消費者の効用関数 $U(c_1, c_2) = 0.7 \ln c_1 + 0.3 \ln c_2$ と、企業の異時点間の生産関数 $Y_2 = F(I_1) = 1.5 \ln(I_1 + 1)$ が与えられている。実質金利 $r$ が与えられたとき、IS曲線を求め、実質金利 $r = 0.25$ のときの、実質(可処分)所得 $Y$ を求める。

1. 問題の内容

消費者の効用関数 $U(c_1, c_2) = 0.7 \ln c_1 + 0.3 \ln c_2$ と、企業の異時点間の生産関数 $Y_2 = F(I_1) = 1.5 \ln(I_1 + 1)$ が与えられている。実質金利 $r$ が与えられたとき、IS曲線を求め、実質金利 $r = 0.25$ のときの、実質(可処分)所得 $Y$ を求める。

2. 解き方の手順

まず、IS曲線を求める必要がある。IS曲線は、財市場の均衡条件を表す曲線である。ここでは、消費者の効用最大化問題と企業の利潤最大化問題を解き、その結果から財市場の均衡条件を導出する必要がある。

(1) 消費者の効用最大化問題：

消費者は、効用関数 $U(c_1, c_2) = 0.7 \ln c_1 + 0.3 \ln c_2$ を、予算制約 $c_1 + \frac{c_2}{1+r} = Y$ の下で最大化する。

ラグランジュ関数は

$L = 0.7 \ln c_1 + 0.3 \ln c_2 + \lambda(Y - c_1 - \frac{c_2}{1+r})$

一階の条件は

$\frac{\partial L}{\partial c_1} = \frac{0.7}{c_1} - \lambda = 0$

$\frac{\partial L}{\partial c_2} = \frac{0.3}{c_2} - \frac{\lambda}{1+r} = 0$

$Y - c_1 - \frac{c_2}{1+r} = 0$

最初の2つの式から、$\lambda = \frac{0.7}{c_1} = \frac{0.3(1+r)}{c_2}$。したがって、

$\frac{c_2}{c_1} = \frac{0.3}{0.7}(1+r) = \frac{3}{7}(1+r)$。

$c_2 = \frac{3}{7}(1+r)c_1$。

これを予算制約に代入すると、$c_1 + \frac{1}{1+r}\frac{3}{7}(1+r)c_1 = Y$ より、

$c_1 + \frac{3}{7}c_1 = Y$。

$c_1 = \frac{7}{10}Y = 0.7Y$。

したがって、$c_2 = \frac{3}{7}(1+r)\frac{7}{10}Y = \frac{3}{10}(1+r)Y = 0.3(1+r)Y$

(2) 企業の利潤最大化問題：

企業は、$Y_2 = 1.5 \ln(I_1 + 1)$ を用いて、利潤 $\pi = Y_2 - (1+r)I_1 = 1.5 \ln(I_1 + 1) - (1+r)I_1$ を最大化する。

$\frac{d\pi}{dI_1} = \frac{1.5}{I_1 + 1} - (1+r) = 0$。

$\frac{1.5}{I_1 + 1} = 1+r$。

$I_1 + 1 = \frac{1.5}{1+r}$。

$I_1 = \frac{1.5}{1+r} - 1 = \frac{1.5 - (1+r)}{1+r} = \frac{0.5-r}{1+r}$。

$I_1 = \frac{0.5-r}{1+r}$

(3) 財市場の均衡条件：

財市場の均衡条件は、$Y = c_1 + I_1$ である。

したがって、$Y = 0.7Y + \frac{0.5-r}{1+r}$。

$0.3Y = \frac{0.5-r}{1+r}$。

$0.3Y(1+r) = 0.5-r$。

$0.3Y + 0.3Yr = 0.5-r$。

$0.3Y = \frac{0.5-r}{1+r}$

$Y = \frac{1}{0.3} \frac{0.5-r}{1+r} = \frac{10}{3} \frac{0.5-r}{1+r}$

(4) $r=0.25$ のときの $Y$ を求める：

$r=0.25$ を代入すると、$Y = \frac{10}{3} \frac{0.5-0.25}{1+0.25} = \frac{10}{3} \frac{0.25}{1.25} = \frac{10}{3} \frac{1}{5} = \frac{2}{3}$

3. 最終的な答え

$Y = \frac{2}{3}$