箱Aには当たりくじ4枚、はずれくじ1枚が入っている。箱Bには当たりくじ2枚、はずれくじ3枚が入っている。硬貨を1枚投げて、表が出たら箱Aから、裏が出たら箱Bからくじを1枚引く。引いたくじは戻さず、再度硬貨を投げて同様にくじを引く。この試行に関する以下の確率を求める。 (1) 1回目に当たりくじを引く確率。 (2) 1回目に当たりくじを引いたとき、それが箱Aから取り出されたものである条件付き確率。 (3) 2回続けて箱Aから当たりくじを引く確率。 (4) 2回続けて当たりくじを引き、かつ、そのうち少なくとも1枚は箱Aから引いた当たりくじである確率。

確率論・統計学確率条件付き確率試行確率の計算
2025/7/25

1. 問題の内容

箱Aには当たりくじ4枚、はずれくじ1枚が入っている。箱Bには当たりくじ2枚、はずれくじ3枚が入っている。硬貨を1枚投げて、表が出たら箱Aから、裏が出たら箱Bからくじを1枚引く。引いたくじは戻さず、再度硬貨を投げて同様にくじを引く。この試行に関する以下の確率を求める。
(1) 1回目に当たりくじを引く確率。
(2) 1回目に当たりくじを引いたとき、それが箱Aから取り出されたものである条件付き確率。
(3) 2回続けて箱Aから当たりくじを引く確率。
(4) 2回続けて当たりくじを引き、かつ、そのうち少なくとも1枚は箱Aから引いた当たりくじである確率。

2. 解き方の手順

(1) 1回目に当たりくじを引く確率
硬貨を投げて表が出る確率も裏が出る確率も 1/21/2 である。
箱Aから当たりくじを引く確率は 4/54/5、箱Bから当たりくじを引く確率は 2/52/5 である。
よって、1回目に当たりくじを引く確率は、
P(当たり)=P()×P(Aで当たり)+P()×P(Bで当たり)=12×45+12×25=410+210=610=35P(\text{当たり}) = P(\text{表}) \times P(\text{Aで当たり}) + P(\text{裏}) \times P(\text{Bで当たり}) = \frac{1}{2} \times \frac{4}{5} + \frac{1}{2} \times \frac{2}{5} = \frac{4}{10} + \frac{2}{10} = \frac{6}{10} = \frac{3}{5}
(2) 1回目に当たりくじを引いたとき、それが箱Aから取り出されたものである条件付き確率
条件付き確率の公式より、
P(A当たり)=P(A当たり)P(当たり)=P()×P(Aで当たり)P(当たり)=12×4535=410610=46=23P(\text{A}|\text{当たり}) = \frac{P(\text{A} \cap \text{当たり})}{P(\text{当たり})} = \frac{P(\text{表}) \times P(\text{Aで当たり})}{P(\text{当たり})} = \frac{\frac{1}{2} \times \frac{4}{5}}{\frac{3}{5}} = \frac{\frac{4}{10}}{\frac{6}{10}} = \frac{4}{6} = \frac{2}{3}
(3) 2回続けて箱Aから当たりくじを引く確率
1回目に箱Aから当たりくじを引く確率は P()×P(Aで当たり)=12×45=25P(\text{表}) \times P(\text{Aで当たり}) = \frac{1}{2} \times \frac{4}{5} = \frac{2}{5}
1回目に箱Aから当たりくじを引いた後、箱Aには当たりくじ3枚とはずれくじ1枚が残っている。
2回目に箱Aから当たりくじを引く確率は P()×P(Aで当たり)=12×34=38P(\text{表}) \times P(\text{Aで当たり}) = \frac{1}{2} \times \frac{3}{4} = \frac{3}{8}
よって、2回続けて箱Aから当たりくじを引く確率は
25×38=640=320\frac{2}{5} \times \frac{3}{8} = \frac{6}{40} = \frac{3}{20}
(4) 2回続けて当たりくじを引き、かつ、そのうち少なくとも1枚は箱Aから引いた当たりくじである確率
2回続けて当たりくじを引く確率は、
P(A, A)+P(A, B)+P(B, A)+P(B, B)P(\text{A, A}) + P(\text{A, B}) + P(\text{B, A}) + P(\text{B, B}) を計算する必要があるが、今回は少なくとも1枚は箱Aから引いた当たりくじである確率なので、P(B, B)P(\text{B, B}) は除外して考える。
P(A, A)=12×45×12×34=1280P(\text{A, A}) = \frac{1}{2} \times \frac{4}{5} \times \frac{1}{2} \times \frac{3}{4} = \frac{12}{80}
P(A, B)=12×45×12×24=880P(\text{A, B}) = \frac{1}{2} \times \frac{4}{5} \times \frac{1}{2} \times \frac{2}{4} = \frac{8}{80}
P(B, A)=12×25×12×44=880P(\text{B, A}) = \frac{1}{2} \times \frac{2}{5} \times \frac{1}{2} \times \frac{4}{4} = \frac{8}{80}
P(少なくとも1枚A)=1280+880+880=2880=720=35100=1440=145405=70200P(\text{少なくとも1枚A}) = \frac{12}{80} + \frac{8}{80} + \frac{8}{80} = \frac{28}{80} = \frac{7}{20} = \frac{35}{100} = \frac{14}{40} = \frac{14*5}{40*5} = \frac{70}{200}
2回続けて当たりくじを引く確率
A,A = (1/2)(4/5)(1/2)(3/4) = 12/80
A,B = (1/2)(4/5)(1/2)(2/4) = 8/80
B,A = (1/2)(2/5)(1/2)(4/4) = 8/80
B,B = (1/2)(2/5)(1/2)(1/4) = 2/80
2回続けて当たりくじを引く確率 = (12+8+8+2)/80=30/80
少なくとも1枚Aなので(12+8+8)/80=28/80
条件付き確率 = (28/80)/(30/80) = 28/30 = 14/15
これは選択肢にない。
少なくとも1枚Aから当たりくじを引いた確率はP(A,A)+P(A,B)+P(B,A)=(1/24/51/23/4)+(1/24/51/22/4)+(1/22/51/24/4)=12/80+8/80+8/80=28/80=7/20=35/100P(A,A)+P(A,B)+P(B,A) = (1/2*4/5*1/2*3/4)+(1/2*4/5*1/2*2/4)+(1/2*2/5*1/2*4/4) = 12/80+8/80+8/80 = 28/80 = 7/20 = 35/100
硬貨を2回投げて2回当たりくじを引く確率を場合分けして考える。
(A,A) = (1/2) * (4/5) * (1/2) * (3/4) = 3/20 = 15/100
(A,B) = (1/2) * (4/5) * (1/2) * (2/4) = 2/20 = 10/100
(B,A) = (1/2) * (2/5) * (1/2) * (4/4) = 2/20 = 10/100
(B,B) = (1/2) * (2/5) * (1/2) * (1/4) = 1/20 = 5/100
少なくとも1枚はAから当たりくじを引いているのは、(A,A),(A,B),(B,A)の場合。
よって、(3+2+2)/20 = 7/20 = 35/100

3. 最終的な答え

19: ウ. 3/5
20: イ. 2/3
21: ア. 3/20
22: エ. 31/100

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