$R^2$ 上の関数 $f(x,y) = xy(1-x-y)$ が極大値、極小値を取る点が存在するかどうかを判定します。

解析学多変数関数偏微分極値ヘッセ行列
2025/7/27

1. 問題の内容

R2R^2 上の関数 f(x,y)=xy(1xy)f(x,y) = xy(1-x-y) が極大値、極小値を取る点が存在するかどうかを判定します。

2. 解き方の手順

まず、偏微分を計算します。
f(x,y)=xyx2yxy2f(x,y) = xy - x^2y - xy^2
fx=fx=y2xyy2f_x = \frac{\partial f}{\partial x} = y - 2xy - y^2
fy=fy=xx22xyf_y = \frac{\partial f}{\partial y} = x - x^2 - 2xy
極値を取る点は、fx=0f_x = 0 かつ fy=0f_y = 0 を満たす点です。
したがって、次の連立方程式を解きます。
y2xyy2=0y - 2xy - y^2 = 0
xx22xy=0x - x^2 - 2xy = 0
y(12xy)=0y(1 - 2x - y) = 0
x(1x2y)=0x(1 - x - 2y) = 0
場合分けします。
(1) x=0x=0 のとき、 y(1y)=0y(1-y)=0 となり、y=0y=0 または y=1y=1. よって、(0,0),(0,1)(0,0), (0,1) が候補。
(2) y=0y=0 のとき、x(1x)=0x(1-x) = 0 となり、x=0x=0 または x=1x=1. よって、(0,0),(1,0)(0,0), (1,0) が候補。
(3) x0x \neq 0 かつ y0y \neq 0 のとき、
12xy=01 - 2x - y = 0
1x2y=01 - x - 2y = 0
これを解くと
24x2y=02 - 4x - 2y = 0
1x2y=01 - x - 2y = 0
辺々引くと 13x=01 - 3x = 0 より x=13x = \frac{1}{3}.
1132y=01 - \frac{1}{3} - 2y = 0 より 23=2y\frac{2}{3} = 2y なので y=13y = \frac{1}{3}.
よって、 (13,13)(\frac{1}{3}, \frac{1}{3}) が候補。
次に、2階偏微分を計算します。
fxx=2fx2=2yf_{xx} = \frac{\partial^2 f}{\partial x^2} = -2y
fyy=2fy2=2xf_{yy} = \frac{\partial^2 f}{\partial y^2} = -2x
fxy=2fxy=12x2yf_{xy} = \frac{\partial^2 f}{\partial x \partial y} = 1 - 2x - 2y
ヘッセ行列式 D=fxxfyyfxy2=4xy(12x2y)2D = f_{xx}f_{yy} - f_{xy}^2 = 4xy - (1-2x-2y)^2 を計算します。
(1) (0,0)(0,0) のとき、 D=1<0D = -1 < 0 なので、極値ではない。
(2) (0,1)(0,1) のとき、 D=(1)2=1<0D = -(-1)^2 = -1 < 0 なので、極値ではない。
(3) (1,0)(1,0) のとき、D=(1)2=1<0D = -(-1)^2 = -1 < 0 なので、極値ではない。
(4) (13,13)(\frac{1}{3}, \frac{1}{3}) のとき、
fxx=23f_{xx} = -\frac{2}{3}
fyy=23f_{yy} = -\frac{2}{3}
fxy=12323=13f_{xy} = 1 - \frac{2}{3} - \frac{2}{3} = -\frac{1}{3}
D=41919=39=13>0D = 4 \cdot \frac{1}{9} - \frac{1}{9} = \frac{3}{9} = \frac{1}{3} > 0.
fxx=23<0f_{xx} = -\frac{2}{3} < 0 なので、 (13,13)(\frac{1}{3}, \frac{1}{3}) で極大値を取る。

3. 最終的な答え

関数 f(x,y)=xy(1xy)f(x,y) = xy(1-x-y) は、点 (13,13)(\frac{1}{3}, \frac{1}{3}) で極大値を取ります。

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