与えられた文章は$\sqrt{2}$が無理数であることの背理法による証明である。この証明を参考に以下の3つの問いに答える。 (1) $\sqrt{3}$が無理数であることを証明する。 (2) $\sqrt{4}=2$は無理数ではない。上記の証明の真似がうまくいかない理由を述べる。 (3) 素数が無限個あることを証明する。

数論無理数背理法素数有理数
2025/7/24

1. 問題の内容

与えられた文章は2\sqrt{2}が無理数であることの背理法による証明である。この証明を参考に以下の3つの問いに答える。
(1) 3\sqrt{3}が無理数であることを証明する。
(2) 4=2\sqrt{4}=2は無理数ではない。上記の証明の真似がうまくいかない理由を述べる。
(3) 素数が無限個あることを証明する。

2. 解き方の手順

(1) 3\sqrt{3}が無理数であることの証明
背理法を用いる。まず、3\sqrt{3}が有理数であると仮定する。
すると、3\sqrt{3}は互いに素な整数m,nm, nを用いて 3=mn\sqrt{3} = \frac{m}{n} と表せる。ここで、n>0n > 0とする。
両辺を2乗すると、 3=m2n23 = \frac{m^2}{n^2} となり、3n2=m23n^2 = m^2 が得られる。
左辺は3の倍数であるから、右辺のm2m^2も3の倍数である。したがって、mmも3の倍数となる。
そこで、m=3mm = 3m' (m'は整数) と表すことができる。
これを3n2=m23n^2 = m^2に代入すると、3n2=(3m)2=9(m)23n^2 = (3m')^2 = 9(m')^2 となり、n2=3(m)2n^2 = 3(m')^2 が得られる。
右辺は3の倍数であるから、左辺のn2n^2も3の倍数である。したがって、nnも3の倍数となる。
これは、mmnnが互いに素であるという仮定に矛盾する。
よって、3\sqrt{3}は無理数である。
(2) 4=2\sqrt{4}=2は無理数ではないことの考察
4\sqrt{4}に対して2\sqrt{2}の証明と同様に、4=mn \sqrt{4}=\frac{m}{n}と仮定すると、4n2=m24n^2=m^2が得られる。m=2nm=2nは明らかにこの式を満たすため、矛盾が生じない。つまり、4=2\sqrt{4}=2が有理数であることを否定できない。
(3) 素数が無限個あることの証明
背理法を用いる。素数が有限個しか存在しないと仮定し、それらをp1,p2,...,pnp_1, p_2, ..., p_nと並べる。ここで、pnp_nは最大の素数とする。
q=p1p2...pn+1q = p_1 \cdot p_2 \cdot ... \cdot p_n + 1 という数を考える。
qqは、p1p_1からpnp_nまでのどの素数で割っても1余るため、これらの素数で割り切れない。
したがって、qqは素数であるか、またはpnp_nよりも大きい素数で割り切れる必要がある。
しかし、qq自身が素数である場合、pnp_nよりも大きな素数が存在することになり、最初の仮定「pnp_nが最大の素数」に矛盾する。
また、qqpnp_nよりも大きい素数pn+1p_{n+1}で割り切れる場合も、最初の仮定に矛盾する。
いずれにしても矛盾が生じるため、素数は無限個存在する。

3. 最終的な答え

(1) 3\sqrt{3}は無理数である。(証明は上記参照)
(2) 4=2\sqrt{4}=2は有理数であり、2\sqrt{2}の証明を模倣しても矛盾が生じないため、無理数であることを否定できない。
(3) 素数は無限個存在する。(証明は上記参照)

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