$m$ と $n$ は正の整数で $m < n$ であるとき、$m$ 以上 $n$ 以下の分数で、分母が5で分子が5の倍数でない整数の和を求めよ。

数論整数の性質分数不等式
2025/7/22

1. 問題の内容

mmnn は正の整数で m<nm < n であるとき、mm 以上 nn 以下の分数で、分母が5で分子が5の倍数でない整数の和を求めよ。

2. 解き方の手順

まず、mm 以上 nn 以下のすべての整数のうち、5の倍数でないものを考えます。
mm 以上 nn 以下の整数全体の集合を S={m,m+1,m+2,,n}S = \{m, m+1, m+2, \dots, n\} とします。SS の要素の個数は nm+1n - m + 1 個です。
SS の中で5の倍数であるものを除いた集合を SS' とします。SS' の各要素を5で割った分数の総和を求めることが目標です。
SS' に含まれる数を小さい順に a1,a2,,aka_1, a_2, \dots, a_k とすると、SS' の要素を分子にもつ分数は a15,a25,,ak5\frac{a_1}{5}, \frac{a_2}{5}, \dots, \frac{a_k}{5} となります。
求めるべき和は i=1kai5=15i=1kai\sum_{i=1}^{k} \frac{a_i}{5} = \frac{1}{5} \sum_{i=1}^{k} a_i です。
すなわち、SS' の要素の総和を求めてそれを5で割ればよいことがわかります。
mm から nn までの整数の総和は (m+n)(nm+1)2\frac{(m+n)(n-m+1)}{2} です。
次に、mm 以上 nn 以下の5の倍数の総和を求めます。mm 以上の最小の5の倍数を 5p5pnn 以下の最大の5の倍数を 5q5q とします。このとき、5p,5(p+1),,5q5p, 5(p+1), \dots, 5qmm 以上 nn 以下の5の倍数です。この数列の要素数は qp+1q - p + 1 個であり、総和は (5p+5q)(qp+1)2=5(p+q)(qp+1)2\frac{(5p + 5q)(q - p + 1)}{2} = \frac{5(p+q)(q-p+1)}{2} です。
SS' の要素の総和は、SS の要素の総和から5の倍数の要素の総和を引いたものです。したがって、
i=1kai=(m+n)(nm+1)25(p+q)(qp+1)2\sum_{i=1}^{k} a_i = \frac{(m+n)(n-m+1)}{2} - \frac{5(p+q)(q-p+1)}{2}
です。
したがって、求めるべき和は
15[(m+n)(nm+1)25(p+q)(qp+1)2]=(m+n)(nm+1)5(p+q)(qp+1)10\frac{1}{5} \left[ \frac{(m+n)(n-m+1)}{2} - \frac{5(p+q)(q-p+1)}{2} \right] = \frac{(m+n)(n-m+1) - 5(p+q)(q-p+1)}{10}
となります。
ここで、p=m5p = \lceil \frac{m}{5} \rceil (m/5m/5 以上の最小の整数)であり、q=n5q = \lfloor \frac{n}{5} \rfloor (n/5n/5 以下の最大の整数) です。

3. 最終的な答え

(m+n)(nm+1)5(m5+n5)(n5m5+1)10\frac{(m+n)(n-m+1) - 5(\lceil \frac{m}{5} \rceil + \lfloor \frac{n}{5} \rfloor)(\lfloor \frac{n}{5} \rfloor - \lceil \frac{m}{5} \rceil + 1)}{10}

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