ニュートンの冷却法則に関する問題です。ある物体の温度変化が $\frac{dT}{dt} = -k(T - T_0)$ で与えられています。ここで、$T$ は物体の温度、$T_0$ は周囲の温度、$k$ は定数です。$100^\circ\text{C}$ のお湯を $20^\circ\text{C}$ の大気中に置いたときに、以下の問いに答えます。 (1) 微分方程式を解き、温度 $T$ を時間 $t$ の関数で表してください。 (2) $100^\circ\text{C}$ のお湯は 1 分後に $60^\circ\text{C}$ になりました。このときの $k$ の値を求めてください。 (3) 4 分後のお湯の温度を求めてください。

応用数学微分方程式ニュートンの冷却法則放射性炭素年代測定指数関数半減期
2025/7/25
## 問題4

1. 問題の内容

ニュートンの冷却法則に関する問題です。ある物体の温度変化が dTdt=k(TT0)\frac{dT}{dt} = -k(T - T_0) で与えられています。ここで、TT は物体の温度、T0T_0 は周囲の温度、kk は定数です。100C100^\circ\text{C} のお湯を 20C20^\circ\text{C} の大気中に置いたときに、以下の問いに答えます。
(1) 微分方程式を解き、温度 TT を時間 tt の関数で表してください。
(2) 100C100^\circ\text{C} のお湯は 1 分後に 60C60^\circ\text{C} になりました。このときの kk の値を求めてください。
(3) 4 分後のお湯の温度を求めてください。

2. 解き方の手順

(1) 微分方程式 dTdt=k(TT0)\frac{dT}{dt} = -k(T - T_0) を解きます。
まず、変数分離を行います。
dTTT0=kdt\frac{dT}{T - T_0} = -k dt
両辺を積分します。
dTTT0=kdt\int \frac{dT}{T - T_0} = \int -k dt
lnTT0=kt+C1\ln |T - T_0| = -kt + C_1 (C1C_1 は積分定数)
絶対値を外し、指数関数を取ります。
TT0=ekt+C1=eC1ekt=CektT - T_0 = e^{-kt + C_1} = e^{C_1} e^{-kt} = C e^{-kt} (C=eC1C = e^{C_1} は定数)
T=T0+CektT = T_0 + C e^{-kt}
初期条件 t=0t = 0 のとき T=100CT = 100^\circ\text{C} を代入します。T0=20CT_0 = 20^\circ\text{C} です。
100=20+Cek(0)100 = 20 + C e^{-k(0)}
100=20+C100 = 20 + C
C=80C = 80
したがって、温度 TT は時間 tt の関数として次のように表されます。
T=20+80ektT = 20 + 80 e^{-kt}
(2) t=1t = 1 のとき T=60CT = 60^\circ\text{C} を代入して、kk の値を求めます。
60=20+80ek(1)60 = 20 + 80 e^{-k(1)}
40=80ek40 = 80 e^{-k}
ek=12e^{-k} = \frac{1}{2}
k=ln12=ln2-k = \ln \frac{1}{2} = -\ln 2
k=ln2k = \ln 2
(3) t=4t = 4 のとき、TT の値を求めます。k=ln2k = \ln 2 を代入します。
T=20+80e4ln2=20+80eln24=20+80(24)T = 20 + 80 e^{-4 \ln 2} = 20 + 80 e^{\ln 2^{-4}} = 20 + 80 (2^{-4})
T=20+80116=20+5=25T = 20 + 80 \cdot \frac{1}{16} = 20 + 5 = 25

3. 最終的な答え

(1) T=20+80ektT = 20 + 80e^{-kt}
(2) k=ln2k = \ln 2
(3) 25C25^\circ\text{C}
## 問題5

1. 問題の内容

放射性炭素 (14C\text{}^{14}\text{C}) を用いた年代測定に関する問題です。
(1) 時刻 tt における 14C\text{}^{14}\text{C} の量を N(t)N(t) とすると、その崩壊速度 dN(t)dt\frac{dN(t)}{dt} は今残っている量 N(t)N(t) に比例します。比例係数を kk として、N(t)N(t) と崩壊速度の微分方程式を示してください。
(2) 14C\text{}^{14}\text{C} の半減期を 5,600 年とし、遺跡から見つかった木材が何年前に採取されたかを log20.7\log 2 \approx 0.7, log31.1\log 3 \approx 1.1, log51.6\log 5 \approx 1.6 として概算してください。生きていた木の 14C\text{}^{14}\text{C} の量は 15 dpm、遺跡から見つかった木材の 14C\text{}^{14}\text{C} の量は 12 dpm です。

2. 解き方の手順

(1) 崩壊速度 dN(t)dt\frac{dN(t)}{dt}N(t)N(t) に比例するので、比例係数を k-k (負の符号は崩壊を表す)とすると、以下の微分方程式が成り立ちます。
dN(t)dt=kN(t)\frac{dN(t)}{dt} = -kN(t)
(2) 微分方程式を解きます。
dNN=kdt\frac{dN}{N} = -k dt
dNN=kdt\int \frac{dN}{N} = \int -k dt
lnN=kt+C1\ln N = -kt + C_1
N=ekt+C1=CektN = e^{-kt + C_1} = C e^{-kt} (C=eC1C = e^{C_1} は定数)
初期条件 t=0t = 0 のとき、N(0)=N0N(0) = N_0 とすると、N0N_0 は初期の 14C\text{}^{14}\text{C} の量です。
N0=Ce0=CN_0 = C e^0 = C
したがって、N(t)=N0ektN(t) = N_0 e^{-kt}
半減期 TT は、N(T)N0=12\frac{N(T)}{N_0} = \frac{1}{2} を満たす時間です。与えられた半減期は 5600 年なので、T=5600T = 5600 です。
12=ek(5600)\frac{1}{2} = e^{-k(5600)}
ln12=5600k\ln \frac{1}{2} = -5600k
ln2=5600k-\ln 2 = -5600k
k=ln25600k = \frac{\ln 2}{5600}
生きていた木の 14C\text{}^{14}\text{C} の量は 15 dpm であり、遺跡から見つかった木材の 14C\text{}^{14}\text{C} の量は 12 dpm なので、採取されてからの時間を tt とすると、
12=15ekt12 = 15 e^{-kt}
1215=ekt\frac{12}{15} = e^{-kt}
45=ekt\frac{4}{5} = e^{-kt}
ln45=kt\ln \frac{4}{5} = -kt
t=1kln45=5600ln2ln45t = -\frac{1}{k} \ln \frac{4}{5} = -\frac{5600}{\ln 2} \ln \frac{4}{5}
t=5600ln2(ln5ln4)=5600ln2(ln52ln2)t = \frac{5600}{\ln 2} (\ln 5 - \ln 4) = \frac{5600}{\ln 2} (\ln 5 - 2 \ln 2)
ln20.7\ln 2 \approx 0.7 より、
t56000.7(ln520.7)=8000(ln51.4)t \approx \frac{5600}{0.7} (\ln 5 - 2 \cdot 0.7) = 8000(\ln 5 - 1.4)
ln51.6\ln 5 \approx 1.6 より、
t8000(1.61.4)=8000(0.2)=1600t \approx 8000(1.6 - 1.4) = 8000(0.2) = 1600

3. 最終的な答え

(1) dN(t)dt=kN(t)\frac{dN(t)}{dt} = -kN(t)
(2) 約 1600 年前

「応用数学」の関連問題

実質金利 $r=0.25$ に直面する企業の利潤最大化を考える。企業の異時点間の生産関数が $Y_2=F(I_1)=1.5\ln(I_1+1)$ のとき、最適な設備投資 $I_1$ はいくらになるか。

最適化微分経済学
2025/7/25

この問題は、総需要(AD)曲線と総供給(AS)曲線が与えられた経済モデルにおいて、(1) 政府支出の増加と (2) 名目貨幣供給量の増加が、均衡物価水準にどのような影響を与えるかを求める問題です。AD...

経済モデル総需要曲線総供給曲線均衡物価水準代数
2025/7/25

表からカナダの電力エネルギー消費量と液体エネルギー消費量を読み取り、電力消費量が液体消費量の60%であることから、液体エネルギー消費量を求める問題です。最後に十万tの位を四捨五入します。

割合エネルギー消費量データ分析問題解決矛盾
2025/7/25

この問題は、総需要曲線(AD)と総供給曲線(AS)が与えられた経済モデルにおいて、以下の2つのケースにおける均衡物価水準 $P$ を求める問題です。 (1) 中央銀行の金融政策(名目貨幣供給量)は変わ...

経済学AD-ASモデル二次方程式均衡物価水準
2025/7/25

AD-AS分析において、与えられた総需要(AD)曲線と総供給(AS)曲線から、均衡物価水準 $P^* > 0$ を求める。AD曲線は $Y = 40 + \frac{300}{P}$ であり、AS曲線...

経済学AD-AS分析二次方程式解の公式均衡物価水準
2025/7/25

天体の表面から鉛直に打ち上げられるロケットについて、以下の問いに答えます。 (a) ロケットの質量 $m(t)$ を求めます。 (b) $m(t)$ を用い、ロケットの速度 $v$ についての運動方程...

微分方程式運動方程式積分力学ロケット
2025/7/25

問題5.3はキルヒホッフの法則に従うRL直列回路に関する問題です。 与えられた微分方程式 $L\frac{dI}{dt} + RI = E$ (ここで、$L, R, E$ は定数) を用いて、以下の...

微分方程式RL直列回路キルヒホッフの法則過渡現象回路解析
2025/7/25

与えられたマクロ経済モデルにおいて、総需要曲線(AD曲線)を導出し、物価水準 $P=3$ のときの実質GDP($Y$)を求める。 与えられた方程式は以下の通り: \begin{align*} Y &=...

マクロ経済学AD曲線GDP貨幣市場
2025/7/25

ロジスティック方程式 $\dot{N} = k_0 (1 - N/K) N$ の一般解を、変数変換 $u = N^{-1}$ を用いて求めよ。

微分方程式ロジスティック方程式変数変換一般解
2025/7/25

問題4.5は、放射性炭素($^{14}C$)の崩壊に関する問題です。 (a) 半減期が5730年であるとき、崩壊定数を求めます。 (b) 2000年経過後、$^{14}C$原子数が最初の何%になるかを...

放射性崩壊指数関数半減期対数
2025/7/25