問題は、線形写像の定義を述べ、与えられた2つの写像が線形写像であるかどうかを判定し、判定の根拠となる計算を示すことです。 (i) $f: \mathbb{R}^3 \to \mathbb{R}^3$ が $f\begin{bmatrix} x \\ y \\ z \end{bmatrix} = \begin{bmatrix} x+y \\ xy+z \\ 2z+3y \end{bmatrix}$ で定義されるとき、この写像が線形写像かどうかを判定する。 (ii) $g: \mathbb{R}^3 \to \mathbb{R}^3$ が $g\begin{bmatrix} x \\ y \\ z \end{bmatrix} = \begin{bmatrix} x+2y \\ x+y+3z \\ 2z+3y \end{bmatrix}$ で定義されるとき、この写像が線形写像かどうかを判定する。 線形写像の定義: 線形写像とは、ベクトル空間 $V$ からベクトル空間 $W$ への写像 $f: V \to W$ であって、以下の2つの条件を満たすものをいう。 (1) 任意のベクトル $u, v \in V$ に対して、$f(u+v) = f(u) + f(v)$ が成り立つ。 (2) 任意のスカラー $c$ と任意のベクトル $u \in V$ に対して、$f(cu) = cf(u)$ が成り立つ。
2025/7/24
1. 問題の内容
問題は、線形写像の定義を述べ、与えられた2つの写像が線形写像であるかどうかを判定し、判定の根拠となる計算を示すことです。
(i) が で定義されるとき、この写像が線形写像かどうかを判定する。
(ii) が で定義されるとき、この写像が線形写像かどうかを判定する。
線形写像の定義:
線形写像とは、ベクトル空間 からベクトル空間 への写像 であって、以下の2つの条件を満たすものをいう。
(1) 任意のベクトル に対して、 が成り立つ。
(2) 任意のスカラー と任意のベクトル に対して、 が成り立つ。
2. 解き方の手順
(i) 写像 が線形写像であるかどうかを調べる。
.
もし線形写像であれば、が成り立つはずである。
とすると、
なので、線形写像ではない。あるいは、が成り立つか調べる。
ととすると、
なので、線形写像ではない。
(ii) 写像 が線形写像であるかどうかを調べる。
.
.
したがって、は線形写像である。
3. 最終的な答え
線形写像であるとは: ベクトル空間 からベクトル空間 への写像 であって、以下の2つの条件を満たすものをいう。
(1) 任意のベクトル に対して、 が成り立つ。
(2) 任意のスカラー と任意のベクトル に対して、 が成り立つ。
(i) 線形写像{ではない}。
(ii) 線形写像{である}。