t分布とF分布の性質に関する4つの問いに答えます。具体的には、t分布の分散の極限、t分布の収束先、t分布とF分布の関係、そしてF分布の極限分布について問われています。

確率論・統計学t分布F分布極限分布カイ二乗分布統計的推測
2025/7/22

1. 問題の内容

t分布とF分布の性質に関する4つの問いに答えます。具体的には、t分布の分散の極限、t分布の収束先、t分布とF分布の関係、そしてF分布の極限分布について問われています。

2. 解き方の手順

1. t分布の分散の極限を求める。t分布の自由度 $n$ のときの分散は $\frac{n}{n-2}$ で与えられます。$n \to \infty$ のとき、この分散がどこに収束するかを計算します。

2. t分布の収束先を答えます。前の問題の結果を考慮すると、t分布がどのような分布に収束するかを推測できます。

3. カイ二乗変数を自由度で割ったものの極限を答えます。大数の法則を用いて、自由度 $n$ のカイ二乗変数 $V$ を $n$ で割った $V/n$ が $n \to \infty$ のときに確率収束する値を求めます。

4. t分布とF分布の関係を説明します。標準正規分布に従う変数 $Z$ と自由度 $n$ のカイ二乗分布に従う変数 $V$ を用いて、$T = \frac{Z}{\sqrt{V/n}}$ と定義すると、$T$ は自由度 $n$ のt分布に従います。また、$T^2 = \frac{Z^2}{V/n}$ となり、$Z^2$ は自由度1のカイ二乗分布に従うため、$T^2$ は自由度 $(1, n)$ のF分布に従います。

5. F分布の極限分布を答えます。自由度 $(m, n)$ のF分布において、$m$ を固定したまま $n \to \infty$ とするとき、$mF$ がどのような分布に収束するかを考えます。F分布の定義から、$F = \frac{X/m}{Y/n}$ (ただし、$X$ と $Y$ はそれぞれ自由度 $m$ と $n$ のカイ二乗変数)です。$n \to \infty$ のとき、$Y/n$ は期待値である1に収束するため、$F \approx \frac{X/m}{1} = X/m$。したがって、$mF \approx X$となり、これは自由度 $m$ のカイ二乗分布に従います。

3. 最終的な答え

ア: 1
イ: 標準正規分布
ウ: 1
エ: T=ZV/nT = \frac{Z}{\sqrt{V/n}} は自由度 nn のt分布に従う。T2=Z2V/nT^2 = \frac{Z^2}{V/n} であり、Z2Z^2は自由度1のカイ二乗分布、VVは自由度 nnのカイ二乗分布に従うので、T2T^2 は自由度 (1, n) のF分布に従う。
オ: 自由度 mm のカイ二乗分布

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