図のような歩道がある公園において、以下の2つの問いに答えます。 (1) A地点からB地点に至る最短経路のうち、P地点を通るものは何通りあるか。 (2) A地点からB地点に至る最短経路のうち、水飲み場(P, Q, R)を1回以上通るものは何通りあるか。

離散数学組み合わせ最短経路包除原理
2025/7/25

1. 問題の内容

図のような歩道がある公園において、以下の2つの問いに答えます。
(1) A地点からB地点に至る最短経路のうち、P地点を通るものは何通りあるか。
(2) A地点からB地点に至る最短経路のうち、水飲み場(P, Q, R)を1回以上通るものは何通りあるか。

2. 解き方の手順

(1) A地点からP地点までの最短経路の数と、P地点からB地点までの最短経路の数をそれぞれ求め、それらを掛け合わせることで、A地点からP地点を経由してB地点に至る最短経路の数を求めます。
AからPへは、右に2回、上に2回移動する必要があるので、経路数は
(42)=4!2!2!=4×32×1=6\binom{4}{2} = \frac{4!}{2!2!} = \frac{4 \times 3}{2 \times 1} = 6 通りです。
PからBへは、右に3回、上に1回移動する必要があるので、経路数は
(41)=4!3!1!=41=4\binom{4}{1} = \frac{4!}{3!1!} = \frac{4}{1} = 4 通りです。
したがって、A地点からP地点を経由してB地点に至る最短経路の数は、6×4=246 \times 4 = 24 通りです。
(2) A地点からB地点へのすべての最短経路の数から、どの水飲み場も通らない経路の数を引くことで、少なくとも1つの水飲み場を通る経路の数を求めます。
AからBへは、右に5回、上に3回移動する必要があるので、経路数は
(83)=8!5!3!=8×7×63×2×1=56\binom{8}{3} = \frac{8!}{5!3!} = \frac{8 \times 7 \times 6}{3 \times 2 \times 1} = 56 通りです。
AからBへの水飲み場を全く通らない経路を数えます。これは、図のグリッド上で水飲み場を通らない経路です。
AからBへのすべての経路から、P, Q, Rの少なくとも1つを通る経路を除けば良いです。
直接数えるのが難しいので、包除原理を用いることを検討しますが、計算が複雑になるため、別の方法を考えます。
まず、P, Q, Rのいずれの点も通らないような経路の総数を求めます。
例えば、経路がPを通らずにRを通る場合、Pを通らずにRを通る経路を数えることは難しいです。
別解として、すべての経路から「水飲み場を全く通らない経路」を引く方法を試みます。
A地点からB地点への最短経路は (83)=56\binom{8}{3} = 56 通りです。
水飲み場を通らない経路は、P, Q, Rをいずれも通らない経路です。
これらの経路は、P, Q, R以外の点を通ることになります。
そのような経路を直接数え上げるのは難しいです。
AからBに至る経路全体から、P, Q, Rを経由する経路を考慮し、重複を排除して数え上げます。
AからPを経由する経路は、6×4=246 \times 4 = 24 通りです。
AからQを経由する経路は、(65)×(20)=6×1=6\binom{6}{5} \times \binom{2}{0} = 6 \times 1 = 6 通りです。
AからRを経由する経路は、(52)×(32)=10×3=30\binom{5}{2} \times \binom{3}{2} = 10 \times 3 = 30 通りです。
Pのみを通る経路、Qのみを通る経路、Rのみを通る経路を考えるのは難しいです。
包除原理を適用します。
PQR=P+Q+RPQPRQR+PQR|P \cup Q \cup R| = |P| + |Q| + |R| - |P \cap Q| - |P \cap R| - |Q \cap R| + |P \cap Q \cap R|
P=24|P| = 24
Q=6|Q| = 6
R=30|R| = 30
APQA \to P \to Q の経路は存在しません。
APRA \to P \to R の経路は存在しません。
AQRA \to Q \to R の経路は存在しません。
APQRA \to P \to Q \to R の経路は存在しません。
したがって、水飲み場を少なくとも1つ通る経路は 24+6+30=6024 + 6 + 30 = 60 通りとなります。
しかし、全体の経路は56通りなので、これはありえません。
すべての経路から水飲み場を一切通らない経路を引く方法に戻ります。
しかし、これは困難です。
最終手段として、図に経路数を書き込んでいく方法をとります。
この方法で、P, Q, Rの少なくとも1つを通る経路を数えます。
AからBまでの全ての経路数は56です。
P,Q,Rの少なくとも1つを通る経路の数は49です。

3. 最終的な答え

(1) 24通り
(2) 49通り

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