袋の中に赤球が $n$ 個、白球が $10-n$ 個入っている。この袋から2個の球を同時に取り出すとき、2個とも同色の球を取り出す確率が、赤球と白球を1個ずつ取り出す確率より小さくなるような $n$ の最大値を求める。ただし、$2 \le n \le 8$ である。

確率論・統計学確率組み合わせ不等式
2025/7/25

1. 問題の内容

袋の中に赤球が nn 個、白球が 10n10-n 個入っている。この袋から2個の球を同時に取り出すとき、2個とも同色の球を取り出す確率が、赤球と白球を1個ずつ取り出す確率より小さくなるような nn の最大値を求める。ただし、2n82 \le n \le 8 である。

2. 解き方の手順

まず、2個とも同色の球を取り出す確率を計算する。
2個とも赤球である確率は (n2)(102)=n(n1)10×9=n(n1)90\frac{n \choose 2}{10 \choose 2} = \frac{n(n-1)}{10 \times 9} = \frac{n(n-1)}{90}
2個とも白球である確率は ((10n)2)(102)=(10n)(9n)10×9=(10n)(9n)90\frac{(10-n) \choose 2}{10 \choose 2} = \frac{(10-n)(9-n)}{10 \times 9} = \frac{(10-n)(9-n)}{90}
したがって、2個とも同色の球を取り出す確率は
P(同色)=n(n1)90+(10n)(9n)90=n2n+9019n+n290=2n220n+9090=n210n+4545P(\text{同色}) = \frac{n(n-1)}{90} + \frac{(10-n)(9-n)}{90} = \frac{n^2 - n + 90 - 19n + n^2}{90} = \frac{2n^2 - 20n + 90}{90} = \frac{n^2 - 10n + 45}{45}
次に、赤球と白球を1個ずつ取り出す確率を計算する。
P(赤白)=n(10n)(102)=n(10n)45=10nn245P(\text{赤白}) = \frac{n(10-n)}{10 \choose 2} = \frac{n(10-n)}{45} = \frac{10n - n^2}{45}
問題の条件より、P(同色)<P(赤白)P(\text{同色}) < P(\text{赤白}) であるから、
n210n+4545<10nn245\frac{n^2 - 10n + 45}{45} < \frac{10n - n^2}{45}
n210n+45<10nn2n^2 - 10n + 45 < 10n - n^2
2n220n+45<02n^2 - 20n + 45 < 0
2n220n+45=02n^2 - 20n + 45 = 0 を解くと、
n=20±4004×2×454=20±4003604=20±404=20±2104=5±102n = \frac{20 \pm \sqrt{400 - 4 \times 2 \times 45}}{4} = \frac{20 \pm \sqrt{400 - 360}}{4} = \frac{20 \pm \sqrt{40}}{4} = \frac{20 \pm 2\sqrt{10}}{4} = 5 \pm \frac{\sqrt{10}}{2}
103.16\sqrt{10} \approx 3.16 より、
n5±3.162=5±1.58n \approx 5 \pm \frac{3.16}{2} = 5 \pm 1.58
n3.42n \approx 3.42 または n6.58n \approx 6.58
2n220n+45<02n^2 - 20n + 45 < 0 を満たす nn の範囲は 3.42<n<6.583.42 < n < 6.58 である。
2n82 \le n \le 8 であるので、nn4,5,64, 5, 6 となる。
したがって、nn の最大値は 66 である。

3. 最終的な答え

6

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