* $y \geq 2x - 5$ * $y \leq x - 1$ * $y \geq 0$

応用数学不等式最大値最小値領域幾何学
2025/7/21
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1. 問題の内容

(1) 実数 x,yx, y が3つの不等式 y2x5y \geq 2x - 5, yx1y \leq x - 1, y0y \geq 0 を満たすとき、x2+(y3)2x^2 + (y - 3)^2 の最大値、最小値を求めよ。
(2) 座標平面において、2つの不等式 x2+y24x^2 + y^2 \leq 4, y2x+2y \leq 2x + 2 を同時に満たす領域を AA とする。点 (x,y)(x, y) が領域 AA を動くとき、yxy - x の最大値と最小値を求めよ。
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2. 解き方の手順

### (1)

1. **領域の図示:** まず、与えられた3つの不等式を満たす領域を座標平面上に図示する。

* y2x5y \geq 2x - 5
* yx1y \leq x - 1
* y0y \geq 0

2. **領域の頂点:** 領域の頂点の座標を求める。これは、各直線の交点を計算することで求められる。交点は以下の通り:

* y=2x5y = 2x - 5y=x1y = x - 1 の交点:2x5=x12x - 5 = x - 1 より x=4x = 4, y=3y = 3 -> (4,3)
* y=2x5y = 2x - 5y=0y = 0 の交点:2x5=02x - 5 = 0 より x=5/2x = 5/2, y=0y = 0 -> (5/2,0)
* y=x1y = x - 1y=0y = 0 の交点:x1=0x - 1 = 0 より x=1x = 1, y=0y = 0 -> (1,0)

3. **目的関数の評価:** 目的関数 $k = x^2 + (y - 3)^2$ が、領域内のどの点で最大値・最小値をとるかを考える。$x^2 + (y - 3)^2$ は、点 $(0, 3)$ と点 $(x, y)$ の距離の2乗を表す。領域の頂点と点 $(0, 3)$ との距離の2乗を計算する。

* 点 (4, 3) : (40)2+(33)2=16(4 - 0)^2 + (3 - 3)^2 = 16
* 点 (5/2, 0) : (5/20)2+(03)2=25/4+9=61/4=15.25(5/2 - 0)^2 + (0 - 3)^2 = 25/4 + 9 = 61/4 = 15.25
* 点 (1, 0) : (10)2+(03)2=1+9=10(1 - 0)^2 + (0 - 3)^2 = 1 + 9 = 10

4. **最大値・最小値の決定:** 領域内の他の点でも目的関数を評価する必要がある。例えば、$x^2 + (y-3)^2$ が最小となるのは領域内で点$(0,3)$に最も近い点であり、点$(0,3)$が領域に含まれない場合は、頂点のいずれかが最小となる可能性がある。図示すると領域は三角形になり、頂点で最大値・最小値をとることがわかる。

### (2)

1. **領域の図示:** 与えられた2つの不等式を満たす領域を座標平面上に図示する。

* x2+y24x^2 + y^2 \leq 4 (中心 (0, 0), 半径 2 の円の内部)
* y2x+2y \leq 2x + 2 (直線 y=2x+2y = 2x + 2 の下側)

2. **目的関数を直線とみなす:** $k = y - x$ とおく。この式を変形すると $y = x + k$ となり、傾き1、y切片 $k$ の直線を表す。

3. **直線の移動:** 直線 $y = x + k$ を領域 $A$ と交わるように動かし、$k$ (y切片) が最大・最小となる場合を探す。

4. **接点または交点の検討:** 最大値・最小値は、直線が円と接する場合、または直線が円と直線 $y = 2x + 2$ の交点を通る場合に起こる。

* **接する場合:** 直線 y=x+ky = x + k と円 x2+y2=4x^2 + y^2 = 4 が接する条件は、円の中心 (0, 0) と直線 xy+k=0x - y + k = 0 との距離が半径 2 に等しいことである。点と直線の距離の公式より、
00+k12+(1)2=2\frac{|0 - 0 + k|}{\sqrt{1^2 + (-1)^2}} = 2
k=22|k| = 2\sqrt{2}
k=±22k = \pm 2\sqrt{2}
kk が最大となるのは k=22k = 2\sqrt{2} (このとき接点は領域内にある)。最小となるのは k=22k = -2\sqrt{2}(このとき接点は領域外にあるので不適)。
* **交点の場合:** 円 x2+y2=4x^2 + y^2 = 4 と直線 y=2x+2y = 2x + 2 の交点を求める。
x2+(2x+2)2=4x^2 + (2x + 2)^2 = 4
x2+4x2+8x+4=4x^2 + 4x^2 + 8x + 4 = 4
5x2+8x=05x^2 + 8x = 0
x(5x+8)=0x(5x + 8) = 0
x=0x = 0 または x=8/5x = -8/5
x=0x = 0 のとき y=2y = 2. このとき k=yx=20=2k = y - x = 2 - 0 = 2.
x=8/5x = -8/5 のとき y=2(8/5)+2=16/5+10/5=6/5y = 2(-8/5) + 2 = -16/5 + 10/5 = -6/5. このとき k=yx=6/5(8/5)=2/5k = y - x = -6/5 - (-8/5) = 2/5.

5. **最大値・最小値の決定:** 求めた $k$ の値を比較する。

* 222.832\sqrt{2} \approx 2.83
* 22
* 2/5=0.42/5 = 0.4
##

3. 最終的な答え

### (1)
* 最大値: 1616
* 最小値: 1010
### (2)
* 最大値: 222\sqrt{2}
* 最小値: 2/52/5

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