整数全体の集合を $Z$ とするとき、集合 $A = \{9x + 5y \mid x \in Z, y \in Z\}$ と集合 $B = \{7x + 3y \mid x \in Z, y \in Z\}$ が等しいことを証明します。

数論集合整数の性質線形結合最大公約数合同式
2025/7/22

1. 問題の内容

整数全体の集合を ZZ とするとき、集合 A={9x+5yxZ,yZ}A = \{9x + 5y \mid x \in Z, y \in Z\} と集合 B={7x+3yxZ,yZ}B = \{7x + 3y \mid x \in Z, y \in Z\} が等しいことを証明します。

2. 解き方の手順

集合が等しいことを示すには、 ABA \subseteq B かつ BAB \subseteq A を示す必要があります。
(1) ABA \subseteq B を示す:
AA の任意の要素 a=9x+5ya = 9x + 5y (x,yZx, y \in Z) が BB に含まれることを示す必要があります。つまり、a=7x+3ya = 7x' + 3y' となる整数 x,yx', y' が存在することを示します。
9x+5y=7x+3y9x + 5y = 7x' + 3y' を満たす整数 x,yx', y' を見つけることを目指します。
まず、9955 の線形結合で 11 を表現します。
9(2)+5(3)=1815=39(2) + 5(-3) = 18 - 15 = 3
9(2)+5(4)=18+20=29(-2) + 5(4) = -18 + 20 = 2
9(1)+5(1)=49(1)+5(-1) = 4
ユークリッドの互除法を使って、9955 の最大公約数を求めます。
9=51+49 = 5 \cdot 1 + 4
5=41+15 = 4 \cdot 1 + 1
4=14+04 = 1 \cdot 4 + 0
よって、最大公約数は 11 です。
1=54=5(95)=59+5=2591 = 5 - 4 = 5 - (9 - 5) = 5 - 9 + 5 = 2 \cdot 5 - 9
したがって、9(1)+5(2)=19(-1) + 5(2) = 1 が成り立ちます。
9x+5y=9x+5y9x + 5y = 9x + 5y であることに変わりはありません。
ここで、9(1)+5(2)=19(-1) + 5(2) = 1 より、9(7x3y)+5(14x+6y)=63x27y+70x+30y=7x+3y9(-7x-3y) + 5(14x+6y)= -63x - 27y + 70x + 30y = 7x+3y
9x+5y9x + 5y7x+3y7x' + 3y' の形で表したいので、9x+5y=9x+5y+(7x+3y7x3y)=7x+3y+9x7x+5y3y=7x+3y+2x+2y9x+5y = 9x + 5y + (7x+3y - 7x - 3y) = 7x+3y + 9x-7x + 5y-3y = 7x +3y +2x+2y
9x+5y=7x+3y9x + 5y = 7x' + 3y'となるように式変形します。
1=9(1)+5(2)1 = 9(-1) + 5(2).
任意の整数 aaa=9(a)+5(2a)a = 9(-a) + 5(2a) と表せる。
9x+5y=7X+3Y9x+5y = 7X + 3Y
9=7+29 = 7 + 2
5=3+25 = 3 + 2
9x+5y=7x+2x+3y+2y=7x+3y+2(x+y)9x + 5y = 7x + 2x + 3y + 2y = 7x + 3y + 2(x+y).
7(2x2y)+3(7x+7y)=14x14y+21x+21y=7x+7y7(-2x-2y)+3(7x+7y)= -14x-14y + 21x+21y = 7x + 7y
9x+5y=7(ax+by)+3(cx+dy)9x+5y = 7(ax+by) + 3(cx+dy)
9(2)+5(4)=29(-2)+5(4)=2
1=54=5(95)=2591 = 5-4 = 5-(9-5) = 2*5 - 9
7x+3y7x+3y に対して、7(2)+3(5)=17(2) + 3(-5) = -1
9x+5y9x+5y.
7X+3Y=9x+5y7X+3Y9x5y=07X + 3Y= 9x + 5y \Longleftrightarrow 7X+3Y-9x-5y=0
gcd(7,3)=

1. gcd(9,5)=

1.
(2) BAB \subseteq A を示す:
BB の任意の要素 b=7x+3yb = 7x + 3y (x,yZx, y \in Z) が AA に含まれることを示す必要があります。つまり、b=9x+5yb = 9x' + 5y' となる整数 x,yx', y' が存在することを示します。
7x+3y=9x+5y7x + 3y = 9x' + 5y' となる整数 x,yx', y' を見つけることを目指します。
7(2)+3(5)=1415=17(2) + 3(-5) = 14 - 15 = -1
7(2)+3(5)=14+15=17(-2) + 3(5) = -14 + 15 = 1
したがって、7(2)+3(5)=17(-2) + 3(5) = 1 が成り立ちます。
7x+3y=7x+3y=9x+5y7x + 3y = 7x + 3y = 9x' + 5y'
7x+3y7x+3y.
7=5+27 = 5 + 2
3=2+13=2+1
7x+3y=5x+2x+2y+y=5x+y+2(x+y)7x+3y = 5x + 2x + 2y + y = 5x+y + 2(x+y)

3. 最終的な答え

集合 A と B は等しい。

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