(1) 正四面体OABCの頂点上を点Pが1秒ごとに等確率で移動する。初期位置が頂点Oのとき、$n$秒後に頂点Oにいる確率 $p_n$ を求める。 (2) 袋Aに赤玉1個、白玉3個、袋Bに白玉3個が入っている。1回の試行で袋Aから1個、袋Bから1個を無作為に選び交換する。$n$回試行後、袋Aに赤玉が入っている確率 $p_n$ を求める。

確率論・統計学確率漸化式等比数列確率過程
2025/7/21

1. 問題の内容

(1) 正四面体OABCの頂点上を点Pが1秒ごとに等確率で移動する。初期位置が頂点Oのとき、nn秒後に頂点Oにいる確率 pnp_n を求める。
(2) 袋Aに赤玉1個、白玉3個、袋Bに白玉3個が入っている。1回の試行で袋Aから1個、袋Bから1個を無作為に選び交換する。nn回試行後、袋Aに赤玉が入っている確率 pnp_n を求める。

2. 解き方の手順

(1)
pnp_nnn秒後に点Pが頂点Oにいる確率とする。
1pn1-p_nnn秒後に点Pが頂点A,B,Cのいずれかにいる確率である。
n+1n+1秒後に点Pが頂点Oにいる確率 pn+1p_{n+1} は、以下の2つの場合を考える。
- nn秒後に頂点A, B, Cのいずれかにいて、次の1秒で頂点Oに移動する場合
- nn秒後に頂点Oにいて、次の1秒で頂点Oに移動する場合
1秒後に頂点O以外の点にいる確率は 34\frac{3}{4}。頂点Oにいる確率は pnp_n なので、
pn+1=(1pn)×13+pn×0=1pn3p_{n+1} = (1-p_n) \times \frac{1}{3} + p_n \times 0 = \frac{1-p_n}{3}
pn+1=1313pnp_{n+1} = \frac{1}{3} - \frac{1}{3} p_n
pn+114=13(pn14)p_{n+1} - \frac{1}{4} = -\frac{1}{3} (p_n - \frac{1}{4})
数列 {pn14}\{p_n - \frac{1}{4}\} は初項 p014=114=34p_0 - \frac{1}{4} = 1 - \frac{1}{4} = \frac{3}{4}, 公比 13-\frac{1}{3} の等比数列である。
pn14=34(13)np_n - \frac{1}{4} = \frac{3}{4} (-\frac{1}{3})^n
pn=14+34(13)np_n = \frac{1}{4} + \frac{3}{4} (-\frac{1}{3})^n
(2)
pnp_nnn回試行後、袋Aに赤玉が入っている確率とする。
1pn1-p_nnn回試行後、袋Aに白玉が入っている確率である。
n+1n+1回試行後に袋Aに赤玉が入っている確率 pn+1p_{n+1} は、以下の2つの場合を考える。
- nn回試行後に袋Aに赤玉が入っていて、次の試行で袋Aから白玉、袋Bから赤玉が交換される場合。
- nn回試行後に袋Aに白玉が入っていて、次の試行で袋Aから白玉、袋Bから赤玉が交換される場合。
袋Aから赤玉を選ぶ確率はpnp_n。袋Aから白玉を選ぶ確率は 1pn1-p_n
袋Bから赤玉を選ぶ確率は0。袋Bから白玉を選ぶ確率は1。
pn+1=pn×0+(1pn)×14=1414pnp_{n+1} = p_n \times 0 + (1-p_n) \times \frac{1}{4} = \frac{1}{4} - \frac{1}{4} p_n
pn+1=14pn+14p_{n+1} = -\frac{1}{4} p_n + \frac{1}{4}
pn+115=14(pn15)p_{n+1} - \frac{1}{5} = -\frac{1}{4} (p_n - \frac{1}{5})
数列 {pn15}\{p_n - \frac{1}{5}\} は初項 p015=115=45p_0 - \frac{1}{5} = 1 - \frac{1}{5} = \frac{4}{5}, 公比 14-\frac{1}{4} の等比数列である。
pn15=45(14)np_n - \frac{1}{5} = \frac{4}{5} (-\frac{1}{4})^n
pn=15+45(14)np_n = \frac{1}{5} + \frac{4}{5} (-\frac{1}{4})^n

3. 最終的な答え

(1) pn=14+34(13)np_n = \frac{1}{4} + \frac{3}{4} (-\frac{1}{3})^n
(2) pn=15+45(14)np_n = \frac{1}{5} + \frac{4}{5} (-\frac{1}{4})^n

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