与えられた問題は、ガウス積分と呼ばれる積分の計算です。具体的には、次の定積分の値を求めます。 $\int_{0}^{\infty} e^{-x^2} dx$

解析学積分定積分ガウス積分極座標変換
2025/7/27

1. 問題の内容

与えられた問題は、ガウス積分と呼ばれる積分の計算です。具体的には、次の定積分の値を求めます。
0ex2dx\int_{0}^{\infty} e^{-x^2} dx

2. 解き方の手順

この積分を直接的に計算することは難しいので、工夫が必要です。一般的には以下の手順で計算します。
ステップ1: 積分を2乗する
まず、与えられた積分を II とおきます。
I=0ex2dxI = \int_{0}^{\infty} e^{-x^2} dx
次に、I2I^2 を計算します。
I2=(0ex2dx)(0ey2dy)=00e(x2+y2)dxdyI^2 = \left(\int_{0}^{\infty} e^{-x^2} dx\right) \left(\int_{0}^{\infty} e^{-y^2} dy\right) = \int_{0}^{\infty} \int_{0}^{\infty} e^{-(x^2 + y^2)} dx dy
ステップ2: 極座標変換
直交座標 (x,y)(x, y) を極座標 (r,θ)(r, \theta) に変換します。
x=rcosθx = r\cos\theta
y=rsinθy = r\sin\theta
x2+y2=r2x^2 + y^2 = r^2
dxdy=rdrdθdx dy = r dr d\theta
積分範囲は x0x \ge 0 かつ y0y \ge 0 であるため、θ\theta の範囲は 0θπ20 \le \theta \le \frac{\pi}{2} となります。
rr の範囲は 0r<0 \le r < \infty です。
したがって、I2I^2 は次のように書き換えられます。
I2=0π/20er2rdrdθI^2 = \int_{0}^{\pi/2} \int_{0}^{\infty} e^{-r^2} r dr d\theta
ステップ3: 積分の計算
まず、rr に関する積分を計算します。
u=r2u = r^2 と置くと、du=2rdrdu = 2r dr なので、
0er2rdr=120eudu=12[eu]0=12(0(1))=12\int_{0}^{\infty} e^{-r^2} r dr = \frac{1}{2} \int_{0}^{\infty} e^{-u} du = \frac{1}{2} [-e^{-u}]_{0}^{\infty} = \frac{1}{2} (0 - (-1)) = \frac{1}{2}
次に、θ\theta に関する積分を計算します。
0π/212dθ=12[θ]0π/2=12(π20)=π4\int_{0}^{\pi/2} \frac{1}{2} d\theta = \frac{1}{2} [\theta]_{0}^{\pi/2} = \frac{1}{2} \left(\frac{\pi}{2} - 0\right) = \frac{\pi}{4}
したがって、
I2=π4I^2 = \frac{\pi}{4}
ステップ4: 解を求める
I>0I > 0 であることに注意して、II を求めます。
I=π4=π2I = \sqrt{\frac{\pi}{4}} = \frac{\sqrt{\pi}}{2}

3. 最終的な答え

0ex2dx=π2\int_{0}^{\infty} e^{-x^2} dx = \frac{\sqrt{\pi}}{2}

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