問題3: 行列 $A = \begin{bmatrix} a & b \\ c & d \end{bmatrix}$ の全ての成分が非負であり、さらに $a + c = b + d = 1$ を満たすとき、$A$ を確率行列という。確率行列 $A$ は $1$ を固有値に持つことを示し、固有値 $1$ に対する固有ベクトルを求めよ。 問題4: 2次正方行列 $A$ が相異なる固有値 $\lambda_1, \lambda_2$ をもつとする。固有値 $\lambda_k$ に対する固有ベクトルを $x_k$ とするとき、$x_1$ と $x_2$ は平行でないことを示せ。
2025/7/26
はい、承知いたしました。以下に問題の解答を示します。
1. 問題の内容
問題3: 行列 の全ての成分が非負であり、さらに を満たすとき、 を確率行列という。確率行列 は を固有値に持つことを示し、固有値 に対する固有ベクトルを求めよ。
問題4: 2次正方行列 が相異なる固有値 をもつとする。固有値 に対する固有ベクトルを とするとき、 と は平行でないことを示せ。
2. 解き方の手順
**問題3**
(1) 固有値が1であることを示す。
の固有値が 1 であることを示すには、 を示せばよい。ここで、 は単位行列である。
ここで、 より であり、 より であるから、
したがって、 は の固有値である。
(2) 固有ベクトルを求める。
固有値 1 に対する固有ベクトルを とすると、 を満たす。
これから、以下の連立方程式を得る。
, より、,
したがって、 となる。この式を満たす の組の一つは である。したがって、固有ベクトルは () となる。
**問題4**
と が平行であると仮定する。すると、 () と表せる。
かつ である。 を に代入すると、
かつ であるから、 となる。これは、 であることに矛盾する。したがって、 と は平行ではない。
3. 最終的な答え
**問題3**
* 固有値1を持つことの証明: を示すことで証明された。
* 固有ベクトル: ()
**問題4**
と は平行ではない。