光ファイバーを伝播する光信号の強度はランベルト-ベールの法則に従う。長さ $l_1$ と長さ $l_2$ の光ファイバーを使い、同じ入射光パワー $I_0$ のときの射出光パワーはそれぞれ $I_1$, $I_2$ であった。減衰定数 $\alpha$ を求めよ。

応用数学微分方程式積分物理学ランベルト-ベールの法則運動方程式
2025/7/25
## 4.3 光ファイバーの問題

1. 問題の内容

光ファイバーを伝播する光信号の強度はランベルト-ベールの法則に従う。長さ l1l_1 と長さ l2l_2 の光ファイバーを使い、同じ入射光パワー I0I_0 のときの射出光パワーはそれぞれ I1I_1, I2I_2 であった。減衰定数 α\alpha を求めよ。

2. 解き方の手順

ランベルト-ベールの法則によると、光ファイバー内の光の強度 II は距離 xx に対して以下の式で表される。
I=I0eαxI = I_0 e^{-\alpha x}
ここで、I0I_0 は入射光の強度、xx は光ファイバー内の距離、α\alpha は減衰定数である。
長さ l1l_1 の光ファイバーにおける射出光パワー I1I_1 は、
I1=I0eαl1I_1 = I_0 e^{-\alpha l_1}
同様に、長さ l2l_2 の光ファイバーにおける射出光パワー I2I_2 は、
I2=I0eαl2I_2 = I_0 e^{-\alpha l_2}
これらの式から I0I_0 を消去するために、I1I_1 の式を I2I_2 の式で割る。
I1I2=I0eαl1I0eαl2=eα(l1l2)\frac{I_1}{I_2} = \frac{I_0 e^{-\alpha l_1}}{I_0 e^{-\alpha l_2}} = e^{-\alpha (l_1 - l_2)}
両辺の自然対数をとると、
ln(I1I2)=α(l1l2)\ln \left(\frac{I_1}{I_2}\right) = -\alpha (l_1 - l_2)
したがって、減衰定数 α\alpha は、
α=1l1l2ln(I1I2)=1l2l1ln(I1I2)\alpha = -\frac{1}{l_1 - l_2} \ln \left(\frac{I_1}{I_2}\right) = \frac{1}{l_2 - l_1} \ln \left(\frac{I_1}{I_2}\right)

3. 最終的な答え

α=1l2l1ln(I1I2)\alpha = \frac{1}{l_2 - l_1} \ln \left(\frac{I_1}{I_2}\right)
## 4.4 自動車の問題

1. 問題の内容

質量 mm の自動車が静止状態から全力で加速を始める。自動車が出せる最大のパワー PP は一定であり、自動車が最大の効率で加速しているとき、推力 FF, 速度 v(=x˙)v (=\dot{x})PP の間には P=FvP = Fv の関係がある。
(a) 自動車の運動が従う運動方程式を示せ。
(b) v=x˙v = \dot{x} の変数変換を行い、v(t)v(t) を決定せよ。
(c) x(t)x(t) を決定せよ。

2. 解き方の手順

(a) 運動方程式
自動車に働く力は推力 FF のみであり、運動方程式はニュートンの第二法則 F=maF = ma で表される。
ここで a=v˙=x¨a = \dot{v} = \ddot{x} であるから、
F=mv˙F = m \dot{v}
また、P=FvP = Fv より F=PvF = \frac{P}{v} であるから、運動方程式は
mv˙=Pvm \dot{v} = \frac{P}{v}
または
mdvdt=Pvm \frac{dv}{dt} = \frac{P}{v}
(b) v(t)v(t) の決定
運動方程式を vvtt について変数分離して積分する。
mvdv=Pdtm v dv = P dt
両辺を積分すると、
mvdv=Pdt\int m v dv = \int P dt
12mv2=Pt+C\frac{1}{2} m v^2 = P t + C
初期条件 t=0t = 0v=0v = 0 より、C=0C = 0
したがって、
12mv2=Pt\frac{1}{2} m v^2 = P t
v2=2Pmtv^2 = \frac{2P}{m} t
v(t)=2Pmtv(t) = \sqrt{\frac{2P}{m} t}
(c) x(t)x(t) の決定
v(t)=x˙=dxdt=2Pmtv(t) = \dot{x} = \frac{dx}{dt} = \sqrt{\frac{2P}{m} t}
dx=2Pmtdtdx = \sqrt{\frac{2P}{m} t} dt
両辺を積分すると、
dx=2Pmtdt\int dx = \int \sqrt{\frac{2P}{m} t} dt
x=2Pmt1/2dtx = \sqrt{\frac{2P}{m}} \int t^{1/2} dt
x=2Pm23t3/2+Cx = \sqrt{\frac{2P}{m}} \frac{2}{3} t^{3/2} + C'
初期条件 t=0t = 0x=0x = 0 より、C=0C' = 0
したがって、
x(t)=232Pmt3/2x(t) = \frac{2}{3} \sqrt{\frac{2P}{m}} t^{3/2}

3. 最終的な答え

(a) mdvdt=Pvm \frac{dv}{dt} = \frac{P}{v}
(b) v(t)=2Pmtv(t) = \sqrt{\frac{2P}{m} t}
(c) x(t)=232Pmt3/2x(t) = \frac{2}{3} \sqrt{\frac{2P}{m}} t^{3/2}

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