袋の中に赤玉が3個、白玉が2個入っている。袋から1個の玉を取り出し、色を確認して元に戻す、という試行を5回繰り返す。白玉が出る回数を確率変数$X$とする。確率変数$X$の確率分布表を作成し、期待値(平均)を求めよ。

確率論・統計学確率分布二項分布期待値
2025/7/26

1. 問題の内容

袋の中に赤玉が3個、白玉が2個入っている。袋から1個の玉を取り出し、色を確認して元に戻す、という試行を5回繰り返す。白玉が出る回数を確率変数XXとする。確率変数XXの確率分布表を作成し、期待値(平均)を求めよ。

2. 解き方の手順

この試行は、ベルヌーイ試行を5回繰り返す反復試行である。
1回の試行で白玉が出る確率は p=25p = \frac{2}{5}である。
白玉が出ない確率は q=1p=35q = 1-p = \frac{3}{5}である。
確率変数XXは二項分布 B(5,25)B(5, \frac{2}{5})に従う。
X=kX=k となる確率 P(X=k)P(X=k) は、次の式で表される。
P(X=k)=5Ck(25)k(35)5kP(X=k) = {}_5C_k (\frac{2}{5})^k (\frac{3}{5})^{5-k}
ここで、k=0,1,2,3,4,5k=0,1,2,3,4,5である。
確率分布表を作成し、期待値を計算する。
期待値 E(X)E(X)E(X)=np=5×25=2E(X) = np = 5 \times \frac{2}{5} = 2で求められる。
kkに対する確率を計算する。
P(X=0)=5C0(25)0(35)5=1×1×2433125=2433125P(X=0) = {}_5C_0 (\frac{2}{5})^0 (\frac{3}{5})^5 = 1 \times 1 \times \frac{243}{3125} = \frac{243}{3125}
P(X=1)=5C1(25)1(35)4=5×25×81625=8103125P(X=1) = {}_5C_1 (\frac{2}{5})^1 (\frac{3}{5})^4 = 5 \times \frac{2}{5} \times \frac{81}{625} = \frac{810}{3125}
P(X=2)=5C2(25)2(35)3=10×425×27125=10803125P(X=2) = {}_5C_2 (\frac{2}{5})^2 (\frac{3}{5})^3 = 10 \times \frac{4}{25} \times \frac{27}{125} = \frac{1080}{3125}
P(X=3)=5C3(25)3(35)2=10×8125×925=7203125P(X=3) = {}_5C_3 (\frac{2}{5})^3 (\frac{3}{5})^2 = 10 \times \frac{8}{125} \times \frac{9}{25} = \frac{720}{3125}
P(X=4)=5C4(25)4(35)1=5×16625×35=2403125P(X=4) = {}_5C_4 (\frac{2}{5})^4 (\frac{3}{5})^1 = 5 \times \frac{16}{625} \times \frac{3}{5} = \frac{240}{3125}
P(X=5)=5C5(25)5(35)0=1×323125×1=323125P(X=5) = {}_5C_5 (\frac{2}{5})^5 (\frac{3}{5})^0 = 1 \times \frac{32}{3125} \times 1 = \frac{32}{3125}
確率分布表:
| X | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
|-----|----------|-----------|-----------|-----------|----------|---------|
| P(X) | 243/3125 | 810/3125 | 1080/3125 | 720/3125 | 240/3125 | 32/3125 |
期待値:
E(X)=k=05kP(X=k)E(X) = \sum_{k=0}^5 k \cdot P(X=k)
E(X)=02433125+18103125+210803125+37203125+42403125+5323125E(X) = 0 \cdot \frac{243}{3125} + 1 \cdot \frac{810}{3125} + 2 \cdot \frac{1080}{3125} + 3 \cdot \frac{720}{3125} + 4 \cdot \frac{240}{3125} + 5 \cdot \frac{32}{3125}
E(X)=0+810+2160+2160+960+1603125=62503125=2E(X) = \frac{0 + 810 + 2160 + 2160 + 960 + 160}{3125} = \frac{6250}{3125} = 2

3. 最終的な答え

確率分布表:
| X | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
|-----|----------|-----------|-----------|-----------|----------|---------|
| P(X) | 243/3125 | 810/3125 | 1080/3125 | 720/3125 | 240/3125 | 32/3125 |
期待値:2

「確率論・統計学」の関連問題

M中学校テニス部の部員21人の身長データが与えられている。 (1) 最小値、最大値、四分位数を求め、表にまとめる。 (2) 範囲を求める。 (3) 四分位範囲を求める。 (4) データをもとに箱ひげ図...

箱ひげ図四分位数範囲統計データ
2025/7/26

問題1:過去500回実施されたウミガメに遭遇できるダイビング体験ツアーで、ウミガメに遭遇できたのが480回であった。このツアーに参加したとき、ウミガメに遭遇できる確率を求める。 問題2:1から18まで...

確率統計事象
2025/7/26

1. あるゲームの参加者10人の得点データが与えられている。(1)範囲、(2)平均値、(3)中央値、(4)最頻値を求める。

統計データの分析範囲平均値中央値最頻値度数分布相対度数累積度数ヒストグラム度数分布多角形
2025/7/26

(1) 表が出る確率が $q$ であるコインを $n$ 回投げる。表が出れば500円貰え、裏が出れば200円を支払う。参加費が1000円のギャンブルに参加することが得になる ($q, n$) の条件を...

確率二項分布期待値ギャンブル
2025/7/26

ある通りでは30分あたりに通るタクシーの数がポアソン分布 $Po(10)$ に従う。各タクシーのうち空車の割合は30%である。30分あたりに通る空車の数を $X$ とするとき、$X$ の分布を求める。

ポアソン分布確率分布統計
2025/7/26

ある大規模な大学の入学試験の得点は正規分布に従い、平均が480点、標準偏差が100点である。 (1) 400点以上600点以下の得点層にいる受験生の割合を求める。 (2) 上位5%に位置する受験生の得...

正規分布標準化確率統計
2025/7/26

1月から6月までのデータが与えられたとき、3月の4ヶ月中心移動平均を計算し、小数第1位まで四捨五入します。

移動平均時系列分析データ分析
2025/7/26

表に示された世帯の情報を基に、相対的貧困率を計算し、小数第1位まで求めよ。相対的貧困率は、等価可処分所得の中央値の半分を下回る世帯の割合として定義される。

統計相対的貧困率中央値算術
2025/7/26

問題は、3年生女子80人のハンドボール投げの記録をまとめた度数分布表に基づいています。 問1:ハンドボール投げの記録の最頻値を求めます。 問2:記録が15m以上の生徒の割合が全体で何パーセントかを求め...

度数分布最頻値割合統計
2025/7/26

与えられたデータに基づいて、以下の値を計算します。 (1) 変数 $x$ の平均と分散。 (2) 変数 $x$ と $y$ の共分散と相関係数。

統計平均分散共分散相関係数
2025/7/26