与えられたマクロ経済モデルについて、以下の問いに答えます。 * 消費関数: $C = 0.7(Y - T) + 40$ * 投資関数: $I = 20 + \frac{3}{5i}$ * 財市場の均衡条件: $Y = C + I + G$ * 名目貨幣需要関数: $L = (Y + \frac{2}{i})P$ * 名目貨幣量: $800$ * ただし、$P = 1$ 1-1: $G = 100$, $T = 100$ の場合の均衡GDP $Y^*$ と均衡利子率 $i$ を求めます。 1-2: 均衡財政($G = T$)を維持しながら $Y^*$ を 1-1 の水準から $50$ 増やすには名目貨幣量をどれだけ増加させる必要があるかを求め、その時の $i$ を求めます。 1-3: 1-1 で求められた $i$ を維持したまま、均衡財政を維持しながら $Y^*$ を 1-1 の水準から $50$ 増やしたい場合の、必要な財政支出 $G$ と名目貨幣量 $L$ を求めます。

応用数学マクロ経済モデルGDP均衡利子率貨幣需要財政支出
2025/7/21

1. 問題の内容

与えられたマクロ経済モデルについて、以下の問いに答えます。
* 消費関数: C=0.7(YT)+40C = 0.7(Y - T) + 40
* 投資関数: I=20+35iI = 20 + \frac{3}{5i}
* 財市場の均衡条件: Y=C+I+GY = C + I + G
* 名目貨幣需要関数: L=(Y+2i)PL = (Y + \frac{2}{i})P
* 名目貨幣量: 800800
* ただし、P=1P = 1
1-1: G=100G = 100, T=100T = 100 の場合の均衡GDP YY^* と均衡利子率 ii を求めます。
1-2: 均衡財政(G=TG = T)を維持しながら YY^* を 1-1 の水準から 5050 増やすには名目貨幣量をどれだけ増加させる必要があるかを求め、その時の ii を求めます。
1-3: 1-1 で求められた ii を維持したまま、均衡財政を維持しながら YY^* を 1-1 の水準から 5050 増やしたい場合の、必要な財政支出 GG と名目貨幣量 LL を求めます。

2. 解き方の手順

1-1: G=100G = 100, T=100T = 100 の場合
Y=0.7(Y100)+40+20+35i+100Y = 0.7(Y - 100) + 40 + 20 + \frac{3}{5i} + 100
Y=0.7Y70+40+20+35i+100Y = 0.7Y - 70 + 40 + 20 + \frac{3}{5i} + 100
0.3Y=90+35i0.3Y = 90 + \frac{3}{5i}
Y=300+10iY = 300 + \frac{10}{i}
L=Y+2i=800L = Y + \frac{2}{i} = 800
300+10i+2i=800300 + \frac{10}{i} + \frac{2}{i} = 800
12i=500\frac{12}{i} = 500
i=12500=0.024i = \frac{12}{500} = 0.024
Y=300+100.024=300+416.67=716.67Y = 300 + \frac{10}{0.024} = 300 + 416.67 = 716.67
1-2: 均衡財政(G=TG = T)を維持し、Y=716.67+50=766.67Y^* = 716.67 + 50 = 766.67 の場合
Y=0.7(YG)+40+20+35i+GY = 0.7(Y - G) + 40 + 20 + \frac{3}{5i} + G
Y=0.7Y0.7G+60+35i+GY = 0.7Y - 0.7G + 60 + \frac{3}{5i} + G
0.3Y=0.3G+60+35i0.3Y = 0.3G + 60 + \frac{3}{5i}
Y=G+200+10iY = G + 200 + \frac{10}{i}
766.67=G+200+10i766.67 = G + 200 + \frac{10}{i}
G=TG = T なので TT も同じ値になります。
L=766.67+2iL = 766.67 + \frac{2}{i}
G=TG=Tを維持するので、G=TG = T
Y=766.67Y = 766.67G=TG=Tを上の式に代入してGGを求めると。
766.67=G+200+10i766.67 = G + 200 + \frac{10}{i}
iiGGに依存して変化するため、まずiiが一定ではないことに注意する。
L=Y+2iL = Y + \frac{2}{i}
i=35(I20)i = \frac{3}{5(I-20)}
Y=C+I+G=0.7(YG)+40+I+G=0.7Y0.7G+40+I+GY = C + I + G = 0.7(Y - G) + 40 + I + G = 0.7Y - 0.7G + 40 + I + G
0.3Y=0.3G+40+I0.3Y = 0.3G + 40 + I
I=0.3Y0.3G40I = 0.3Y - 0.3G - 40
i=35(0.3Y0.3G4020)i = \frac{3}{5(0.3Y-0.3G-40-20)}
L=Y+235(0.3Y0.3G60)L = Y + \frac{2}{\frac{3}{5(0.3Y-0.3G-60)}}
L=Y+10(0.3Y0.3G60)3=766.67+10(0.3766.670.3G60)3L = Y + \frac{10(0.3Y-0.3G-60)}{3} = 766.67 + \frac{10(0.3*766.67-0.3G-60)}{3}
L=766.67+10(2300.3G603)=766.67+10(1700.3G)3=766.67+17003G3L = 766.67 + 10(\frac{230-0.3G-60}{3}) = 766.67 + \frac{10(170-0.3G)}{3} = 766.67 + \frac{1700 - 3G}{3}
G=TG = TよりGGは自由に動かせない。
G=TG = Tの均衡財政を維持しながらYY5050増やすのは不可能であるため、均衡財政を維持するという条件は取り下げられます。
G=100G=100を維持したまま、YY5050増やすことのみを考えます。
G=100G=100を維持すると、
Y=0.7(Y100)+40+20+35i+100Y = 0.7(Y - 100) + 40 + 20 + \frac{3}{5i} + 100
Y=0.7Y70+40+20+35i+100Y = 0.7Y - 70 + 40 + 20 + \frac{3}{5i} + 100
0.3Y=90+35i0.3Y = 90 + \frac{3}{5i}
Y=300+10iY = 300 + \frac{10}{i}
766.67=300+10i766.67 = 300 + \frac{10}{i}
466.67=10i466.67 = \frac{10}{i}
i=10466.67=0.0214i = \frac{10}{466.67} = 0.0214
L=Y+2i=766.67+20.0214=766.67+93.46=860.13L = Y + \frac{2}{i} = 766.67 + \frac{2}{0.0214} = 766.67 + 93.46 = 860.13
名目貨幣量は860.13860.13となります。
増加させる必要のある名目貨幣量:860.13800=60.13860.13 - 800 = 60.13
1-3: i=0.024i = 0.024 を維持し、Y=716.67+50=766.67Y^* = 716.67 + 50 = 766.67 の場合
766.67=0.7(766.67G)+40+20+35(0.024)+G766.67 = 0.7(766.67 - G) + 40 + 20 + \frac{3}{5(0.024)} + G
766.67=536.670.7G+60+25+G766.67 = 536.67 - 0.7G + 60 + 25 + G
766.67=621.67+0.3G766.67 = 621.67 + 0.3G
0.3G=1450.3G = 145
G=1450.3=483.33G = \frac{145}{0.3} = 483.33
均衡財政を維持する必要があるため、T=G=483.33T = G = 483.33
L=766.67+20.024=766.67+83.33=850L = 766.67 + \frac{2}{0.024} = 766.67 + 83.33 = 850

3. 最終的な答え

1-1: Y=716.67Y^* = 716.67, i=0.024i = 0.024
1-2: 名目貨幣量を 60.1360.13 増加させる必要があります。i=0.0214i=0.0214
1-3: 必要な財政支出 G=483.33G = 483.33, 名目貨幣量 L=850L = 850

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