以下の連立一次方程式について、与えられた問いに答えます。 $\begin{cases} 2x_1 - 6x_2 + x_3 = 1 \\ 3x_1 - 9x_2 - x_3 = 9 \\ -x_1 + 3x_2 + 2x_3 = -8 \end{cases}$ (1) 上の連立一次方程式の拡大係数行列を簡約化する。 (2) 上の連立一次方程式の係数行列をAと書くとき、同次形の連立一次方程式 $A\vec{x}=\vec{0}$ の自明でない解 $\vec{x}$ があれば、それを一つ書く。 (3) Aの階数はいくつか。 (4) 上の連立一次方程式を解く(解をすべて求める)。 (5) 上の係数行列Aに対し、連立一次方程式 $A\vec{x}=\vec{b}$ は任意の3次の列ベクトル $\vec{b}$ に対して解を持つと言えるか。理由も含めて答える。
2025/7/25
はい、承知いたしました。与えられた連立一次方程式に関する問題ですね。
1. 問題の内容
以下の連立一次方程式について、与えられた問いに答えます。
$\begin{cases}
2x_1 - 6x_2 + x_3 = 1 \\
3x_1 - 9x_2 - x_3 = 9 \\
-x_1 + 3x_2 + 2x_3 = -8
\end{cases}$
(1) 上の連立一次方程式の拡大係数行列を簡約化する。
(2) 上の連立一次方程式の係数行列をAと書くとき、同次形の連立一次方程式 の自明でない解 があれば、それを一つ書く。
(3) Aの階数はいくつか。
(4) 上の連立一次方程式を解く(解をすべて求める)。
(5) 上の係数行列Aに対し、連立一次方程式 は任意の3次の列ベクトル に対して解を持つと言えるか。理由も含めて答える。
2. 解き方の手順
(1) 拡大係数行列を簡約化します。
拡大係数行列は以下のようになります。
$\begin{bmatrix}
2 & -6 & 1 & 1 \\
3 & -9 & -1 & 9 \\
-1 & 3 & 2 & -8
\end{bmatrix}$
まず、1行目を1/2倍します。
$\begin{bmatrix}
1 & -3 & 1/2 & 1/2 \\
3 & -9 & -1 & 9 \\
-1 & 3 & 2 & -8
\end{bmatrix}$
次に、2行目から1行目の3倍を引きます。
$\begin{bmatrix}
1 & -3 & 1/2 & 1/2 \\
0 & 0 & -5/2 & 15/2 \\
-1 & 3 & 2 & -8
\end{bmatrix}$
3行目に1行目を加えます。
$\begin{bmatrix}
1 & -3 & 1/2 & 1/2 \\
0 & 0 & -5/2 & 15/2 \\
0 & 0 & 5/2 & -15/2
\end{bmatrix}$
2行目を-2/5倍します。
$\begin{bmatrix}
1 & -3 & 1/2 & 1/2 \\
0 & 0 & 1 & -3 \\
0 & 0 & 5/2 & -15/2
\end{bmatrix}$
3行目から2行目の5/2倍を引きます。
$\begin{bmatrix}
1 & -3 & 1/2 & 1/2 \\
0 & 0 & 1 & -3 \\
0 & 0 & 0 & 0
\end{bmatrix}$
1行目から2行目の1/2倍を引きます。
$\begin{bmatrix}
1 & -3 & 0 & 2 \\
0 & 0 & 1 & -3 \\
0 & 0 & 0 & 0
\end{bmatrix}$
(2) 同次連立一次方程式 の自明でない解を求めます。
係数行列Aは以下のようになります。
$A = \begin{bmatrix}
2 & -6 & 1 \\
3 & -9 & -1 \\
-1 & 3 & 2
\end{bmatrix}$
簡約化された拡大係数行列から、同次連立一次方程式の解は以下のように書けます。
は任意の値を取ることができます。例えば、 とすると、、 となります。
したがって、自明でない解の一つは です。
(3) Aの階数を求めます。
簡約化された拡大係数行列から、Aの階数は2です。
(4) 与えられた連立一次方程式を解きます。
簡約化された拡大係数行列から、解は以下のように書けます。
したがって、、、 は任意の値を取ることができます。
解は と表すことができます。
(5) 連立一次方程式 は任意の3次の列ベクトル に対して解を持つと言えるか。
Aの階数は2であり、3より小さいです。したがって、Aは正則ではありません。つまり、 は任意の に対して解を持つとは限りません。が解を持つためには、 がAの列ベクトルの線形結合で表せる必要があります。
3. 最終的な答え
(1) 簡約化された拡大係数行列:
$\begin{bmatrix}
1 & -3 & 0 & 2 \\
0 & 0 & 1 & -3 \\
0 & 0 & 0 & 0
\end{bmatrix}$
(2) 自明でない解の一例:
(3) Aの階数:
2
(4) 連立一次方程式の解:
(は任意)
(5) 任意の に対して解を持つとは言えない。理由はAが正則でないから。