与えられたトラス構造物において、節点法または切断法を用いて各部材の軸力を求め、その軸力が圧縮力か引張力かを判定します。構造は左右対称であり、対称性を利用して解くことが推奨されています。

応用数学構造力学トラス構造節点法切断法軸力
2025/7/26

1. 問題の内容

与えられたトラス構造物において、節点法または切断法を用いて各部材の軸力を求め、その軸力が圧縮力か引張力かを判定します。構造は左右対称であり、対称性を利用して解くことが推奨されています。

2. 解き方の手順

まず、反力を求めます。構造が左右対称であることと、荷重も左右対称であることから、支点AとEの反力は等しくなります。
RA=RER_A = R_E
全体の鉛直方向の力のつり合いを考えると、
RA+RE=P/2+P+P+P/2=3PR_A + R_E = P/2 + P + P + P/2 = 3P
したがって、
RA=RE=3P2R_A = R_E = \frac{3P}{2}
次に、節点Aに注目します。節点Aには、反力RAR_A、部材ABの軸力FABF_{AB}、部材AGの軸力FAGF_{AG}が作用します。
鉛直方向の力のつり合いを考えると、
RA+FAGsinθ=0R_A + F_{AG} \sin{\theta} = 0
水平方向の力のつり合いを考えると、
FAB+FAGcosθ=0F_{AB} + F_{AG} \cos{\theta} = 0
ここで、θ\thetaは部材AGが水平となす角であり、sinθ=112+12=12\sin{\theta} = \frac{1}{\sqrt{1^2+1^2}} = \frac{1}{\sqrt{2}}cosθ=12\cos{\theta} = \frac{1}{\sqrt{2}}となります。
FAG=RA/sinθ=3P2/12=32P2F_{AG} = -R_A / \sin{\theta} = -\frac{3P}{2} / \frac{1}{\sqrt{2}} = -\frac{3\sqrt{2}P}{2} (圧縮力)
FAB=FAGcosθ=(32P2)12=3P2F_{AB} = -F_{AG} \cos{\theta} = - (-\frac{3\sqrt{2}P}{2}) \frac{1}{\sqrt{2}} = \frac{3P}{2} (引張力)
次に、節点Gに注目します。節点Gには、荷重P/2P/2、部材AGの軸力FAGF_{AG}、部材BGの軸力FBGF_{BG}、部材GHの軸力FGHF_{GH}が作用します。
鉛直方向の力のつり合いを考えると、
P/2+FAGsinθ+FBGsinθ=0P/2 + F_{AG} \sin{\theta} + F_{BG} \sin{\theta} = 0
FBG=(P/2+FAGsinθ)/sinθ=(P/232P212)/12=(P/23P/2)/12=P2F_{BG} = -(P/2 + F_{AG} \sin{\theta}) / \sin{\theta} = - (P/2 - \frac{3\sqrt{2}P}{2} \frac{1}{\sqrt{2}}) / \frac{1}{\sqrt{2}} = - (P/2 - 3P/2) / \frac{1}{\sqrt{2}} = P \sqrt{2} (引張力)
水平方向の力のつり合いを考えると、
FAGcosθFGHFBGcosθ=0F_{AG} \cos{\theta} - F_{GH} - F_{BG} \cos{\theta} = 0
FGH=FAGcosθFBGcosθ=32P212P212=3P/2P=5P/2F_{GH} = F_{AG} \cos{\theta} - F_{BG} \cos{\theta} = -\frac{3\sqrt{2}P}{2}\frac{1}{\sqrt{2}} - P\sqrt{2}\frac{1}{\sqrt{2}} = -3P/2 - P = -5P/2 (圧縮力)
対称性より、
FCD=FAB=3P2F_{CD} = F_{AB} = \frac{3P}{2} (引張力)
FBC=FAB=3P2F_{BC} = F_{AB} = \frac{3P}{2} (引張力)
FHI=FGH=5P2F_{HI} = F_{GH} = -\frac{5P}{2} (圧縮力)
FBG=FDH=2PF_{BG} = F_{DH} = \sqrt{2} P (引張力)
FAG=FEJ=32P2F_{AG} = F_{EJ} = -\frac{3\sqrt{2}P}{2} (圧縮力)
FID=FBG=2PF_{ID} = F_{BG} = \sqrt{2} P (引張力)
節点Bにおいて、FABF_{AB}, FBGF_{BG}, FBCF_{BC}の力がつりあう必要がある。
FBC=FAB=3P/2F_{BC} = F_{AB} = 3P/2 (引張力)
節点Cにおいて、FBCF_{BC}, FCDF_{CD}, FHCF_{HC}の力がつりあう必要がある。
同様に対象性より、FHC=FBG=2PF_{HC} = F_{BG} = \sqrt{2} P (引張力)
節点Hにおいて、FGHF_{GH}, FHIF_{HI}, FCHF_{CH}, FHDF_{HD}の力がつりあう。
FHD=FBG=2PF_{HD} = F_{BG} = \sqrt{2}P
まとめると、
FAB=FCD=3P2F_{AB} = F_{CD} = \frac{3P}{2} (引張力)
FBC=3P2F_{BC} = \frac{3P}{2} (引張力)
FAG=FEJ=32P2F_{AG} = F_{EJ} = -\frac{3\sqrt{2}P}{2} (圧縮力)
FGH=FHI=5P2F_{GH} = F_{HI} = -\frac{5P}{2} (圧縮力)
FBG=FDH=P2F_{BG} = F_{DH} = P\sqrt{2} (引張力)
FCH=FID=2PF_{CH}=F_{ID}=\sqrt{2}P (引張力)

3. 最終的な答え

FAB=3P2F_{AB} = \frac{3P}{2} (引張力)
FBC=3P2F_{BC} = \frac{3P}{2} (引張力)
FCD=3P2F_{CD} = \frac{3P}{2} (引張力)
FAG=32P2F_{AG} = -\frac{3\sqrt{2}P}{2} (圧縮力)
FBG=2PF_{BG} = \sqrt{2}P (引張力)
FGH=5P2F_{GH} = -\frac{5P}{2} (圧縮力)
FHI=5P2F_{HI} = -\frac{5P}{2} (圧縮力)
FID=2PF_{ID} = \sqrt{2}P (引張力)
FEJ=32P2F_{EJ} = -\frac{3\sqrt{2}P}{2} (圧縮力)
FHD=2PF_{HD} = \sqrt{2}P (引張力)
FCI=2PF_{CI}=\sqrt{2}P

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