行列 $A = \begin{pmatrix} 6 & -9 \\ 2 & -3 \end{pmatrix}$ で定まる1次変換を $f$ とするとき、以下の問に答えます。 (1) 点 $P(1,1)$ の $f$ による像を求めます。 (2) 直線 $x-y=0$ の $f$ による像を求めます。 (3) 零ベクトル $\vec{0}$ の $f$ による逆像を求めます。 (4) $f$ が1対1対応(全単射)であるかどうかを判定します。
2025/7/24
1. 問題の内容
行列 で定まる1次変換を とするとき、以下の問に答えます。
(1) 点 の による像を求めます。
(2) 直線 の による像を求めます。
(3) 零ベクトル の による逆像を求めます。
(4) が1対1対応(全単射)であるかどうかを判定します。
2. 解き方の手順
(1) 点 の像
点 をベクトル とみなします。
による像は、行列 を掛けることで得られます。
(2) 直線 の像
直線 上の点を とおきます。
この点の による像は、
これは、原点を通る直線を表します。この直線の式は、 です。
(3) 零ベクトルの逆像
が零ベクトルの逆像であるとは、 を満たすことです。
つまり、
この連立方程式は、
これは、 を意味します。したがって、 です。
とすると、 となります。
よって、逆像は であり、これは原点を通る直線 を表します。
(4) が1対1対応かどうかの判定
行列 の行列式を計算します。
行列式が0であるため、 は正則行列ではありません。
したがって、 は1対1対応ではありません。
3. 最終的な答え
(1) 点 の像:
(2) 直線 の像: 直線
(3) 零ベクトルの逆像: 直線
(4) は1対1対応ではない。