ベクトル関数 $\vec{F}_3(x,y,z) = \frac{4x-2y}{x^2+y^2+2} \vec{i} + \frac{4y+2x}{x^2+y^2+2} \vec{j}$ について、次の積分を計算する問題です。 (1) 体積分:$\iiint_{V_5} \mathrm{div} \vec{F}_3 \, dV$, ここで$V_5$は$x^2+y^2 \leq 1, 0 \leq z \leq 2$を満たす円柱です。 (2) 面積分:$\iint_{S_6} (\mathrm{rot} \vec{F}_3) \cdot \vec{n} \, dS$, ここで$S_6$は平面$z=2$にあり、$x^2+y^2 \leq 1$を満たす円であり、単位法線ベクトル $\vec{n}$ は $z$ が正の方向を向いています。

応用数学ベクトル解析体積積分面積分発散定理ストークスの定理円柱座標線積分
2025/7/26

1. 問題の内容

ベクトル関数 F3(x,y,z)=4x2yx2+y2+2i+4y+2xx2+y2+2j\vec{F}_3(x,y,z) = \frac{4x-2y}{x^2+y^2+2} \vec{i} + \frac{4y+2x}{x^2+y^2+2} \vec{j} について、次の積分を計算する問題です。
(1) 体積分:V5divF3dV\iiint_{V_5} \mathrm{div} \vec{F}_3 \, dV, ここでV5V_5x2+y21,0z2x^2+y^2 \leq 1, 0 \leq z \leq 2を満たす円柱です。
(2) 面積分:S6(rotF3)ndS\iint_{S_6} (\mathrm{rot} \vec{F}_3) \cdot \vec{n} \, dS, ここでS6S_6は平面z=2z=2にあり、x2+y21x^2+y^2 \leq 1を満たす円であり、単位法線ベクトル n\vec{n}zz が正の方向を向いています。

2. 解き方の手順

(1) 発散定理を使って体積積分を計算します。まず、divF3\mathrm{div} \vec{F}_3 を計算します。
divF3=x(4x2yx2+y2+2)+y(4y+2xx2+y2+2)+z(0) \mathrm{div} \vec{F}_3 = \frac{\partial}{\partial x}\left(\frac{4x-2y}{x^2+y^2+2}\right) + \frac{\partial}{\partial y}\left(\frac{4y+2x}{x^2+y^2+2}\right) + \frac{\partial}{\partial z}(0)
=4(x2+y2+2)(4x2y)(2x)(x2+y2+2)2+4(x2+y2+2)(4y+2x)(2y)(x2+y2+2)2 = \frac{4(x^2+y^2+2) - (4x-2y)(2x)}{(x^2+y^2+2)^2} + \frac{4(x^2+y^2+2) - (4y+2x)(2y)}{(x^2+y^2+2)^2}
=4x2+4y2+88x2+4xy+4x2+4y2+88y24xy(x2+y2+2)2 = \frac{4x^2 + 4y^2 + 8 - 8x^2 + 4xy + 4x^2 + 4y^2 + 8 - 8y^2 - 4xy}{(x^2+y^2+2)^2}
=16(x2+y2+2)2 = \frac{16}{(x^2+y^2+2)^2}
したがって、
V5divF3dV=V516(x2+y2+2)2dV \iiint_{V_5} \mathrm{div} \vec{F}_3 \, dV = \iiint_{V_5} \frac{16}{(x^2+y^2+2)^2} \, dV
円柱座標 (r,θ,z)(r, \theta, z) に変換すると、x=rcosθ,y=rsinθ,z=zx = r\cos\theta, y = r\sin\theta, z = z であり、dV=rdrdθdzdV = r \, dr \, d\theta \, dz です。積分範囲は 0r1,0θ2π,0z20 \leq r \leq 1, 0 \leq \theta \leq 2\pi, 0 \leq z \leq 2 となります。
V516(x2+y2+2)2dV=0202π0116(r2+2)2rdrdθdz \iiint_{V_5} \frac{16}{(x^2+y^2+2)^2} \, dV = \int_0^2 \int_0^{2\pi} \int_0^1 \frac{16}{(r^2+2)^2} r \, dr \, d\theta \, dz
まず、rr に関する積分を計算します。u=r2+2u = r^2 + 2 と置換すると、du=2rdrdu = 2r \, dr となり、積分範囲は 2u32 \leq u \leq 3 となります。
0116r(r2+2)2dr=238u2du=8[1u]23=8(13+12)=8(16)=43 \int_0^1 \frac{16r}{(r^2+2)^2} \, dr = \int_2^3 \frac{8}{u^2} \, du = 8\left[-\frac{1}{u}\right]_2^3 = 8\left(-\frac{1}{3} + \frac{1}{2}\right) = 8\left(\frac{1}{6}\right) = \frac{4}{3}
次に θ\theta に関する積分を計算します。
02π43dθ=43[θ]02π=8π3 \int_0^{2\pi} \frac{4}{3} \, d\theta = \frac{4}{3} [ \theta ]_0^{2\pi} = \frac{8\pi}{3}
最後に zz に関する積分を計算します。
028π3dz=8π3[z]02=16π3 \int_0^2 \frac{8\pi}{3} \, dz = \frac{8\pi}{3} [ z ]_0^2 = \frac{16\pi}{3}
(2) ストークスの定理を使って面積分を計算します。ストークスの定理より S6(rotF3)ndS=C6F3dr\iint_{S_6} (\mathrm{rot} \vec{F}_3) \cdot \vec{n} \, dS = \oint_{C_6} \vec{F}_3 \cdot d\vec{r}, ここで C6C_6S6S_6 の境界であり、x2+y2=1,z=2x^2+y^2 = 1, z = 2 を満たす円です。円のパラメータ表示は x=cost,y=sint,z=2x = \cos t, y = \sin t, z = 2 となり、0t2π0 \leq t \leq 2\pi です。したがって、dr=(sintdt)i+(costdt)j+(0)kd\vec{r} = (-\sin t \, dt) \vec{i} + (\cos t \, dt) \vec{j} + (0) \vec{k} となります。
F3(x,y,z)=4x2yx2+y2+2i+4y+2xx2+y2+2j=4cost2sint3i+4sint+2cost3j \vec{F}_3(x,y,z) = \frac{4x-2y}{x^2+y^2+2} \vec{i} + \frac{4y+2x}{x^2+y^2+2} \vec{j} = \frac{4\cos t - 2\sin t}{3} \vec{i} + \frac{4\sin t + 2\cos t}{3} \vec{j}
C6F3dr=02π[4cost2sint3(sint)+4sint+2cost3(cost)]dt \oint_{C_6} \vec{F}_3 \cdot d\vec{r} = \int_0^{2\pi} \left[ \frac{4\cos t - 2\sin t}{3} (-\sin t) + \frac{4\sin t + 2\cos t}{3} (\cos t) \right] \, dt
=02π4costsint+2sin2t+4sintcost+2cos2t3dt = \int_0^{2\pi} \frac{-4\cos t \sin t + 2\sin^2 t + 4\sin t \cos t + 2\cos^2 t}{3} \, dt
=02π2(sin2t+cos2t)3dt=02π23dt=23[t]02π=4π3 = \int_0^{2\pi} \frac{2(\sin^2 t + \cos^2 t)}{3} \, dt = \int_0^{2\pi} \frac{2}{3} \, dt = \frac{2}{3} [t]_0^{2\pi} = \frac{4\pi}{3}

3. 最終的な答え

(1) V5divF3dV=16π3\iiint_{V_5} \mathrm{div} \vec{F}_3 \, dV = \frac{16\pi}{3}
(2) S6(rotF3)ndS=4π3\iint_{S_6} (\mathrm{rot} \vec{F}_3) \cdot \vec{n} \, dS = \frac{4\pi}{3}

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