天体の表面から鉛直に打ち上げられるロケットについて、以下の問いに答えます。 (a) ロケットの質量 $m(t)$ を求めます。 (b) $m(t)$ を用い、ロケットの速度 $v$ についての運動方程式を立てます。 (c) 運動方程式を解き、$v(t)$ を求めます。 (d) $v(t)$ を1回積分し、$y(t)$ を求めます。

応用数学微分方程式運動方程式積分力学ロケット
2025/7/25

1. 問題の内容

天体の表面から鉛直に打ち上げられるロケットについて、以下の問いに答えます。
(a) ロケットの質量 m(t)m(t) を求めます。
(b) m(t)m(t) を用い、ロケットの速度 vv についての運動方程式を立てます。
(c) 運動方程式を解き、v(t)v(t) を求めます。
(d) v(t)v(t) を1回積分し、y(t)y(t) を求めます。

2. 解き方の手順

(a) ロケットの質量 m(t)m(t) の導出
ロケットは毎秒質量 MM のガスを噴射するので、時刻 tt におけるロケットの質量 m(t)m(t) は、初期質量 m0m_0 から MtMt を引いたものになります。
m(t)=m0Mtm(t) = m_0 - Mt
(b) ロケットの速度 vv についての運動方程式の導出
運動方程式は、ロケットに働く力(重力)と、ガス噴射による推力によって記述されます。
外力がない場合のロケットの運動方程式を参考にすると、今回は重力が働いているため、以下のような運動方程式が立てられます。
m(t)dvdt=udmdtm(t)gm(t) \frac{dv}{dt} = u \frac{d m}{dt} - m(t)g
ここで、m(t)=m0Mtm(t) = m_0 - Mt であり、dmdt=M \frac{dm}{dt} = -M です。
したがって、運動方程式は次のようになります。
(m0Mt)dvdt=uM(m0Mt)g(m_0 - Mt)\frac{dv}{dt} = -uM - (m_0 - Mt)g
(c) 運動方程式を解き、v(t)v(t) を求める
上記の方程式を解くために、変形します。
dvdt=uMm0Mtg\frac{dv}{dt} = \frac{-uM}{m_0 - Mt} - g
両辺を tt で積分します。
dvdtdt=(uMm0Mtg)dt\int \frac{dv}{dt} dt = \int (\frac{-uM}{m_0 - Mt} - g) dt
v(t)=uMm0Mtdtgdtv(t) = \int \frac{-uM}{m_0 - Mt} dt - \int g dt
ここで、uMm0Mtdt=uln(m0Mt)+C1\int \frac{-uM}{m_0 - Mt} dt = u \ln(m_0 - Mt) + C_1 であり、gdt=gt+C2\int g dt = gt + C_2 です。
したがって、
v(t)=uln(m0Mt)gt+Cv(t) = u \ln(m_0 - Mt) - gt + C
初期条件 v(0)=0v(0) = 0 を用いると、
0=uln(m0)+C0 = u \ln(m_0) + C
C=uln(m0)C = - u \ln(m_0)
よって、
v(t)=uln(m0Mt)gtuln(m0)=uln(m0Mtm0)gtv(t) = u \ln(m_0 - Mt) - gt - u \ln(m_0) = u \ln(\frac{m_0 - Mt}{m_0}) - gt
(d) v(t)v(t) を1回積分し、y(t)y(t) を求める
y(t)=v(t)dt=[uln(m0Mtm0)gt]dty(t) = \int v(t) dt = \int [u \ln(\frac{m_0 - Mt}{m_0}) - gt] dt
ここで、
ln(m0Mt)dt=(m0Mt)ln(m0Mt)M+t+C\int \ln(m_0 - Mt) dt = -\frac{(m_0 - Mt)\ln(m_0 - Mt)}{M} + t + C
したがって、
uln(m0Mtm0)dt=um0ln(m0Mt)dt=um0[(m0Mt)Mln(m0Mt)+t]+C\int u \ln(\frac{m_0 - Mt}{m_0}) dt = \frac{u}{m_0} \int \ln(m_0 - Mt) dt = \frac{u}{m_0} [-\frac{(m_0 - Mt)}{M}\ln(m_0 - Mt) + t] + C
gtdt=12gt2+C\int gt dt = \frac{1}{2}gt^2 + C
y(t)=uln(m0Mtm0)dt12gt2+Cy(t) = u\int \ln(\frac{m_0 - Mt}{m_0})dt - \frac{1}{2} gt^2 + C
y(t)=uM(m0Mt)ln(m0Mtm0)+uMtm012gt2+Cy(t) = - \frac{u}{M} (m_0 - Mt) \ln(\frac{m_0 - Mt}{m_0}) + u\frac{Mt}{m_0} - \frac{1}{2} gt^2 + C
初期条件 y(0)=0y(0) = 0 より、C=0C = 0 であるから、
y(t)=uM(m0Mt)ln(m0Mtm0)+uMtm012gt2y(t) = - \frac{u}{M} (m_0 - Mt) \ln(\frac{m_0 - Mt}{m_0}) + u\frac{Mt}{m_0} - \frac{1}{2} gt^2

3. 最終的な答え

(a) m(t)=m0Mtm(t) = m_0 - Mt
(b) (m0Mt)dvdt=uM(m0Mt)g(m_0 - Mt)\frac{dv}{dt} = -uM - (m_0 - Mt)g
(c) v(t)=uln(m0Mtm0)gtv(t) = u \ln(\frac{m_0 - Mt}{m_0}) - gt
(d) y(t)=uM(m0Mt)ln(m0Mtm0)+uMtm012gt2y(t) = - \frac{u}{M} (m_0 - Mt) \ln(\frac{m_0 - Mt}{m_0}) + u\frac{Mt}{m_0} - \frac{1}{2} gt^2

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