純溶媒Aに溶質Bを溶解させた溶液を冷却したところ、-23℃でAとBの両方が同時に結晶化した。AとBの分子量はそれぞれ20と60であり、Aの凝固点降下定数 $K_f = 1.9 \, \text{K kg mol}^{-1}$ である。0℃=273Kとする。BはAに溶解した際、1価の陽イオンと陰イオンに分離する。 (1) 質量モル濃度 $b_B$ を求めよ。 (2) 混合物AB(溶液)1kg中のAとBの質量を求めよ。 (3) このとき混合物ABにおけるBのモル分率 $x_B$ の値を求めよ。 (4) 結晶化したAの化学ポテンシャルは、同じ温度で溶媒Aが純物質である場合と比べてどのくらい変化しているか。
2025/7/27
1. 問題の内容
純溶媒Aに溶質Bを溶解させた溶液を冷却したところ、-23℃でAとBの両方が同時に結晶化した。AとBの分子量はそれぞれ20と60であり、Aの凝固点降下定数 である。0℃=273Kとする。BはAに溶解した際、1価の陽イオンと陰イオンに分離する。
(1) 質量モル濃度 を求めよ。
(2) 混合物AB(溶液)1kg中のAとBの質量を求めよ。
(3) このとき混合物ABにおけるBのモル分率 の値を求めよ。
(4) 結晶化したAの化学ポテンシャルは、同じ温度で溶媒Aが純物質である場合と比べてどのくらい変化しているか。
2. 解き方の手順
(1) 凝固点降下度 は、
ここで、 はファントホッフ因子であり、Bは1価の陽イオンと陰イオンに分離するため、である。
したがって、
(2) 溶液1kg中のAの質量を 、Bの質量を とする。
Bの質量モル濃度は である。ここで、はBのモル数である。
したがって、
(3) Aのモル数
Bのモル数
Bのモル分率
(4) 溶液中のAの活量
化学ポテンシャルの変化
3. 最終的な答え
(1) 質量モル濃度
(2) Aの質量 、Bの質量
(3) Bのモル分率
(4) 化学ポテンシャルの変化