS曲線とLM曲線を求める。
* 均衡GDPと均衡利子率を求める。
* 政府支出の変化がGDPと利子率に与える影響を分析する。
* クラウディング・アウトについて説明し、その影響を計算する。
* 完全雇用GDPを達成するための財政政策(政府支出の調整)を分析する。
* 完全雇用GDPを達成するための金融政策(貨幣供給量の調整)を分析する。

2. 解き方の手順

2-1: IS曲線の導出
IS曲線は、財市場の均衡条件Y=C+I+GY = C + I + Gから導出します。
C=0.6Y+36C = 0.6Y + 36
I=804iI = 80 - 4i
G=90G = 90
これらの式をY=C+I+GY = C + I + Gに代入すると、
Y=0.6Y+36+804i+90Y = 0.6Y + 36 + 80 - 4i + 90
0.4Y=2064i0.4Y = 206 - 4i
Y=51510iY = 515 - 10i
したがって、IS曲線は、Y=51510iY = 515 - 10i となります。
2-1: LM曲線の導出
LM曲線は、貨幣市場の均衡条件L=ML = Mから導出します。
L=400+0.2Y5iL = 400 + 0.2Y - 5i
M=503M = 503
これらの式をL=ML = Mに代入すると、
400+0.2Y5i=503400 + 0.2Y - 5i = 503
0.2Y=103+5i0.2Y = 103 + 5i
Y=515+25iY = 515 + 25i
したがって、LM曲線は、Y=515+25iY = 515 + 25i となります。
2-2: 均衡GDPと均衡利子率の算出
IS曲線とLM曲線の連立方程式を解いて、均衡GDP(YY^*)と均衡利子率(ii^*)を求めます。
IS曲線: Y=51510iY = 515 - 10i
LM曲線: Y=515+25iY = 515 + 25i
51510i=515+25i515 - 10i = 515 + 25i
35i=035i = 0
i=0i^* = 0
Y=51510(0)=515Y^* = 515 - 10(0) = 515
したがって、均衡GDPは515、均衡利子率は0です。
2-3: 政府支出増加後の均衡GDPと均衡利子率の算出
政府支出がG=104G = 104に増加した場合のIS曲線を求めます。
Y=0.6Y+36+804i+104Y = 0.6Y + 36 + 80 - 4i + 104
0.4Y=2204i0.4Y = 220 - 4i
Y=55010iY = 550 - 10i
新しいIS曲線: Y=55010iY = 550 - 10i
LM曲線: Y=515+25iY = 515 + 25i
55010i=515+25i550 - 10i = 515 + 25i
35i=3535i = 35
i=1i^* = 1
Y=515+25(1)=540Y^* = 515 + 25(1) = 540
したがって、政府支出増加後の均衡GDPは540、均衡利子率は1です。
2-4: クラウディング・アウトの説明と計算
クラウディング・アウトとは、政府支出の増加が金利を上昇させ、民間投資を減少させる現象です。政府支出の増加はGDPを増加させますが、金利上昇による投資の減少がGDPの増加を一部相殺します。
2-3の状況では、政府支出が90から104に増加したことで、GDPは515から540に増加しました。もし金利が変化しなければ、政府支出の増加14に対して、GDPは乗数効果により、14/(10.6)=3514/(1-0.6) = 35増加するはずでした。しかし、金利が上昇したため、GDPの増加は35ではなく、25となっています。
したがって、クラウディング・アウトによるGDPの減少は、3525=1035 - 25 = 10 です。
2-5: 完全雇用GDP達成に必要な政府支出の算出
完全雇用GDPを550とする。LM曲線は変わらず Y=515+25iY = 515 + 25i
IS曲線は、Y=550Y = 550となるiiを見つけるために、まず、i=(Y515)/25=(550515)/25=35/25=1.4i = (Y-515)/25 = (550-515)/25 = 35/25 = 1.4
したがって、完全雇用GDPを達成するためには、Y=C+I+G=0.6Y+36+804i+G=0.6550+36+8041.4+G=330+36+805.6+G=440.4+GY=C+I+G=0.6Y+36+80-4i+G=0.6*550+36+80-4*1.4+G=330+36+80-5.6+G=440.4+G
550=440.4+G550=440.4+G
G=109.6G = 109.6
したがって、完全雇用GDPを達成するために必要な政府支出は109.6です。このときの均衡利子率は1.4です。
2-6: 完全雇用GDP達成に必要な貨幣供給量の算出
完全雇用GDPを475とする。政府支出はG=90G=90のまま。IS曲線はY=51510iY = 515 - 10i
475=51510i475=515-10i
10i=4010i = 40
i=4i = 4
したがって、均衡利子率は4。
L=400+0.2Y5iL = 400 + 0.2Y - 5i
M=L=400+0.2(475)5(4)=400+9520=475M = L = 400 + 0.2(475) - 5(4) = 400 + 95 - 20 = 475
したがって、完全雇用GDPを達成するために必要な実質貨幣量は475です。

3. 最終的な答え

* 2-1: IS曲線: Y=51510iY = 515 - 10i, LM曲線: Y=515+25iY = 515 + 25i
* 2-2: 均衡GDP: 515, 均衡利子率: 0
* 2-3: 政府支出増加後の均衡GDP: 540, 均衡利子率: 1
* 2-4: クラウディング・アウトによるGDPの減少: 10
* 2-5: 完全雇用GDP達成に必要な政府支出: 109.6, このときの均衡利子率: 1.4
* 2-6: 完全雇用GDP達成に必要な実質貨幣量: 475, このときの均衡利子率: 4

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