ある企業が送付した商品の0.2%が配送中に破損する。1000個の商品を配送したとき、以下の値を求める。 (1) 1個の商品も破損していない確率 (2) 1個の商品が破損している確率 (3) 2個以上の商品が破損している確率 (4) 破損している商品の数の平均値 (5) 破損している商品の標準偏差

確率論・統計学確率ポアソン分布二項分布確率分布期待値標準偏差
2025/7/25

1. 問題の内容

ある企業が送付した商品の0.2%が配送中に破損する。1000個の商品を配送したとき、以下の値を求める。
(1) 1個の商品も破損していない確率
(2) 1個の商品が破損している確率
(3) 2個以上の商品が破損している確率
(4) 破損している商品の数の平均値
(5) 破損している商品の標準偏差

2. 解き方の手順

この問題は、二項分布またはポアソン分布を用いて解くことができます。破損率が小さいので、ポアソン分布で近似します。
商品の破損確率 p=0.002p = 0.002 (0.2%)
配送した商品の個数 n=1000n = 1000
平均破損数 λ=np=1000×0.002=2\lambda = np = 1000 \times 0.002 = 2
ポアソン分布の確率質量関数は、
P(X=k)=eλλkk!P(X=k) = \frac{e^{-\lambda}\lambda^k}{k!}
(1) 1個の商品も破損していない確率 (k=0k=0)
P(X=0)=e2200!=e20.1353P(X=0) = \frac{e^{-2}2^0}{0!} = e^{-2} \approx 0.1353
(2) 1個の商品が破損している確率 (k=1k=1)
P(X=1)=e2211!=2e20.2707P(X=1) = \frac{e^{-2}2^1}{1!} = 2e^{-2} \approx 0.2707
(3) 2個以上の商品が破損している確率
P(X2)=1P(X=0)P(X=1)=1e22e2=13e213×0.1353=10.4060=0.5940P(X \geq 2) = 1 - P(X=0) - P(X=1) = 1 - e^{-2} - 2e^{-2} = 1 - 3e^{-2} \approx 1 - 3 \times 0.1353 = 1 - 0.4060 = 0.5940
(4) 破損している商品の数の平均値
ポアソン分布の平均は λ\lambda なので、平均値は λ=2\lambda = 2
(5) 破損している商品の標準偏差
ポアソン分布の分散は λ\lambda なので、標準偏差は λ=21.414\sqrt{\lambda} = \sqrt{2} \approx 1.414

3. 最終的な答え

(1) 1個の商品も破損していない確率: e20.1353e^{-2} \approx 0.1353
(2) 1個の商品が破損している確率: 2e20.27072e^{-2} \approx 0.2707
(3) 2個以上の商品が破損している確率: 13e20.59401 - 3e^{-2} \approx 0.5940
(4) 破損している商品の数の平均値: 22
(5) 破損している商品の標準偏差: 21.414\sqrt{2} \approx 1.414

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