多項式 $P(x) = x^3 - (k-1)x^2 + (3k-6)x + 4k - 6$ が与えられている。ただし、$k$は実数の定数である。 (1) $P(x)$を$x+1$で割った商を求める。 (2) 方程式 $P(x) = 0$ が異なる3つの実数解をもつような$k$の値の範囲を求める。また、この3つの実数解の積が1となるような$k$の値を求める。

代数学多項式因数定理組立除法二次方程式判別式解の公式解と係数の関係
2025/7/24

1. 問題の内容

多項式 P(x)=x3(k1)x2+(3k6)x+4k6P(x) = x^3 - (k-1)x^2 + (3k-6)x + 4k - 6 が与えられている。ただし、kkは実数の定数である。
(1) P(x)P(x)x+1x+1で割った商を求める。
(2) 方程式 P(x)=0P(x) = 0 が異なる3つの実数解をもつようなkkの値の範囲を求める。また、この3つの実数解の積が1となるようなkkの値を求める。

2. 解き方の手順

(1) P(x)P(x)x+1x+1で割ったときの商を求める。これは組立除法を使うと効率的である。
組立除法を実行すると、
```
-1 | 1 -(k-1) 3k-6 4k-6
| -1 k -4k+6
------------------------------
1 -k 4k-6 0
```
したがって、P(x)=(x+1)(x2kx+4k6)P(x) = (x+1)(x^2 - kx + 4k - 6)となり、商はx2kx+4k6x^2 - kx + 4k - 6である。
(2) P(x)=0P(x) = 0 が異なる3つの実数解を持つ条件を考える。
P(x)=(x+1)(x2kx+4k6)P(x) = (x+1)(x^2 - kx + 4k - 6)なので、x+1=0x+1=0すなわちx=1x=-1P(x)=0P(x)=0の一つの解である。
x2kx+4k6=0x^2 - kx + 4k - 6 = 0 が、x=1x=-1とは異なる2つの実数解を持つことが必要十分である。
f(x)=x2kx+4k6f(x) = x^2 - kx + 4k - 6とおく。
まず、x=1x=-1が解でない条件はf(1)0f(-1) \neq 0である。
f(1)=(1)2k(1)+4k6=1+k+4k6=5k50f(-1) = (-1)^2 - k(-1) + 4k - 6 = 1 + k + 4k - 6 = 5k - 5 \neq 0
よって、k1k \neq 1
次に、f(x)=0f(x) = 0が異なる2つの実数解を持つ条件は、判別式D>0D > 0である。
D=(k)24(1)(4k6)=k216k+24>0D = (-k)^2 - 4(1)(4k-6) = k^2 - 16k + 24 > 0
k216k+24=0k^2 - 16k + 24 = 0の解は、k=16±1624(24)2=16±256962=16±1602=16±4102=8±210k = \frac{16 \pm \sqrt{16^2 - 4(24)}}{2} = \frac{16 \pm \sqrt{256 - 96}}{2} = \frac{16 \pm \sqrt{160}}{2} = \frac{16 \pm 4\sqrt{10}}{2} = 8 \pm 2\sqrt{10}
よって、k<8210k < 8 - 2\sqrt{10}またはk>8+210k > 8 + 2\sqrt{10}
したがって、異なる3つの実数解を持つkkの範囲は、k<8210,8210<k<1,1<k<8+210,k>8+210k < 8 - 2\sqrt{10}, 8 - 2\sqrt{10} < k < 1, 1 < k < 8 + 2\sqrt{10}, k > 8 + 2\sqrt{10}である。
3つの実数解の積が1となる条件を考える。
P(x)=(x+1)(x2kx+4k6)=0P(x) = (x+1)(x^2 - kx + 4k - 6) = 0
解の一つは1-1である。x2kx+4k6=0x^2 - kx + 4k - 6 = 0の2つの解をα,β\alpha, \betaとすると、解の積はαβ=4k6\alpha\beta = 4k - 6である。
3つの解の積が1であるから、(1)(αβ)=1(-1)(\alpha\beta) = 1
(4k6)=1-(4k-6) = 1
4k+6=1-4k + 6 = 1
4k=5-4k = -5
k=54k = \frac{5}{4}
k=54k = \frac{5}{4}k<8210k < 8 - 2\sqrt{10}の範囲に含まれるので条件を満たす。
821082(3.16)=86.32=1.688 - 2\sqrt{10} \approx 8 - 2(3.16) = 8 - 6.32 = 1.68
54=1.25<1.68\frac{5}{4} = 1.25 < 1.68
また、k1k \neq 1の条件も満たしている。

3. 最終的な答え

(1) x2kx+4k6x^2 - kx + 4k - 6
(2) k<8210k < 8 - 2\sqrt{10} または 8+210<k8 + 2\sqrt{10} < k, かつ k1k \neq 1。3つの実数解の積が1となるときのkkの値は 54\frac{5}{4}

「代数学」の関連問題

与えられた関数群が線形独立であることを証明する問題です。具体的には、(1) $e^t$, $te^t$、(2) $e^{\alpha t}$, $e^{\beta t}$ ($\alpha \neq ...

線形独立関数線形結合微分指数関数対数関数
2025/8/3

与えられた数式を簡略化します。数式は $\frac{x+1}{x+2} - \frac{x+2}{x+3} - \frac{x+3}{x+4} + \frac{x+4}{x+5}$ です。

分数式式の簡略化通分
2025/8/3

2元1次方程式 $x + 3y = 21$ の解を求める問題です。ただし、$x$ と $y$ は1桁の自然数であり、$x < y$ を満たす必要があります。

一次方程式連立方程式整数解不等式
2025/8/3

連続する2つの偶数の和は偶数になることを、整数 $n$ を用いて説明しています。その説明から、「偶数になる」こと以外にどのような性質がわかるかを答える問題です。

整数の性質偶数倍数代数
2025/8/3

問題は、与えられた数式のア~エの空欄に、かけ算(×)または割り算(÷)の記号を当てはめて、式が成り立つようにする問題です。 (1) $18x^2y^3 \ ア \ 9x \ イ \ y = 2xy^2...

数式計算式の変形
2025/8/3

放物線 $y = x^2 - 2ax + 1$ を $x$ 軸方向に $-2$, $y$ 軸方向に $3$ だけ平行移動した放物線が原点を通るとき、$a$ の値を求めよ。

放物線平行移動二次関数
2025/8/3

グラフ(1)とグラフ(2)について、$y$を$x$の式で表しなさい。グラフ(1)は比例のグラフ(直線)、グラフ(2)は反比例のグラフ(双曲線)である。

比例反比例グラフ関数
2025/8/3

(1) $y$ は $x$ に比例し、$x=4$ のとき $y=12$ である。$y$ を $x$ の式で表す。 (2) $y$ は $x$ に反比例し、$x=3$ のとき $y=-6$ である。$x...

比例反比例一次関数方程式
2025/8/3

以下の3つの問題について、$y$ を $x$ の式で表し、$y$ が $x$ に比例する場合は○、反比例する場合は△を( )の中に書き込む。 (1) 1mの重さが80gの針金$x$mの重さは$y$gで...

比例反比例一次関数比例定数方程式
2025/8/3

与えられた行列 $A = \begin{bmatrix} -4 & -2 \\ 3 & 1 \end{bmatrix}$ を対角化する行列 $P$ とその逆行列 $P^{-1}$ を求め、対角化 $P...

線形代数行列固有値固有ベクトル対角化逆行列
2025/8/3