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1. 問題の内容
(1) 実数 が3つの不等式 , , を満たすとき、 の最大値、最小値を求めよ。
(2) 座標平面において、2つの不等式 , を同時に満たす領域を とする。点 が領域 を動くとき、 の最大値と最小値を求めよ。
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2. 解き方の手順
### (1)
1. **領域の図示:** まず、与えられた3つの不等式を満たす領域を座標平面上に図示する。
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2. **領域の頂点:** 領域の頂点の座標を求める。これは、各直線の交点を計算することで求められる。交点は以下の通り:
* と の交点: より , -> (4,3)
* と の交点: より , -> (5/2,0)
* と の交点: より , -> (1,0)
3. **目的関数の評価:** 目的関数 $k = x^2 + (y - 3)^2$ が、領域内のどの点で最大値・最小値をとるかを考える。$x^2 + (y - 3)^2$ は、点 $(0, 3)$ と点 $(x, y)$ の距離の2乗を表す。領域の頂点と点 $(0, 3)$ との距離の2乗を計算する。
* 点 (4, 3) :
* 点 (5/2, 0) :
* 点 (1, 0) :
4. **最大値・最小値の決定:** 領域内の他の点でも目的関数を評価する必要がある。例えば、$x^2 + (y-3)^2$ が最小となるのは領域内で点$(0,3)$に最も近い点であり、点$(0,3)$が領域に含まれない場合は、頂点のいずれかが最小となる可能性がある。図示すると領域は三角形になり、頂点で最大値・最小値をとることがわかる。
### (2)
1. **領域の図示:** 与えられた2つの不等式を満たす領域を座標平面上に図示する。
* (中心 (0, 0), 半径 2 の円の内部)
* (直線 の下側)
2. **目的関数を直線とみなす:** $k = y - x$ とおく。この式を変形すると $y = x + k$ となり、傾き1、y切片 $k$ の直線を表す。
3. **直線の移動:** 直線 $y = x + k$ を領域 $A$ と交わるように動かし、$k$ (y切片) が最大・最小となる場合を探す。
4. **接点または交点の検討:** 最大値・最小値は、直線が円と接する場合、または直線が円と直線 $y = 2x + 2$ の交点を通る場合に起こる。
* **接する場合:** 直線 と円 が接する条件は、円の中心 (0, 0) と直線 との距離が半径 2 に等しいことである。点と直線の距離の公式より、
が最大となるのは (このとき接点は領域内にある)。最小となるのは (このとき接点は領域外にあるので不適)。
* **交点の場合:** 円 と直線 の交点を求める。
または
のとき . このとき .
のとき . このとき .
5. **最大値・最小値の決定:** 求めた $k$ の値を比較する。
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3. 最終的な答え
### (1)
* 最大値:
* 最小値:
### (2)
* 最大値:
* 最小値: