ある母集団は平均 $5$、分散 $16$ の正規分布に従うと思われていた。母平均が大きくなったと感じたので、$100$ 個の標本を抽出したところ、その標本平均は $5.7$ であった。母平均が大きくなったといえるか、有意水準 $5\%$ で検定する。

確率論・統計学統計的仮説検定Z検定正規分布母平均有意水準
2025/7/24

1. 問題の内容

ある母集団は平均 55、分散 1616 の正規分布に従うと思われていた。母平均が大きくなったと感じたので、100100 個の標本を抽出したところ、その標本平均は 5.75.7 であった。母平均が大きくなったといえるか、有意水準 5%5\% で検定する。

2. 解き方の手順

(1) 帰無仮説 H0H_0 と対立仮説 H1H_1 を設定する。
* H0H_0: 母平均 μ=5\mu = 5
* H1H_1: 母平均 μ>5\mu > 5 (片側検定)
(2) 検定統計量を計算する。母分散が既知なので、ZZ 検定を行う。
Z=Xˉμσ/nZ = \frac{\bar{X} - \mu}{\sigma / \sqrt{n}}
ここで、Xˉ=5.7\bar{X} = 5.7, μ=5\mu = 5, σ2=16\sigma^2 = 16 より σ=4\sigma = 4, n=100n = 100 である。
よって、
Z=5.754/100=0.74/10=0.70.4=1.75Z = \frac{5.7 - 5}{4 / \sqrt{100}} = \frac{0.7}{4 / 10} = \frac{0.7}{0.4} = 1.75
(3) 有意水準 5%5\% での棄却域を求める。片側検定なので、標準正規分布表から P(Z>zα)=0.05P(Z > z_{\alpha}) = 0.05 となる zαz_{\alpha} を探す。z0.051.645z_{0.05} \approx 1.645
(4) 検定統計量と棄却域を比較する。
Z=1.75>1.645=z0.05Z = 1.75 > 1.645 = z_{0.05}
よって、帰無仮説 H0H_0 は棄却される。

3. 最終的な答え

有意水準 5%5\% で、母平均は大きくなったといえる。

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