1個のサイコロを3回投げ、出た目を順に $a, b, c$ とする。二次方程式 $ax^2 + bx + c = 0$ について、以下の確率を求める問題です。 (1) 異なる2つの実数解をもつ確率 (2) 重解をもつ確率 (3) 整数の解をもつ確率 (4) 有理数の解をもつ確率

1. 問題の内容

1個のサイコロを3回投げ、出た目を順に $a, b, c$ とする。二次方程式 $ax^2 + bx + c = 0$ について、以下の確率を求める問題です。

(1) 異なる2つの実数解をもつ確率

(2) 重解をもつ確率

(3) 整数の解をもつ確率

(4) 有理数の解をもつ確率

2. 解き方の手順

(1) 異なる2つの実数解をもつ確率

二次方程式 $ax^2 + bx + c = 0$ が異なる2つの実数解を持つための条件は、判別式 $D = b^2 - 4ac > 0$ であることです。

$a, b, c$ はそれぞれ1から6までの整数なので、$b^2 > 4ac$ となる組み合わせを考えます。

全事象は $6 \times 6 \times 6 = 216$ 通りです。

$b^2 > 4ac$ となる組み合わせを数えます。

$b=1$のとき、$4ac<1$を満たす$(a,c)$はない

$b=2$のとき、$4ac<4$を満たす$(a,c)$はない

$b=3$のとき、$4ac<9$を満たす$(a,c)$はない

$b=4$のとき、$4ac<16$を満たす$(a,c)$は$(1,1),(1,2),(1,3)$の3通り

$b=5$のとき、$4ac<25$を満たす$(a,c)$は$(1,1),(1,2),(1,3),(1,4),(1,5),(1,6), (2,1),(2,2),(2,3),(3,1),(3,2),(4,1),(5,1),(6,1)$の14通り。

$b=6$のとき、$4ac<36$を満たす$(a,c)$は$(1,1),(1,2),(1,3),(1,4),(1,5),(1,6),(1,7),(1,8), (2,1),(2,2),(2,3),(2,4),(3,1),(3,2),(3,3),(4,1),(4,2),(5,1),(6,1),(7,1),(8,1)$

$(1,1),(1,2),(1,3),(1,4),(1,5),(1,6), (2,1),(2,2),(2,3),(2,4),(3,1),(3,2),(3,3),(4,1),(4,2),(5,1),(6,1),(7,1),(8,1)$

$(1,1),(1,2),(1,3),(1,4),(1,5),(1,6), (2,1),(2,2),(2,3),(2,4),(3,1),(3,2),(3,3),(4,1),(4,2),(5,1),(6,1),(7,1),(8,1)$。

$4ac < 36 \implies ac < 9$

$(1,1),(1,2),...,(1,6)$

$(2,1),(2,2),(2,3),(2,4)$

$(3,1),(3,2)$

$(4,1),(4,2)$

$(5,1)$

$(6,1)$

合計 6+4+2+2+1+1 = 16

以上より、$3+14+16 = 33$ 通り。

確率は $\frac{33}{216} = \frac{11}{72}$。しかし選択肢にない。

$b^2 > 4ac$のケースを数え上げる。

$b=3$のとき、$9 > 4ac$となるのは、$ac=1, 2$。

$ac=1$なら$(1,1)$の1通り、$ac=2$なら$(1,2), (2,1)$の2通り。合計3通り。

$b=4$のとき、$16>4ac$より、$4>ac$

$ac=1, 2, 3$

$(1,1), (1,2), (2,1), (1,3), (3,1)$の5通り。

$b=5$のとき、$25>4ac$より、$6.25>ac$

$ac=1, 2, 3, 4, 5, 6$

$(1,1), (1,2), (2,1), (1,3), (3,1), (1,4), (4,1), (1,5), (5,1), (1,6), (6,1), (2,2)$の12通り。

$b=6$のとき、$36>4ac$より、$9>ac$

$ac=1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8$

$(1,1), (1,2), (2,1), (1,3), (3,1), (1,4), (4,1), (1,5), (5,1), (1,6), (6,1), (2,2), (2,3), (3,2)$の14通り

よって、3+5+12+14 = 34通り。

$\frac{34}{216}=\frac{17}{108}$

(2) 重解をもつ確率

$b^2 - 4ac = 0$なので、$b^2 = 4ac$

$b$は偶数である必要があるので、$b=2, 4, 6$。

$b=2$のとき、$4=4ac \implies ac=1 \implies (1,1)$

$b=4$のとき、$16=4ac \implies ac=4 \implies (1,4), (4,1), (2,2)$

$b=6$のとき、$36=4ac \implies ac=9 \implies (3,3)$

合計 $1+3+1 = 5$通り。

確率は $\frac{5}{216}$

(3) 整数の解をもつ確率

$x = \frac{-b \pm \sqrt{b^2 - 4ac}}{2a}$

$b^2 - 4ac$が平方数である必要があります。

(4) 有理数の解をもつ確率

$b^2 - 4ac$が平方数である必要があります。つまり、$b^2-4ac = n^2$となる整数$n$が存在する必要があります。

(1)

1. 問題の内容

異なる2つの実数解を持つ確率を求める。

2. 解き方の手順

$D=b^2-4ac>0$となる確率を求める。全事象は$6^3=216$通り。$b^2 > 4ac$となる$(a,b,c)$の組み合わせを数える。

$b=3$のとき,$ac < 2.25$より$(1,1),(1,2),(2,1)$の3通り。

$b=4$のとき,$ac < 4$より$(1,1),(1,2),(1,3),(2,1),(3,1)$の5通り。

$b=5$のとき,$ac < 6.25$より$(1,1),(1,2),(1,3),(1,4),(1,5),(1,6),(2,1),(2,2),(2,3),(3,1),(3,2),(4,1),(5,1),(6,1)$の14通りではなく$(1,1),(1,2),(1,3),(1,4),(1,5),(1,6),(2,1),(2,2),(2,3),(3,1),(3,2),(4,1),(5,1),(6,1), (2,1, 2,2)$の12通り。

$b=6$のとき,$ac < 9$より$(1,1),(1,2),(1,3),(1,4),(1,5),(1,6),(2,1),(2,2),(2,3),(2,4),(3,1),(3,2),(3,3),(4,1),(4,2),(5,1),(6,1)$の17通りではなく、14通り。

$1 \cdot 1, 1 \cdot 2, 1 \cdot 3, 1 \cdot 4, 1 \cdot 5, 1 \cdot 6, 2 \cdot 1, 2 \cdot 2, 2 \cdot 3, 2 \cdot 4, 3 \cdot 1, 3 \cdot 2, 3 \cdot 3, 4 \cdot 1, 4 \cdot 2, 5 \cdot 1, 6 \cdot 1 \rightarrow 17$

$3+5+12+14=34$。 よって確率は$34/216 = 17/108$

3. 最終的な答え

(1) 17/108

(2) 5/216

(3)

(4)