全体集合 $U$ の5つの部分集合 $A, B, C, D, E$ について、以下の4つの条件が与えられている。 (ア) $x \notin A$ ならば $x \notin B$ (イ) $x \in C$ ならば $x \notin B$ (ウ) $x \in D$ ならば $x \in B$ かつ $x \in E$ (エ) $x \in E$ を満たすような $C$ の要素 $x$ が存在する。 (1) 以下の(i)～(iv)のうち、必ず正しいと言えるものを全て選べ。 (i) $x \in D$ ならば $x \in A$ (ii) $x \in E$ ならば $x \in B$ (iii) $A$ の要素のうち、$C$ に含まれるものがある (iv) $x \notin D$ を満たすような $E$ の要素 $x$ がある (2) $U$ の要素 $x$ について、$x \in D$ であるための必要条件を、以下の(1)～(5)から全て選べ。 (1) $x \in A$ (2) $x \in C$ (3) $x \in E$ (4) $x \notin B$ (5) $x \notin E$

1. 問題の内容

全体集合 $U$ の5つの部分集合 $A, B, C, D, E$ について、以下の4つの条件が与えられている。

(ア) $x \notin A$ ならば $x \notin B$

(イ) $x \in C$ ならば $x \notin B$

(ウ) $x \in D$ ならば $x \in B$ かつ $x \in E$

(エ) $x \in E$ を満たすような $C$ の要素 $x$ が存在する。

(1) 以下の(i)～(iv)のうち、必ず正しいと言えるものを全て選べ。

(i) $x \in D$ ならば $x \in A$

(ii) $x \in E$ ならば $x \in B$

(iii) $A$ の要素のうち、$C$ に含まれるものがある

(iv) $x \notin D$ を満たすような $E$ の要素 $x$ がある

(2) $U$ の要素 $x$ について、$x \in D$ であるための必要条件を、以下の(1)～(5)から全て選べ。

(1) $x \in A$

(2) $x \in C$

(3) $x \in E$

(4) $x \notin B$

(5) $x \notin E$

2. 解き方の手順

(1)

(i) $x \in D$ ならば $x \in A$ は、条件(ウ)より $x \in D$ ならば $x \in B$ であるが、条件(ア)の対偶を取ると、$x \in B$ ならば $x \in A$ である。したがって、$x \in D$ ならば $x \in A$ は正しい。

(ii) $x \in E$ ならば $x \in B$ は、条件(ウ)から $x \in D$ ならば $x \in B$ かつ $x \in E$ が言えるだけであり、$x \in E$ でも $x \notin B$ である場合もあるので、誤り。

(iii) $A$ の要素のうち、$C$ に含まれるものがある は、条件(イ)から $x \in C$ ならば $x \notin B$ である。条件(ア)から $x \notin A$ ならば $x \notin B$である。対偶を取ると、$x \in B$ ならば $x \in A$。もし $A$ の要素が全て $C$ に含まれていないなら、全ての $x \in A$ に対して $x \notin C$ である。しかし、条件(エ)より、$E$ の要素の中に、$C$ の要素がある。

条件(ウ)より $x \in D$ ならば $x \in E$ なので、$E$ の要素 $x$ の中に $C$ の要素が存在する。仮に $A$ と $C$ が共通の要素を持たなかったとすると、$x \in A$ ならば $x \notin C$ である。条件(イ)より $x \in C$ ならば $x \notin B$ 。条件(ア)の対偶を取ると、$x \in B$ ならば $x \in A$ 。

条件(ウ)より $x \in D$ ならば $x \in B$ かつ $x \in E$ 。したがって、$x \in D$ ならば $x \in B$。

ゆえに $x \in D$ ならば $x \in A$ かつ $x \in E$。この$E$の要素は$C$の要素であり、$A$の要素でもあるので、$A$の要素のうち、$C$に含まれるものがある。したがって正しい。

(iv) $x \notin D$ を満たすような $E$ の要素 $x$ がある は、条件(エ)より $x \in E$ を満たすような $C$ の要素が存在する。また、条件(イ)より $x \in C$ ならば $x \notin B$ である。条件(ウ)より $x \in D$ ならば $x \in B$ かつ $x \in E$ である。したがって、$x \notin D$ を満たすような $E$ の要素が存在する。したがって正しい。

(2)

$x \in D$ であるための必要条件を求める。条件(ウ)より $x \in D$ ならば $x \in B$ かつ $x \in E$ である。したがって、$x \in D$ であるための必要条件は $x \in E$ と $x \in B$。選択肢の中で $x \in E$ があるので、(3)が当てはまる。

条件(ア)より $x \notin A$ ならば $x \notin B$ である。この対偶は、$x \in B$ ならば $x \in A$ である。 $x \in B$ は $x \in D$ の必要条件なので、$x \in A$ は $x \in D$ の必要条件である。したがって、(1)も当てはまる。

3. 最終的な答え

(1): (i), (iii), (iv)

(2): (1), (3)