$V = \mathbb{R}^3$ の部分空間 $W_1$, $W_2$ について、$V = W_1 \oplus W_2$ が成り立つことを示す問題です。ここで、$W_1$ と $W_2$ は、以下の3つの場合にそれぞれ定義されています。 (1) $W_1 = \left\{ a \begin{bmatrix} 1 \\ 1 \\ -1 \end{bmatrix} + b \begin{bmatrix} 0 \\ 1 \\ 1 \end{bmatrix} \mid a, b \in \mathbb{R} \right\}$, $W_2 = \left\{ c \begin{bmatrix} 0 \\ 1 \\ 0 \end{bmatrix} \mid c \in \mathbb{R} \right\}$ (2) $W_1 = \left\{ a \begin{bmatrix} 1 \\ 0 \\ -1 \end{bmatrix} + b \begin{bmatrix} 0 \\ 1 \\ -1 \end{bmatrix} \mid a, b \in \mathbb{R} \right\}$, $W_2 = \left\{ c \begin{bmatrix} 1 \\ 2 \\ 0 \end{bmatrix} \mid c \in \mathbb{R} \right\}$ (3) $T(\mathbf{x}) = x_1 - x_2 + 2x_3$ に対して、$W_1 = \text{Ker}(T)$, $W_2 = \left\{ a \begin{bmatrix} 1 \\ 0 \\ 0 \end{bmatrix} \mid a \in \mathbb{R} \right\}$
2025/7/22
1. 問題の内容
の部分空間 , について、 が成り立つことを示す問題です。ここで、 と は、以下の3つの場合にそれぞれ定義されています。
(1) ,
(2) ,
(3) に対して、,
2. 解き方の手順
を示すためには、以下の2つの条件を示す必要があります。
(i)
(ii) (つまり、任意の に対して、 となる と が存在する)
(1)
(i) を示す。
のベクトルとのベクトルが等しいとすると、
これは、
したがって、, , 。これより、, , となり、共通部分はゼロベクトルのみ。
(ii) を示す。
の基底は であり、の基底はである。これら3つのベクトルが線形独立であれば、が成立する。行列式を計算すると
よって、3つのベクトルは線形独立であり、の基底となる。したがって、。
(2)
(i) を示す。
これは、
したがって、, , 。 より、。よって、, 。共通部分はゼロベクトルのみ。
(ii) を示す。
の基底は であり、の基底はである。行列式を計算すると
よって、3つのベクトルは線形独立であり、の基底となる。したがって、。
(3)
(i) を求める。
を満たす が の要素である。
と書けるので、
を示す。
これは、
したがって、, 、よって 。共通部分はゼロベクトルのみ。
(ii) を示す。
の基底は であり、の基底はである。行列式を計算すると
よって、3つのベクトルは線形独立であり、の基底となる。したがって、。
3. 最終的な答え
(1), (2), (3) いずれの場合も、 が成り立つ。