A君とB君がそれぞれ5枚のコインを持ってゲームをする。負けた方がコインを1枚箱に入れる。A君が勝つ確率は$2/3$、B君が勝つ確率は$1/3$である。 (1) 箱の中にコインが4枚になったとき、A君とB君の手持ちのコインの枚数が等しい確率を求める。 (2) 箱の中にコインが5枚になったとき、A君の手持ちのコインがB君の手持ちのコインより2枚以上多い確率を求める。 (3) ゲームの結果、A君またはB君のコインが無くなったとき、他方の手持ちのコインが3枚である確率を求める。

確率論・統計学確率二項分布確率計算
2025/4/4

1. 問題の内容

A君とB君がそれぞれ5枚のコインを持ってゲームをする。負けた方がコインを1枚箱に入れる。A君が勝つ確率は2/32/3、B君が勝つ確率は1/31/3である。
(1) 箱の中にコインが4枚になったとき、A君とB君の手持ちのコインの枚数が等しい確率を求める。
(2) 箱の中にコインが5枚になったとき、A君の手持ちのコインがB君の手持ちのコインより2枚以上多い確率を求める。
(3) ゲームの結果、A君またはB君のコインが無くなったとき、他方の手持ちのコインが3枚である確率を求める。

2. 解き方の手順

(1) 箱の中にコインが4枚になったとき、A君とB君の手持ちのコインの枚数が等しいのは、A君とB君がそれぞれ2回勝つ場合である。A君がxx回、B君が4x4-x回勝つとき、A君の手持ちのコインは5(4x)=x+15 - (4-x) = x+1枚、B君の手持ちのコインは5x5 - x枚となる。x+1=5xx+1 = 5-x より、2x=42x = 4x=2x = 2となる。
したがって、A君が2回、B君が2回勝つ確率を求めればよい。
これは二項分布に従うので、確率は
(42)(23)2(13)2=6×49×19=2481=827\binom{4}{2} (\frac{2}{3})^2 (\frac{1}{3})^2 = 6 \times \frac{4}{9} \times \frac{1}{9} = \frac{24}{81} = \frac{8}{27}
(2) 箱の中にコインが5枚になったとき、A君の手持ちのコインがB君の手持ちのコインより2枚以上多いのは、A君がxx回、B君が5x5-x回勝つとき、A君の手持ちのコインは5(5x)=x5 - (5-x) = x枚、B君の手持ちのコインは5x5-x枚となる。x(5x)+2x \geq (5-x) + 2 より、2x72x \geq 7x3.5x \geq 3.5となる。つまり、x=4,5x = 4, 5のとき条件を満たす。
A君が4回、B君が1回勝つ確率は、(54)(23)4(13)1=5×1681×13=80243\binom{5}{4} (\frac{2}{3})^4 (\frac{1}{3})^1 = 5 \times \frac{16}{81} \times \frac{1}{3} = \frac{80}{243}
A君が5回勝つ確率は、(55)(23)5(13)0=1×32243×1=32243\binom{5}{5} (\frac{2}{3})^5 (\frac{1}{3})^0 = 1 \times \frac{32}{243} \times 1 = \frac{32}{243}
したがって、求める確率は 80243+32243=112243\frac{80}{243} + \frac{32}{243} = \frac{112}{243}
(3) A君またはB君のコインが無くなったとき、他方の手持ちのコインが3枚であることはありえない。なぜなら、A君のコインが無くなった時、B君は10枚のコインを持っているが、ありえるのは5枚のコインを所持してゲームを開始し、A君が所持していた5枚のコインを受け取った場合、つまりコインは5枚のみである。同様にB君のコインが無くなった時も、A君は10枚のコインを持っているが、ありえるのは5枚のコインを所持してゲームを開始し、B君が所持していた5枚のコインを受け取った場合、つまりコインは5枚のみである。したがって、この確率は0である。A君のコインがすべて無くなると、A君は5回負けるので、B君は5回勝つ。このとき、B君の手持ちのコインは5+5=105 + 5 = 10枚である。これは問題の設定に矛盾する。A君のコインがすべて無くなったとき、B君の手持ちのコインは5+5=105+5 = 10枚になることはない。B君の手持ちのコインは必ず5枚になる。B君のコインがすべて無くなったときも同様。
A君のコインがすべて無くなるのは、A君が5回負けた場合である。このときB君は5回勝つ。B君が5回勝つ確率は (13)5(\frac{1}{3})^5である。A君のコインがすべて無くなったとき、B君は5枚のコインを持っている。
B君のコインがすべて無くなるのは、B君が5回負けた場合である。このときA君は5回勝つ。A君が5回勝つ確率は (23)5(\frac{2}{3})^5である。B君のコインがすべて無くなったとき、A君は5枚のコインを持っている。
A君のコインがすべて無くなったとき、B君の手持ちのコインが3枚であることはありえない。同様にB君のコインがすべて無くなったとき、A君の手持ちのコインが3枚であることはありえない。したがって、確率は0である。

3. 最終的な答え

(1) 827\frac{8}{27}
(2) 112243\frac{112}{243}
(3) 0

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