実数 $x$ に対して、無限級数 $$ x + \frac{x}{1+x-x^2} + \frac{x}{(1+x-x^2)^2} + \cdots + \frac{x}{(1+x-x^2)^{n-1}} + \cdots $$ が収束するような $x$ の値の範囲と、そのときの無限級数の和を求める。

解析学無限級数等比級数収束不等式
2025/7/26

1. 問題の内容

実数 xx に対して、無限級数
x+x1+xx2+x(1+xx2)2++x(1+xx2)n1+ x + \frac{x}{1+x-x^2} + \frac{x}{(1+x-x^2)^2} + \cdots + \frac{x}{(1+x-x^2)^{n-1}} + \cdots
が収束するような xx の値の範囲と、そのときの無限級数の和を求める。

2. 解き方の手順

与えられた無限級数は、初項 xx、公比 11+xx2\frac{1}{1+x-x^2} の等比級数である。
等比級数が収束するための条件は、公比の絶対値が1より小さいことである。つまり、
11+xx2<1 \left| \frac{1}{1+x-x^2} \right| < 1
この不等式は、
1+xx2>1 |1+x-x^2| > 1
と同値である。
場合分けして考える。
(1) 1+xx2>11+x-x^2 > 1 のとき、
xx2>0x-x^2 > 0
x(1x)>0x(1-x) > 0
x(x1)<0x(x-1) < 0
よって、0<x<10 < x < 1
(2) 1+xx2<11+x-x^2 < -1 のとき、
xx2<2x-x^2 < -2
x2x2>0x^2-x-2 > 0
(x2)(x+1)>0(x-2)(x+1) > 0
よって、x<1x < -1 または x>2x > 2
したがって、収束条件を満たす xx の範囲は、 x<1x < -1 または 0<x<10 < x < 1 または x>2x > 2 である。
等比級数が収束するとき、その和は
x111+xx2=x1+xx211+xx2=x(1+xx2)xx2=x(1+xx2)x(1x)=1+xx21x \frac{x}{1-\frac{1}{1+x-x^2}} = \frac{x}{\frac{1+x-x^2-1}{1+x-x^2}} = \frac{x(1+x-x^2)}{x-x^2} = \frac{x(1+x-x^2)}{x(1-x)} = \frac{1+x-x^2}{1-x}
x=0x=0のとき、与えられた級数はすべて0となるので、収束し、和は0である。
x0x \neq 0 の場合、和は1+xx21x\frac{1+x-x^2}{1-x}である。

3. 最終的な答え

無限級数が収束するような xx の範囲は、x<1x < -1 または 0x<10 \le x < 1 または x>2x > 2
このときの無限級数の和は、
x=0x=0 のとき 00
x0x \neq 0 のとき 1+xx21x\frac{1+x-x^2}{1-x}
x=0x=0の場合も1+xx21x\frac{1+x-x^2}{1-x}に当てはめると11になるため,別で表記する必要がある。
よって、0<x<10 < x < 1の場合の無限級数の和は1+xx21x\frac{1+x-x^2}{1-x}
x<1x < -1 または x>2x > 2の場合の無限級数の和は1+xx21x\frac{1+x-x^2}{1-x}
x=0x = 0 の場合の無限級数の和は00

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