次の極限を計算する問題です。ここで、$a>0$ です。 $$ \lim_{x \to 0} \frac{\log(x+a) - \log a}{x} $$

解析学極限対数ロピタルの定理
2025/7/25

1. 問題の内容

次の極限を計算する問題です。ここで、a>0a>0 です。
limx0log(x+a)logax \lim_{x \to 0} \frac{\log(x+a) - \log a}{x}

2. 解き方の手順

この極限を計算するために、まず対数の性質を使って式を簡略化します。対数の差は対数の商で表せるので、次のように変形できます。
limx0log(x+aa)x=limx0log(1+xa)x \lim_{x \to 0} \frac{\log \left(\frac{x+a}{a}\right)}{x} = \lim_{x \to 0} \frac{\log \left(1 + \frac{x}{a}\right)}{x}
次に、y=x/ay = x/a と置換します。x0x \to 0 のとき、y0y \to 0 です。すると、x=ayx = ay となり、極限は次のようになります。
limy0log(1+y)ay=1alimy0log(1+y)y \lim_{y \to 0} \frac{\log(1+y)}{ay} = \frac{1}{a} \lim_{y \to 0} \frac{\log(1+y)}{y}
ここで、よく知られた極限 limy0log(1+y)y=1\lim_{y \to 0} \frac{\log(1+y)}{y} = 1 を使います。
したがって、
1alimy0log(1+y)y=1a1=1a \frac{1}{a} \lim_{y \to 0} \frac{\log(1+y)}{y} = \frac{1}{a} \cdot 1 = \frac{1}{a}
あるいは、ロピタルの定理を使うこともできます。
limx0log(x+a)logax \lim_{x \to 0} \frac{\log(x+a) - \log a}{x}
これは 00\frac{0}{0} の不定形なので、ロピタルの定理を適用できます。分子と分母をそれぞれ xx で微分します。
limx0ddx(log(x+a)loga)ddxx=limx01x+a1=limx01x+a \lim_{x \to 0} \frac{\frac{d}{dx} (\log(x+a) - \log a)}{\frac{d}{dx} x} = \lim_{x \to 0} \frac{\frac{1}{x+a}}{1} = \lim_{x \to 0} \frac{1}{x+a}
x0x \to 0 のとき、1x+a1a\frac{1}{x+a} \to \frac{1}{a} なので、
limx01x+a=1a \lim_{x \to 0} \frac{1}{x+a} = \frac{1}{a}

3. 最終的な答え

1a\frac{1}{a}

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