まず、1回目に白玉が出る確率をp1、2回目に白玉が出る確率をp2、3回目に白玉が出る確率をp3とする。 1回目の試行では、10個の玉のうち3個が白玉なので、p1=103。 2回目の試行では、1回目に白玉が出た場合と赤玉が出た場合で確率が変わる。
- 1回目に白玉が出た場合、残り9個の玉のうち白玉は2個なので、確率は92。 - 1回目に赤玉が出た場合、残り9個の玉のうち白玉は3個なので、確率は93=31。 しかし、期待値を計算する上では、周辺確率で考えることができ、2回目の試行で白玉が出る確率は、1回目に何が出たかに関わらず、103となる。同様に、3回目の試行で白玉が出る確率も103となる。 E(X)は、各試行で白玉が出る確率の和なので、 E(X)=p1+p2+p3=103+103+103=109。 V(X)は、V(X)=E(X2)−(E(X))2で計算できる。 ここで、E(X2)は計算が複雑になるので、以下の公式を用いる。 V(X)=∑i=1npi(1−pi), ここで、nは試行回数、piはi回目の試行で成功する確率。 この問題の場合、n=3 であり、各試行で白玉が出る確率は全て103であるから、 V(X)=3×103×(1−103)=3×103×107=10063 しかし、これは独立試行の場合のみ利用できる。今回は独立ではないので、別の方法で求める必要がある。
確率変数Xi を、i回目の試行で白玉が出たら1、そうでなければ0とする。このとき、 X=X1+X2+X3である。 V(X)=V(X1+X2+X3)=∑i=13V(Xi)+2∑i<jCov(Xi,Xj). V(Xi)=pi(1−pi)=103⋅107=10021 なので ∑i=13V(Xi)=10063。 Cov(Xi,Xj)=E(XiXj)−E(Xi)E(Xj). E(Xi)=103. E(XiXj)は、i回目とj回目(ただしi<j)の両方で白玉が出る確率なので、 E(X1X2)=103×92=906=151。 Cov(X1,X2)=151−103⋅103=151−1009=30020−27=−3007. 同様に、Cov(X1,X3)=Cov(X2,X3)=−3007 なので、 2∑i<jCov(Xi,Xj)=2×3×(−3007)=−30042=−10014. V(X)=10063−10014=10049.