$X \subset \mathbb{R}^N$ を凸集合とし、2つの関数 $f: X \rightarrow \mathbb{R}$, $g: X \rightarrow \mathbb{R}$ と2つの正の実数 $a, b \in \mathbb{R}_{++}$ を考える。$f$ と $g$ がともに凹関数であるならば、$h(x) = af(x) + bg(x)$ で定められる関数 $h: X \rightarrow \mathbb{R}$ も凹関数であることを示せ。

解析学凹関数凸集合不等式
2025/7/23

1. 問題の内容

XRNX \subset \mathbb{R}^N を凸集合とし、2つの関数 f:XRf: X \rightarrow \mathbb{R}, g:XRg: X \rightarrow \mathbb{R} と2つの正の実数 a,bR++a, b \in \mathbb{R}_{++} を考える。ffgg がともに凹関数であるならば、h(x)=af(x)+bg(x)h(x) = af(x) + bg(x) で定められる関数 h:XRh: X \rightarrow \mathbb{R} も凹関数であることを示せ。

2. 解き方の手順

関数 ff が凹関数であるとは、任意の x,yXx, y \in X と任意の t[0,1]t \in [0, 1] に対して、
f(tx+(1t)y)tf(x)+(1t)f(y)f(tx + (1-t)y) \geq tf(x) + (1-t)f(y) が成り立つことである。
ffgg が凹関数であるという仮定から、任意の x,yXx, y \in X と任意の t[0,1]t \in [0, 1] に対して、
f(tx+(1t)y)tf(x)+(1t)f(y)f(tx + (1-t)y) \geq tf(x) + (1-t)f(y)
g(tx+(1t)y)tg(x)+(1t)g(y)g(tx + (1-t)y) \geq tg(x) + (1-t)g(y)
が成り立つ。
h(x)=af(x)+bg(x)h(x) = af(x) + bg(x) と定義されているので、h(tx+(1t)y)h(tx + (1-t)y) を計算する。
h(tx+(1t)y)=af(tx+(1t)y)+bg(tx+(1t)y)h(tx + (1-t)y) = af(tx + (1-t)y) + bg(tx + (1-t)y)
ffgg は凹関数なので、
h(tx+(1t)y)a(tf(x)+(1t)f(y))+b(tg(x)+(1t)g(y))h(tx + (1-t)y) \geq a(tf(x) + (1-t)f(y)) + b(tg(x) + (1-t)g(y))
=atf(x)+a(1t)f(y)+btg(x)+b(1t)g(y)= atf(x) + a(1-t)f(y) + btg(x) + b(1-t)g(y)
=t(af(x)+bg(x))+(1t)(af(y)+bg(y))= t(af(x) + bg(x)) + (1-t)(af(y) + bg(y))
=th(x)+(1t)h(y)= t h(x) + (1-t)h(y)
したがって、h(tx+(1t)y)th(x)+(1t)h(y)h(tx + (1-t)y) \geq th(x) + (1-t)h(y) が成り立つので、hh は凹関数である。

3. 最終的な答え

関数 h(x)=af(x)+bg(x)h(x) = af(x) + bg(x) は凹関数である。

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