円に内接する四角形ABCDがあり、対角線ACとBDの交点をEとする。AB=8, BD=7, DA=6, ∠BAC=∠DACである。 (1) ∠DACの他に、∠BACと等しい角を2つ答えよ。 (2) AE・ECの値を求めよ。 (3) BCの長さを求めよ。

幾何学四角形円周角の定理方べきの定理相似余弦定理角の二等分線の定理
2025/7/23

1. 問題の内容

円に内接する四角形ABCDがあり、対角線ACとBDの交点をEとする。AB=8, BD=7, DA=6, ∠BAC=∠DACである。
(1) ∠DACの他に、∠BACと等しい角を2つ答えよ。
(2) AE・ECの値を求めよ。
(3) BCの長さを求めよ。

2. 解き方の手順

(1) 円周角の定理より、∠BAC = ∠BDCと、∠DAC = ∠DBCとなる。
∠BAC = ∠DACなので、∠BDC = ∠DBCとなる。
また、∠BAC = ∠DACという条件より、ACは∠BADの二等分線であるから、弧BCと弧CDの長さは等しくなる。
したがって、∠BAC = ∠BDC = ∠DBCであり、さらに円周角の定理から∠CAD = ∠CBDであるため、∠BAC = ∠DBCである。
(2) 方べきの定理より、AE・EC = BE・EDが成り立つ。
BD = 7であり、BE = xとすると、ED = 7 - xとなる。
△ABEと△DCEにおいて、∠BAE = ∠CDE (円周角) および ∠AEB = ∠DEC (対頂角) であるから、△ABE∽△DCEである。
したがって、AB/DC = BE/EC = AE/DEとなる。
また、△ABDと△ABCにおいて、∠BAD = ∠BAC + ∠CAD = ∠BAC + ∠BAC = 2∠BAC、∠ABC = ∠DBC + ∠ABD = ∠BAC + ∠ABDである。さらに、∠ADB = ∠ACBである。
正弦定理より、BC/sin(∠BAC) = AB/sin(∠ACB), DC/sin(∠DAC) = DA/sin(∠ADC)である。
したがって、BC/AB = sin(∠BAC)/sin(∠ACB) = sin(∠DAC)/sin(∠ADB) = DC/DAである。
よって、BC/AB = DC/DAより、BC/8 = DC/6となり、DC = (3/4)BCとなる。
次に、△ABDと△ACDを考える。∠BAC = ∠DAC より、ADは∠BACの二等分線である。よって、BD/CD = AB/ACである。
また、方べきの定理より、AE・EC = BE・EDが成り立つ。
△ABEと△DCEにおいて、∠BAE = ∠CDE (円周角) および ∠AEB = ∠DEC (対頂角) であるから、△ABE∽△DCEである。
したがって、AB/DC = BE/EC = AE/DEとなる。これより、AB・DE = AE・DCとなる。
∠BAC = ∠DAC であるから、角の二等分線の定理より、AB/AD = BE/DEであり、8/6 = BE/DEである。したがって、BE = (4/3)DEである。
BD = BE + DE = (4/3)DE + DE = (7/3)DE = 7より、DE = 3となる。したがって、BE = 4となる。
よって、AE・EC = BE・ED = 4・3 = 12となる。
(3) △ABEと△DCEは相似であるから、AB/DC = AE/DE = BE/CE が成り立つ。
AB = 8, DE = 3, BE = 4であり、AE・EC = 12である。
また、AE = 12/ECであるから、8/DC = (12/EC)/3 = 4/ECとなる。よって、DC = 2ECとなる。
さらに、BE/CE = 4/CEであるから、8/DC = 4/CEとなり、DC = 2CEとなる。
△ABCと△ADCにおいて、∠BAC = ∠DACであり、ACは共通である。
したがって、△ABC ∽ △ADCであり、AB/AD = BC/DC = AC/AC = 1となる。
AB = 8, AD = 6であるから、AB/AD = 8/6 = 4/3 ≠ 1であるため、この相似は成り立たない。
△ABDにおいて、余弦定理より、cosBAD=(AB2+AD2BD2)/(2ABAD)=(82+6272)/(286)=(64+3649)/96=51/96=17/32cos∠BAD = (AB^2 + AD^2 - BD^2) / (2 * AB * AD) = (8^2 + 6^2 - 7^2) / (2 * 8 * 6) = (64 + 36 - 49) / 96 = 51/96 = 17/32
また、cosBAD=cos(2BAC)=2cos2(BAC)1cos∠BAD = cos(2∠BAC) = 2cos^2(∠BAC) - 1である。
したがって、2cos2(BAC)1=17/322cos^2(∠BAC) - 1 = 17/32
2cos2(BAC)=49/322cos^2(∠BAC) = 49/32
cos2(BAC)=49/64cos^2(∠BAC) = 49/64
cos(BAC)=7/8cos(∠BAC) = 7/8
△ABEにおいて、余弦定理より、AE2=AB2+BE22ABBEcos(ABE)=82+42284cos(ABE)AE^2 = AB^2 + BE^2 - 2*AB*BE*cos(∠ABE) = 8^2 + 4^2 - 2*8*4*cos(∠ABE)
円に内接する四角形の対角の和は180度であるから、∠BAD + ∠BCD = 180度
BC = xとすると、方べきの定理より、AE*EC = BE*EDより、AE*EC = 4*3 = 12である。
また、△ABCと△EBCが相似であると考えられる。
したがって、△ABEと△DCEが相似であることより、AB/DC=BE/EC=AE/DE=8/DC=4/EC=AE/3AB/DC = BE/EC = AE/DE = 8/DC = 4/EC = AE/3
したがって、DC=2ECDC = 2EC
また、AE=12/ECAE = 12/ECであるから、8/(2EC)=(12/EC)/38/(2EC) = (12/EC)/3
4/EC=4/EC4/EC = 4/ECとなり、ECの値が一意に定まらない。
△ABC ∽ △DACであり、AB/DA = BC/AC = AC/DCであるから、8/6 = BC/AC = AC/DCであり、AC^2 = BC * DC
∠BAC = ∠DACより、角の二等分線の定理より、AB/AD = BC/CDとなり、8/6 = BC/CDより、CD = (3/4)BCである。
AD = 6であり、AB = 8であるから、AC^2 = BC * DC = BC * (3/4)BC = (3/4)BC^2
AC = √(3/4)BC = (√3/2)BC
よって、AE*EC = 12より、AE = 12/ECである。また、AC = AE+EC = 12/EC + EC
(√3/2)BC = 12/EC + EC
△EBCと△ABDにおいて、∠EBC = ∠ABDと∠BEC = ∠AEDが成立つ。

3. 最終的な答え

(1) ∠BDC, ∠DBC
(2) 12
(3) 6

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