与えられた関数群が線形独立であることを証明する問題です。具体的には、(1) $e^t$, $te^t$、(2) $e^{\alpha t}$, $e^{\beta t}$ ($\alpha \neq \beta$)、(3) $t^n$, $t^m$ ($n \neq m$)、(4) $\log t$, $t \log t$ が線形独立であることをそれぞれ示します。

代数学線形独立関数線形結合微分指数関数対数関数
2025/8/3

1. 問題の内容

与えられた関数群が線形独立であることを証明する問題です。具体的には、(1) ete^t, tette^t、(2) eαte^{\alpha t}, eβte^{\beta t} (αβ\alpha \neq \beta)、(3) tnt^n, tmt^m (nmn \neq m)、(4) logt\log t, tlogtt \log t が線形独立であることをそれぞれ示します。

2. 解き方の手順

関数 f1(t),f2(t),,fn(t)f_1(t), f_2(t), \dots, f_n(t) が線形独立であるとは、c1f1(t)+c2f2(t)++cnfn(t)=0c_1 f_1(t) + c_2 f_2(t) + \dots + c_n f_n(t) = 0 が全ての tt で成り立つならば、c1=c2==cn=0c_1 = c_2 = \dots = c_n = 0 であることを意味します。つまり、線形結合が恒等的にゼロになるのは、全ての係数がゼロの場合のみであることを示す必要があります。
(1) ete^ttette^t の場合:
c1et+c2tet=0c_1 e^t + c_2 te^t = 0 が全ての tt で成り立つと仮定します。
ete^t で割ると、c1+c2t=0c_1 + c_2 t = 0 となります。
これは tt の恒等式なので、c1=0c_1 = 0 かつ c2=0c_2 = 0 である必要があります。
したがって、ete^ttette^t は線形独立です。
(2) eαte^{\alpha t}eβte^{\beta t} (αβ\alpha \neq \beta) の場合:
c1eαt+c2eβt=0c_1 e^{\alpha t} + c_2 e^{\beta t} = 0 が全ての tt で成り立つと仮定します。
t=0t = 0 を代入すると、c1+c2=0c_1 + c_2 = 0 となります。
次に、式を微分すると、c1αeαt+c2βeβt=0c_1 \alpha e^{\alpha t} + c_2 \beta e^{\beta t} = 0 となります。
t=0t = 0 を代入すると、c1α+c2β=0c_1 \alpha + c_2 \beta = 0 となります。
c1+c2=0c_1 + c_2 = 0c1α+c2β=0c_1 \alpha + c_2 \beta = 0 を連立方程式として解くと、
c1=c2c_1 = -c_2 なので、c2α+c2β=0-c_2 \alpha + c_2 \beta = 0 つまり c2(βα)=0c_2 (\beta - \alpha) = 0 となります。
αβ\alpha \neq \beta より、βα0\beta - \alpha \neq 0 なので、c2=0c_2 = 0 となります。
したがって、c1=0c_1 = 0 でもあります。
したがって、eαte^{\alpha t}eβte^{\beta t} は線形独立です。
(3) tnt^ntmt^m (nmn \neq m) の場合:
c1tn+c2tm=0c_1 t^n + c_2 t^m = 0 が全ての tt で成り立つと仮定します。
n>mn > m と仮定しても一般性を失いません。tmt^m で割ると、c1tnm+c2=0c_1 t^{n-m} + c_2 = 0 となります。
これは tt の恒等式なので、nmn \neq m より、nm>0n-m > 0 となり、c1=0c_1 = 0 かつ c2=0c_2 = 0 である必要があります。
したがって、tnt^ntmt^m は線形独立です。
(4) logt\log ttlogtt \log t の場合:
c1logt+c2tlogt=0c_1 \log t + c_2 t \log t = 0 が全ての tt で成り立つと仮定します。
logt\log t で割ると、c1+c2t=0c_1 + c_2 t = 0 となります。
これは tt の恒等式なので、c1=0c_1 = 0 かつ c2=0c_2 = 0 である必要があります。
したがって、logt\log ttlogtt \log t は線形独立です。

3. 最終的な答え

(1) ete^ttette^t は線形独立である。
(2) eαte^{\alpha t}eβte^{\beta t} (αβ\alpha \neq \beta) は線形独立である。
(3) tnt^ntmt^m (nmn \neq m) は線形独立である。
(4) logt\log ttlogtt \log t は線形独立である。

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