この問題は、捕食者と被食者の個体数変動を表す連立微分方程式モデルに関する問題です。与えられた微分方程式 $\frac{dx}{dt} = (a+by)x$ $\frac{dy}{dt} = (-c+dx)y$ について、いくつかの問いに答える必要があります。具体的には、定数$a, b, c, d$のうち負の値をとるもの、不動点、および$x, y$の値がある条件を満たすときの$x, y$の増減について答えます。

応用数学微分方程式数理モデル捕食者-被食者モデル連立微分方程式
2025/7/24

1. 問題の内容

この問題は、捕食者と被食者の個体数変動を表す連立微分方程式モデルに関する問題です。与えられた微分方程式
dxdt=(a+by)x\frac{dx}{dt} = (a+by)x
dydt=(c+dx)y\frac{dy}{dt} = (-c+dx)y
について、いくつかの問いに答える必要があります。具体的には、定数a,b,c,da, b, c, dのうち負の値をとるもの、不動点、およびx,yx, yの値がある条件を満たすときのx,yx, yの増減について答えます。

2. 解き方の手順

(1) 定数の符号について
* dxdt=(a+by)x\frac{dx}{dt} = (a+by)xにおいて、xxは被食者の数、yyは捕食者の数です。被食者は自然に増えるため、a>0a>0。捕食者が多いと被食者は減るので、b<0b<0。よって、①はbbです。
* dydt=(c+dx)y\frac{dy}{dt} = (-c+dx)yにおいて、捕食者は被食者がいないと減るので、c>0c>0。被食者が多いと捕食者は増えるので、d>0d>0。よって、②はc-cすなわちccです。しかしながら、問題文中で値が負だと考えられるものを選ぶため、②は c-c となります。
(2) 不動点について
不動点とは、dxdt=0\frac{dx}{dt} = 0かつdydt=0\frac{dy}{dt} = 0となる点のことです。
dxdt=(a+by)x=0\frac{dx}{dt} = (a+by)x = 0より、x=0x=0またはa+by=0a+by=0
dydt=(c+dx)y=0\frac{dy}{dt} = (-c+dx)y = 0より、y=0y=0またはc+dx=0-c+dx=0
x,y>0x, y>0なので、x=0x=0またはy=0y=0は除外されます。
よって、a+by=0a+by=0かつc+dx=0-c+dx=0を満たす必要があります。
a+by=0a+by=0より、y=aby = -\frac{a}{b}
c+dx=0-c+dx=0より、x=cdx = \frac{c}{d}
したがって、不動点は(cd,ab)(\frac{c}{d}, -\frac{a}{b})です。
(3) x,yx, yの増減について
まず、xˉ=cd\bar{x}=\frac{c}{d}, yˉ=ab\bar{y}=-\frac{a}{b}とおきます。
* x<xˉx < \bar{x}, y<yˉy < \bar{y}のとき:
x<cd    dx<c    c+dx<0x < \frac{c}{d} \implies dx < c \implies -c + dx < 0
y<ab    by>a    a+by<0y < -\frac{a}{b} \implies by > a \implies a+by < 0
dxdt=(a+by)x<0\frac{dx}{dt} = (a+by)x < 0, dydt=(c+dx)y<0\frac{dy}{dt} = (-c+dx)y < 0なので、xxは減少し、yyも減少します。
したがって、⑤は減少、⑥は減少です。
* x>xˉx > \bar{x}, y<yˉy < \bar{y}のとき:
x>cd    dx>c    c+dx>0x > \frac{c}{d} \implies dx > c \implies -c + dx > 0
y<ab    by>a    a+by<0y < -\frac{a}{b} \implies by > a \implies a+by < 0
dxdt=(a+by)x<0\frac{dx}{dt} = (a+by)x < 0, dydt=(c+dx)y>0\frac{dy}{dt} = (-c+dx)y > 0なので、xxは減少し、yyは増加します。
したがって、⑦は減少、⑧は増加です。
* x>xˉx > \bar{x}, y>yˉy > \bar{y}のとき:
x>cd    dx>c    c+dx>0x > \frac{c}{d} \implies dx > c \implies -c + dx > 0
y>ab    by<a    a+by>0y > -\frac{a}{b} \implies by < a \implies a+by > 0
dxdt=(a+by)x>0\frac{dx}{dt} = (a+by)x > 0, dydt=(c+dx)y>0\frac{dy}{dt} = (-c+dx)y > 0なので、xxは増加し、yyも増加します。
したがって、⑨は増加、⑩は増加です。
* x<xˉx < \bar{x}, y>yˉy > \bar{y}のとき:
x<cd    dx<c    c+dx<0x < \frac{c}{d} \implies dx < c \implies -c + dx < 0
y>ab    by<a    a+by>0y > -\frac{a}{b} \implies by < a \implies a+by > 0
dxdt=(a+by)x>0\frac{dx}{dt} = (a+by)x > 0, dydt=(c+dx)y<0\frac{dy}{dt} = (-c+dx)y < 0なので、xxは増加し、yyは減少します。
したがって、⑪は増加、⑫は減少です。

3. 最終的な答え

bb
c-c
cd\frac{c}{d}
ab-\frac{a}{b}
⑤ 減少
⑥ 減少
⑦ 減少
⑧ 増加
⑨ 増加
⑩ 増加
⑪ 増加
⑫ 減少

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